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平成18年9月19日大臣会見概要

平成18年9月19日
10時46分〜10時57分
文部科学省記者会見室

大臣)
 本日の閣議では、文部科学省関係の議案はございませんでした。この機会に、私から、中国との文化交流プログラムについて、ご報告を申し上げたいと存じます。平成19年は、日中国交正常化35周年にあたることから、「日中文化・スポーツ交流年」と位置づけまして、交流を深めることといたしておるわけでございます。私といたしましても、本件については、寺脇広報調整官を特命して、この問題にあたらせる等、積極的に取り組むように指示をしてきたところでございます。このたび、「日中文化交流プログラム」について中国側との合意ができましたので、この点についての報告をさせていただきたいと思っております。
 すでに皆様には資料をお配りしておるわけですが、内容は日中両国の映画を双方において上映すること、及び日本人の作家を派遣することの2点でございます。まず、中国における日本映画の上映事業でございますが、日中交流年の開始に合わせまして、来年の1月から3月の間に3日間程度、作品数は5本程度の上映を予定しております。作品の内容につきましては、従来は芸術的な観点からの作品の選定が中心でございましたが、むしろ日本文化の実像が中国の若者にも伝わるような作品、またわが国の若者を取り上げた作品を中心に選定するという方向を打ち出しているところでございます。また、作家の派遣につきましては、かねてより中国との交流のありました立松和平氏を文化交流使として指名いたしまして、派遣することにいたしました。平成19年5月頃、1ヶ月程度中国に滞在していただきまして、日本文学の紹介や中国の作家との交流等に携わっていただくことを考えております。
 日中間の相互理解を図る上で、文化交流は大変に重要でございますし、また大変有益でございますので、中国との文化交流をしっかりと進めてまいりたいと考えております。

記者)
 この週末、「SPring−8(スプリング・エイト)」と、理化学研究所神戸研究所発生・再生科学総合研究センターを視察されたということですが、視察されたご感想などをいただければと思います。

大臣)
 就任直後から行ってみたいと思っておりました、SPring−8及び発生・再生科学総合研究センターでございますが、まず、SPring−8につきましては、エックス線自由電子レーザーが併設されることも踏まえまして、現地で実際に見て、このSPring−8が世界最高水準の放射光施設であり、効率的な運用や、その性能を最大限に引き出すような新たな取組がどのように行われているか、その確認をしたいと思っておりました。62本の放射光施設のビームラインのうち、現在48プラス1で49本、稼動及び調整中でございます。この稼動について、フル稼働させるために予算面で工夫ができるかどうか、また新たな性格をもったビームラインを建設することによって、新たな科学技術の進歩が得られる研究がまだあるのかどうか、そのような点について十分に把握したいと考えておりました。
 結果から申し上げますと、1ビームラインに3ブースを設置して、この実験の効率的な運用を図るという体制が組まれていることを再度確認することができました。また、アイドリングタイムがまだあるということを確認する中で、その運用についても具体的に私から質問をし、それについて、満足な回答を得られたと思っております。すなわち、さらなる効率化を図ることによって、運用時間をさらに増すことができ、また研究費の有効な活用によってその稼働率を上げることが可能であるということについて、理解を深めることができました。
 また、エックス線自由電子レーザーに関しては、プロトタイプの視察をさせていただきました。このプロトタイプが完成して、その水準を維持することに関しては、非常に技術的な難関をまさにブレイクスルーという形で解決して、早期完成し、なおかつ予想以上の性能を発揮して、世界の研究者に対してそれを示すことができた、ということです。このプロトタイプの性能も大変に高いものでありまして、これによって本体の完成も目途がつき、また早期完成に向けて進むことができると、自信を深めております。また同時にプロトタイプそのものも、今後当面の実験だけでなく、運用的な研究活動に活用ができるという方途も見出すことができました。このプロトタイプを運用する中で、新たなタンパク解析及び物質材料の分析調査等が進むものと思われました。そういった意味でもすばらしいことだと考えております。
 SPring−8及びエックス線自由電子レーザーについては、まさに国際水準の中における日本のレベルの高さを実感することができましたし、自信を深めることができました。また、国際交流及び国際科学支援という点においても、大変有効なものであるということを実感することができました。この国際社会における科学貢献という点について、しっかりと政治的なポリシーというものも踏まえて、これを活用していくということが良いのではないかと考えております。
 また、理化学研究所神戸研究所発生・再生科学総合研究センターも視察いたしました。プラナリアを使った再生の実験や、線虫に関する研究といったものを見ながら、基礎的な知識を得るとともに、このセンターが医学分野との連携をしっかり深めて、再生医療への橋渡しという点においても、配慮がなされているということを確認することができました。単なる研究センターでなく、実用への橋渡しをする役割を十分に担っているということも確認することができまして、非常に力強く感じました。そういった意味で今回の視察は、有意義なものであったと考えております。

記者)
 明日、自民党の総裁選が行われます。総裁選前の最後の会見になるかといますので、新総裁への期待などございましたらお願いします。

大臣)
 明日、新たな自民党総裁が選出されることになると思います。自民党として、まさに国民政党として、今、国民が懸念をもっている多くの問題をしっかりと解決する力をもった政党として、それを引っ張っていけるリーダーを選出したいと思います。そのリーダーに期待することは、教育の改革というものをしっかり進め、国民が今日懸念をもっている学力の低下、学校における諸問題、及び学校の安全といった課題に対して、しっかりと解決策を打ち出していただけるような、教育に関心をもって取り組んでいただけるリーダーであっていただきたいということです。また同時に、国際関係においても、日本が国際社会で科学技術面においても、平和維持においても、リーダーとしての役割を果たしていけるような国づくりを推進していただきたいと思います。

(了)

(大臣官房総務課広報室)

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