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平成19年1月30日大臣会見概要

平成19年1月30日
9時32分〜9時46分
参議院議員食堂

大臣)
 今日の閣議では労働力調査結果の発表がありました。労働力調査結果はかなりいいようです。雇用数は過去最多、就業者数は39万増加、失業者数は21万減少というようなお話がありました。それから、総務大臣から少年非行対策に対する政策評価についてのご発言がありましたので、私から、「教育再生会議の第一次報告でご提言のあった荒廃した一部の学校への対策としての出席停止制度の活用、児童生徒への懲戒の運用のあり方については、現行法でできることから迅速にということで、現在、法制局等と協議をしておりますので、スピード感を持って教育委員会に通知をしたい」と申し上げました。また、いじめ対策について総理の国会答弁がございましたので、24時間対応の電話相談体制について、補正予算の成立を待って措置できるように、現在準備を進めていることをお話をしました。

記者)
 安倍総理が今国会での提出を表明された3法案について、官房長官、副官房長官から、成立について必ずしもこだわらないという趣旨のご発言があったようですが、参議院選挙をにらんでの発言かもしれませんが、大臣のお考えを聞かせてください。

大臣)
 教育再生会議の後の会見等はあったと思いますが、会議の席上で総理が私に仰ったことを正確にお伝えしますと、「現行法でできることについて迅速にやってもらいたいと1月22日月曜日に文部科学大臣にお願いをした」ということ。それから、「3つの法案については、通常国会に提出できるように措置をとってもらいたい」ということを仰いました。それで、委員の中から、中央教育審議会にかけるのは時間的に無理だから省略をして、という超法規的なご意見もありましたが、「国家行政組織法に基づいて、中央教育審議会の役割が法定されていますから、それはできません。中央教育審議会にかけてから法案を出します。法律の枠の中で、総理のご指示に従うべく、最大限の努力をいたします」と、私は申し上げました。そこまでが教育再生会議でのやりとりです。
 行政府が国会に法律案を出す限りは、成立をお願いして出さなければ、立法府に対して失礼なことです。塩崎官房長官や下村副官房長官がどういう発言をされたかは別ですが、あとは国会の審議の進め方のことですから、これに行政府が立ち入って発言をすれば、行政府の越権行為になりますから、国会でできるだけ成立をお願いしたいという趣旨のことを仰ったのではないかと思います。
 それから、教育再生会議の後のぶらさがり会見で報道各社からご質問があったのでお話ししたのですが、教育というものは、色々な価値観やその人の立場によって、良き教育とは何ぞや、良き日本人とは何ぞやということが皆違ってきますので、広く大勢の人に議論をしてもらうことが一番大切なことだと私は思います。その一番の議論の場が国会であり、あるいは報道機関によって報道され、それを社会一般がどういうふうに受け止めて、どういう意見が出てくるのか。ですから、この頃の若い人は新聞を読まないようですが、私は新聞の投書欄もずっと見ています。そういうご意見は謙虚に受け止めながらやっていかなければいけませんので。総理のお気持ちとしては、国会へ法案を提出する限りは法律の成立を期するというのは当たり前のことですが、同時に、法案を提出することによって、広く国民間で議論をしてほしいという意図もあったのではないかという感じはします。

記者)
 柳沢厚生労働大臣の発言について、今日総理から、閣僚懇談会等では、「閣僚の発言には注意するように」といったお話はありましたか。

大臣)
 閣僚懇談会等についての内容は、個々の閣僚からお話をしてはいけないことになっていますので、官房長官からまとめてお話をされると思いますが、国会が始まるので、緊張感をもって皆で対応していこうという雰囲気ではありました。

記者)
 出席停止等についての教育委員会への通知ですが、今週中くらいには出せるのでしょうか。

大臣)
 いや、これは、文部科学省だけでやれることではありません。出席停止の方はともかくとして、体罰の問題については、定義について、暴力を振るう生徒に対して止めることができないというような発言をしている人もいますが、そんなことはないと思います。正当防衛ということや、緊急避難的な教室の秩序維持という立場もありますから。戦後の法務庁長官、当時は法務総裁と言ったのでしょうか。その人の出した通知みたいなものがあるので、それについて現在の内閣法制局や法務省の人権擁護局とよく調整をしなくてはいけません。予断を持って、私の気持ちだけで通知できるのなら、今のご質問にすぐお答えできますが、ちょっとそれは分かりません。

記者)
 体罰について、今大臣が仰ったように、法務庁通知を読んでみると、別に何もできないという内容ではないと思いますが、それでも何か見直しをする必要があるとお考えですか。

大臣)
 体罰について、あそこに書かれていることを読まれたらお分かりのように、かなり窮屈に書かれています。それをどう解釈をして、どう現実に合うようにしていくか。残念ながら文部科学省には指導、指示する権限はないので、教育委員会が学校現場に指導、指示をしたときに、学校現場がやったことについて、学校が一体となって守る。教育委員会もまた、地域住民が何か仰った場合に、「いや、そうではなく、これはこういうことです」という態度で、学校を包む。そしてまた、地方議会もその趣旨を理解して、きちんと守る。そして何よりも、学校協議会、その他の地域社会が、教育再生会議的言葉を使えば、まさに社会総ぐるみという方向でやってくれなければ絵空事になります。行政府からの一遍の通知で現場を知らないということでは、学校の先生を苦しめるだけですので、その辺のしっかりした対応についても、同時に通知をしなければいけないと思います。

記者)
 出席停止制度や正当防衛等については、かつても通知が出されていますが、これが実際に現場には伝わっていないということではないですか。

大臣)
 伝わっていないというよりも、人間というのは、やろうとしたときに、皆が「そうだ」と言って守ってくれなければ、やれません。ですから、学校の先生を孤立させるだけの通知ではいけないと思います。通知されていることが実行できるような学校が存在している地域社会の雰囲気みたいなものを確立しないと駄目なのではないでしょうか。

大臣)
 中央教育審議会の委員の任命について、昨日の夜、70歳を超えた人は委員に任命されないというルールの適用については、何人かの方が余人をもって代え難いということで、担当局が内閣府から了解を得たようです。そして、任期は10年を超えてはいけないというルールは厳格に適用して例外はないということですから、残念ですが、現委員の中で10年になられる方は、皆さん引かれることになる、というところが現状です。

(了)

(大臣官房総務課広報室)


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