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平成19年1月23日大臣会見概要

平成19年1月23日
10時38分〜10時57分
文部科学省記者会見室

大臣)
 今日の閣議は、規制改革推進本部を設置するということ、それから、松岡農林水産大臣が中国に行かれて、日本の米輸出ができることで話がついたということです。日本の農業のためにも、これは非常に大きな問題だと思います。文部科学省関係では、菅総務大臣から、「夕張市について歳出を見直す中で、住民にあまり過大な迷惑がかからないように再建計画を立てていきたいので、関係大臣のご協力を得たい」と発言がありました。学校の問題その他があるんだと思います。具体的な話については、そのときはまだ発言がありませんでした。

記者)
 先週末のセンター試験で、英語のリスニングについて、再試験を受けざるを得ない状況になってしまったのですが、これについての大臣のご所感と、次年度以降、形態の見直しがあり得るのかという点について、いかがでしょうか。

大臣)
 センター試験は、高校生にとって大学入試につながる大切なものですから、リスニングに不具合が生じたことは、結果的に非常に残念なことですし、センター試験を所管している文部科学省としては、昨年より不具合が減っていても、約0.07パーセントの受験生に結果的に迷惑をかけたことについては、大変申し訳なく思っております。機器そのものの不具合、操作方法に慣れていなかった等、色々な状況があるようです。問題があったと言われる機器については、分解をして調べるようですが、いずれにしろ、再度試験を受けていただくという負担をかけてしまったことについて、機械相手のことですし、操作のことですから完全にゼロというのはなかなか難しいと思いますが、来年以降できるだけご迷惑のかからないように、事前のチェックその他をしっかりと行ってほしいということを、大学入試センター長が来られた時にお話をしました。リスニングを入れるかどうかについては、やめるとやめたで、またプラクティカルな英語ができていないという批判が一方にありますし、当面は機器の精度を上げ、事前のチェックを行いながら、リスニングを無視することはできないと思っています。

記者)
 昨日安倍総理から、出席停止制度の活用について指示があったということですが、それについての今後の進め方についてお聞かせください。

大臣)
 閣議後の5分や10分ではなかなか突っ込んだ話ができないので、一度しっかりと時間を取って政治家同士の話をしようと言っていたときに、たまたま昨日の朝、一時間近く空いているということなので、私の方からお伺いしました。一部、教育再生を最優先の政策課題としてやっていくという施政方針演説になるという報道がされていましたので、安倍総理にお伺いしまして、その辺は間違いはないですということでした。率直に言うと、教育再生会議からのご提案が24日にあるようですが、現行法でもできることはたくさんあるのではないか、と私は申し上げました。それはそうだろうということで、色々話をしていて、結局、学校で学ばせること、子どもを通わせることの両方について、保護者が安心できる状態を作ることが教育再生の一番大切なことではないかという話になりました。今、出席停止ということがもっともらしく言われていますが、現行法でも可能なことなのです。ただ、出席停止にした場合に、当該校長を地域や教育委員会がきちんとバックアップしてあげる体制がないと、校長先生や教員の立場からすると、怖くてできません。同時に、それを野放図に認めてしまうと、自分たちの努力を省略し、簡単に出席停止にするということになってはまずいので、文部科学省としてもある程度きめ細かく申し上げて、現場の先生方が「なるほど」と思って、安心してできる形にしたらどうだろう、文部科学大臣の方で一度担当局ともよく話をして、単にいじめの問題だけではなく学校現場が荒れている場合にどうするかという問題もありますので、十分色々な法令その他を見て、一致協力してやっていけるような通知のようなものが出せないかということでしたので、帰って早速やってみましょうとお引き受けしたということが真実です。

記者)
 かなり近い将来にということですか。

大臣)
 別にそんなに時間のかかることではありません。要は法律の点検とか、正当防衛とか、色々なことを見ないといけませんし、同時に、そこへ逃げ込んで自分たちが努力をしないというのも困ります。逆に、やむを得ず、最終的にその措置を取ったというときには、みんなでその人を守ってあげないといけません。とかく子どもの人権はどうなるんだという口上だけで、そういう措置を取った人が悪いということになってはいけませんので、その辺が実際に動くようにしないといけませんので、諸法律、今までの通達等をよく見直して、そんなに遅くならない時期に案をまとめたいと思っています。

記者)
 明日の教育再生会議で一次報告が出される予定ですが、体罰の範囲について、法令通知の見直しも盛り込まれる見通しですが、実際に盛り込まれれば、どう対応されるかということと、山谷首相補佐官が現行の体罰の範囲について、騒いだ子を廊下に出せないのは、ちょっとおかしいというようなご指摘をされていますが、それについて大臣のご感想はいかがですか。

大臣)
 体罰は一応禁止をされていますから、もしそういう一次報告が出れば、体罰の範囲について、現場の先生方のお立場も考えながら、いわゆる体罰というものはどういうものなのか、そして、この範囲であればやむを得ない、というケースがあるのか、ないのかを少し詰めてみないといけないと思います。騒いだ子どもを外に出せないというのは、どうでしょう。現行法でも、例えば正当防衛などがあるわけですから。要は、子どもの人権といって抗議がきたら、みんながその抗議を怖がって対応できないという雰囲気のもとでは、あらゆることはできません。ですから、いったいどういうものを体罰というのか。自分の思い通りにならなければ殴る、暴行を加える等でしょうか。戦後のことですが、私もそろばんの上に座らされたことがあります。あれは法律からすると、明らかに違反だったと思います。そういう極端なことは別として、何が体罰なのかは、整理してみないといけないと思います。

記者)
 常々、教育委員会制度のあり方について、総理のお考えを聞いてみたいと仰っていましたが、昨日のお話し合いでは、その点についてはいかがでしたか。

大臣)
 教育委員会の問題、学習指導要領、その基本になる学校教育法、教員の免許制度など、安倍総理の教育にかけるお考えを、色々伺いました。随分よく勉強しておられます。私から、「総理のお考えは十分伺いました。是非これは、案を作って多くの国民に議論していただいたらどうでしょう」と申し上げました。しかし、現行法令のもとでは、多くのものは、中央教育審議会にかけないといけない手順、手続きとなっています。中央教育審議会のメンバーは1月31日で任期が切れますので、この人選も急いで、スピード感をもって色々な法律に対応できるようにしようということを二人の共通認識として、昨日帰ってきました。いずれにしろ、教育委員会の問題、免許の問題、それから学習指導要領の問題は、既にある程度中央教育審議会にはご意見を伺っていますが、教育再生会議の報告では若干違うところもありますから、できるだけ早く中央教育審議会にご意見を伺って、出てきたご意見は、その都度フィードバックしたいと思います。そして成案を得て、与党内調整を経て、国会へ出すものは出していくという手順になると思います。安倍総理には安倍総理のお考えがあるでしょうから、それはどこかの時点で総理が仰ることと思います。

記者)
 先日の教育再生会議の分科会の後で、山谷首相補佐官が記者会見で、教員免許の更新制については中央教育審議会の答申より踏み込んだ提言をすると仰いました。具体的には修了認定の厳格な運用と、指導不適格教員については、研修を受ける前にまず検定をするというようなことを仰いましたが、今のお話では、これについてももう一回中央教育審議会に諮問するということですか。

大臣)
 従来、中央教育審議会の提案と違うものについては、当然、中央教育審議会にご報告するかお諮りするということはあると思いますが、ある程度の裁量が立法責任者に許されて当然だと思います。教育再生会議が提言したから、全て中央教育審議会にかけなければならないとか、中央教育審議会が答申したから、全てその通りに立法しなくてはいけないというわけではありません。当然、立法政策としては、文部科学大臣の判断権というものはそこにあるわけですから。しかしながら、できるだけ、手順、手続きは丁寧にしたいというのが私の考えです。

(了)

(大臣官房総務課広報室)


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