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平成18年9月29日大臣会見概要

平成18年9月29日
9時37分〜9時53分
文部科学省記者会見室

大臣)
 今日の閣議についてご報告をいたします。基本的に、文部科学省の案件はございません。内容については、今日の内閣総理大臣所信表明演説案を、内閣として決定しました。また、拉致問題対策本部を設置するとことが決まりました。本部長は総理大臣。副本部長は、拉致問題担当大臣と官房長官で、これはお一人が二役やっていますから、官房長官一人ということです。構成メンバーは全閣僚ということです。それから日米地位協定に基づく施設及び区域の返還、追加等の決定と、大使の任命、解任についての決議がありました。
 また公正取引委員会の年次報告書について決定されました。そして、総務大臣から8月の完全失業率は4.1パーセントで、これは7月と比べて同値であるということと、消費者物価指数の9月の東京都区部速報値が、1年前に比べて0.4パーセントの上昇になっているというご報告がありました。厚生労働大臣からは、8月の有効求人倍率は、1.08倍となっておりますというご報告がありました。それからご承知のように国会が始まっておりますので、来週以降の定例閣議は院内において開催するというお話がありました。以上です。

記者)
 昨日、中央教育審議会の総会にご出席されましたが、参加されて審議などを聞かれた感想をいただければと思います。

大臣)
 会長の鳥居先生や中嶋先生等、個人的な勉強会などでいつもご一緒している方ですから、行ってみて、ファミリーの中に入ったような感じはしました。予定していたよりも少し早く行きましたので、何人かの先生方のご意見も伺いました。大変熱心にやっていただいているので、うれしく思いましたし、教育の問題が文部科学省が所管してる学校教育、生涯教育の分野を越えて、やはり人間形成については色々な分野が関与しているんだということが、皆さんのご意見の中に入っているなという感じがしました。それから、お立場、価値観によって、やはり教育についての考えは人それぞれ、色々な思いがありますから、ひとりのイズムとか考えというのではなくて、中央教育審議会という場で、色々なお立場からのご意見を聞きながら、民主主義の手続きに沿ってものを決めていくためには、非常に良いメンバーが揃っておられるなという気がしました。

記者)
 昨日、教育基本法に関する特別委員会が開催されましたが、民主党が欠席しました。これについてはどのようにお考えでしょうか。

大臣)
 先ほど申し上げましたように、教育の問題については、自分の持っている理念や人生観、価値観によって、色々な立場があるのだと思います。これはどちらが良いとか悪いということではないと思いますが、集団の意志、あるいは日本国という国家の意思を、最後はどこかで決めなければならない。主権を持っている国民から付託されているのが国会。これは憲法で決められているとおりです。共産党、社民党の皆さんも出てきていただいているわけですから、民主党の皆さんも、まず特別委員会に参加していただいて、どこの部分がご不満なのか、どこの部分が自分たちが良いと思って対案を出しているのかという議論を深めていただきたいと思います。テレビ中継も入る場面も多いと思いますし、記者の皆さんも傍聴に来られて、報道していただくわけですから、やはり国民の皆さんに広く理解してもらって、その上で決めていかないといけないわけです。憲法によって付託された国民の主権の行使の場である国会へ、国民の付託を受けた者は、出てきていただきたいなというのが率直な感想です。

記者)
 先日のインタビューで、小学校の英語教育について、大臣は、まずしっかりした日本語が話せて書けることが前提で、それができなければ、英語教育はまだ必要ないのではないかとおっしゃったということです。もう一度その点について、お話を伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。

大臣)
 これについては、取材の後の各社の報道を僕も心して見ました。、先ほども、教育は色々な価値観やその人の人生観、理念によって違うということを申し上げましたが、各社の拠って立つ基盤や社の大きな流れによって異なっていると思います。私の意見について、皆さんご努力してくださったんだろうと思うけれど、けしからんということは書かれていない。けれども、どちらかというと英語教育はやったほうが良いのではないかというニュアンスの社と、基本的なことが十分できていないのに英語教育をやるというのはどうなのかと言った大臣の方が、真に良い意見だという社と、両方あるんですね。
 私は英語教育をやること自体は反対ではないんです。例えばお菓子を食べる、おいしいケーキを食べるということは、余裕があればやればいい。しかし、おいしいケーキや和菓子を食べるということは決して悪いことではないけれども、基本的に体を維持していくために大切なたんぱく質やでんぷん質などが十分体に摂取をされた上で、なお余裕があれば食べればいいのではないかと思います。先ほど言ったように、中央教育審議会で色々な方が色々な立場からご議論なさっているので、その議論を聞かせてもらったら良いし、私は私のご意見をそのときに申し上げたいと思います。

記者)
 現時点では、英語教育まで踏み込んでいる余裕はないとお考えですか。

大臣)
 皆さん同時に学力の低下や、日本語の乱れということも報道されていたりしていらっしゃるわけでしょう。だから僕は記者の皆さんにむしろ伺いたいのだけれども、今の学習指導要領などに決められている時間の配分の中で、英語をやったほうが良いと思いますか?
 そしてもうひとつ、よく検証しておかないといけないのは、今も国際的な感覚を磨くだとか、外国人に触れて外国のものの考え方を聞くとか、そういうことは総合的な学習の時間の中で、現にやっているわけでしょう。英語教育というのは、言葉のニュアンスから見ると、アルファベットから教えるような感覚になってしまうんですよね。外国の人が来て、外国の歴史や自分たちの国の実情を話してくれるのを聞くということは英語教育なのか、これは受け止め方によると思います。
 これはもう、色々な立場で意見が違いますから、私は私の意見を押し付けるつもりはありません。国会の場で皆で教育基本法改正の議論をして、各々の価値観、判断を出し合って、国民の前にさらして理解していただき、皆さんにも報道していただきたいと申し上げているのと同じことです。英語教育は悪いとは僕は言わないけれども、優先順位を考えるとどうなのかなということです。余談ですが、私の子どもは英国で生まれて3つまで英国で育ったけれど、日本に帰ってきて1ヶ月もしたら、英語なんて全然話さなくなってしまった。人格形成や基本的な素養を身につけさせる中で、国際感覚を磨くとか外国の文化に触れるとか、そういうチャンスを小学校で何らかの形で設けるというような打ち出しであれば、非常に良いですね。

記者)
 中央教育審議会の議論は議論として皆で見守って、その結論が出たときにもう一度判断するということでしょうか。

大臣)
 そうでしょうね。私が何か決めてこうするというなら、中央教育審議会にお願いする意味もなくなってしまうし、中央教育審議会に対して失礼なことですから。

記者)
 中央教育審議会から意見を求められた場合は、大臣はどのようにお答えになりますか。

大臣)
 それは私の自分の意見を申し上げます。

記者)
 ご自分の意見を簡潔に言うとどうなりますか。

大臣)
 それは今申し上げたことです。

記者)
 少し比喩的な表現が多かったので、簡潔にお願いしたいのですが。

大臣)
 日本人として生きていく最低限の素養が十分身についているならば、そして色々な文化、違う民族の人の文化を理解する態度を養うとか、そういう趣旨であれば、小学校の中でやっても良いし、アルファベットから会話を教えるということまでやるということであれば、それは日本人として生きていく最低限の素養をマスターした上でやった方が良いのではないかということです。

記者)
 中央教育審議会の結論が出たときに、大臣として最低限必要な素養がまだ身についていないのではないかと思われたときには、その決定を覆すということもあるのでしょうか。

大臣)
 結論が出るまでに、中央教育審議会と私との間に、色々と意見交換の場があるでしょう。

記者)
 今日の閣議後の懇談では、総理や他の大臣の方と何か言葉を交わされたでしょうか。

大臣)
 いえ、何もありません。

(了)

(大臣官房総務課広報室)

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