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平成18年11月28日大臣会見概要

平成18年11月28日
8時46分〜9時2分
参議院議員食堂

大臣)
 今日の閣議は文部科学省関係の案件はありません。平成18年度の補正予算と平成19年度の予算編成について、財政体質の改革を一層進めるようにという、総理からのご指示があり、財務大臣からも補正予算の編成にあたっては、国民の安全・安心の観点から、災害対策等、必要な経費に限定して対応することとしたい、というご発言がありました。当省関係で、今、財務省に要求をしているのは、いじめ対策と、学校の耐震基準を満たしてないものについての補修の予算です。現在折衝中ですが、概ね閣議の方針に従った要求をしておりますので、補正予算の中では、ほぼこちらの要望どおりになると思います。

記者)
 教育改革タウンミーティングについてですが、これまでに8回中6回で文部科学省ないしは内閣府から地元の教育委員会などに参加者を要請していたということが明らかになりましたが、それについて大臣のご所見をお願いいたします。

大臣)
 やらせという言葉を使うと、非常に不適当な日本語に響きますけれども、本来、一番大きな民意の集約というのは、憲法上厳然として国民全員が参加する選挙が行われた結果によって、議員一人一人が、国民の意思を体現して国会へ来ているという事実なんです。ただ、選挙が行われる時期と、もろもろの意思決定が行われる時期が必ずしも一致しないから、それを補完する仕組みとしてタウンミーティングや新聞の論説、社説のようなもの。あるいは世論調査もそのひとつかもわかりません。それがこういう形で不適切に運用されているということは、決して望ましいことではありません。ただ、どのような会議でも、口火の発言をしてくれとか、こういう形で動かしていきたいということは、普通あることなんです。だからそのことを隠し立てせずにもっとオープンにお話をすればいいし、色々な資料を見ていても、逆に必ずしもお願いした意図どおりに会議が動いていないような資料も民主党から出ております。いずれにしろ、こういうことで民意を把握したからという表現を用いることについては、やはりその省にいる人は慎重であるべきだと思います。

記者)
 それに関連してですが、今後、塩崎官房長官は、安倍総理大臣のもとに、また新たなタウンミーティングの開催を考えていきたいと仰っていましたが、大臣は今後のタウンミーティングの在り方について、何かお考えがありますか。

大臣)
 公平・公正というような言葉は非常に難しいですが、一般のご意見を伺えるような場は、塩崎官房長官が考えているように、作っていけばいいのではないでしょうか。ただ一度こういう怪我をしているから、再開する場合にはよほど慎重に、透明度をもってやらないといけないと思います。

記者)
 昨日の教育再生会議教育再生分科会で、いじめ対策の緊急提言という形で、いじめた側の子どもを一定期間、学校教育法の規定に基づいて出席停止にするということですが、大臣はどのようにお考えでしょうか。

大臣)
 今でも出席停止処分というのはありますから、どう運用していくかは、ケースバイケースだと思います。いじめと一概に言うけれども、色々なケースがあります。大人であれば、当然刑法によって罰せられなければならないような恐喝、暴行、傷害という行為をしている場合と、そうではない場合もありますから。いじめをした子どもは、中身にもよりますが、すべて登校させないというわけにもいかないでしょう。いずれにしましても、教育再生会議は、閣議決定をもって行われている総理の、言うならばアドバイザリーボードですから、そこで色々なことをご提言になって、総理に考えをお伝えいただくということになりますので、それを受けて総理から私にどういうお話があるか。現行の学校の法律その他に基づいて、お互いに話し合ってみて、やればいいということがあれば私はやりますし、私と総理の意見が違う場合は調整しなくてはいけないということでしょう。けれど、意見が違うということはほとんどないと思います。ですので、教育再生会議が何か言ったら、そのことがストレートに私に飛んでくる仕組みではないと思います。

記者)
 いじめた側を出席停止にするということは、その子をいじめの加害者だと認定することになり、その後の復帰に向けて、また非常に問題が出てくると思いますが、その辺はいかがでしょうか。

大臣)
 やはりケースバイケースです。人間社会の事柄と言うのは、ある措置をしたことによって得るべき大きな公益がある場合は、日本の法体系で言えば、死刑という人の命を奪うということまで規定されているわけです。逆に得るべき公益が少ない場合に個人の権利を大幅に制限することは、意味のないことでしょう。ですから先ほどから、ケースバイケースだということを申し上げているのです。

記者)
 郵政民営化造反組に関する件で、自民党執行部の対応について何かご所見がありましたら。

大臣)
 執行部が考えて行ったことですし、総裁が一応ああいう指示を出しておられるのですから、今出た結論は結論として受け入れなければいけないのではないですか。

記者)
 佐賀県教育委員会が未履修問題で校長や教育長の処分をしましたが、大臣はどう受け止めていらっしゃいますか。

大臣)
 今はまだ全体像がはっきりと掴めていません。電話で各教育委員会には連絡をしてありますが、一応全体像を掴んだ時点で、担当課長か初等中等教育局長からこちらの考えを申し上げたいという連絡は行ってるようです。ただ、基本的に人事権は教育委員会にあり、文部科学省には予算権も人事権もありません。どうも佐賀県の諸事情を伺っていると、佐賀県民の代表である県議会が、このままではいけないというご判断をなさって、ああいう処分をされたわけでしょう。ですからその内容について、人事権がない私が批判をするのは、ちょっと差し控えたほうがいいと思いますが、あまり軽い処分をされたり、あまり重い処分をされすぎたりしても困りますので、どこかで基準はお示ししなくてはいけないと考えています。このようなことも、今の教育行政のひとつの問題点だと思います。

記者)
 いじめ対策ですが、この後の自民党内の有識者会議からの提言や、国会からのご意見も色々あると思いますが、大臣としてはどう整理されていくおつもりですか。

大臣)
 いじめ問題というのは必ずしも文部科学省だけの問題ではありません。社会に出てもいじめ問題というのはあります。ただ、学校現場の問題は文部科学省が扱わなければいけません。学校の問題についてどう扱うか、先ほどの出席停止のような問題も含め、色々な提言が出てくるでしょうが、ケースバイケースで判断をしていかなければなりません。しかし、基本的な考えみたいなものが必要であれば、文部科学省としてお示しするということでしょう。

記者)
 いじめ問題の関連ですが、昨日内閣府が発表した調査で、いじめられている側の保護者の一割が「学校や教育委員会が何も対応してくれなかった」と回答しているということですが、それについてどうお考えでしょうか。

大臣)
 親が気づいて学校や教育委員会に連絡をした場合には、然るべき対応をしなければならないし、また、それだけの職務上の責任感をもってやってもらわなければいけないと思います。同時に、親も自分の出来る範囲で子どもに対してケアをしていただかなければいけないし、学校が見つけないのはけしからんというのと同時に、家族も子どもの苦しんでいるその実態を、できるだけ早く掴むような親子関係というか、家族関係であってもらいたいと思います。

(了)

(大臣官房総務課広報室)


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