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平成18年4月7日大臣会見概要

平成18年4月7日
9時2分〜9時17分
参議院議員食堂

◎一般案件

環境基本計画の変更について(決定)(環境省)

スロベニア国駐箚特命全権大使飯山常成外1名に交付すべき信任状及び前任特命全権大使梅津 至外1名の解任状につき認証を仰ぐことについて(決定)

◎国会提出案件

衆議院議員保坂展人(社民)提出第9次イラク復興支援群の派遣命令に関する質問に対する答弁書について(決定)(防衛庁)

参議院議員喜納昌吉(民主)提出沖縄に関する特別行動委員会合意に基づく米海兵隊普天間航空基地の代替基地建設計画頓挫に関する質問に対する答弁書について(決定)(同上)

衆議院議員鈴木宗男(無)提出外務省在外職員の平成18年度住居手当に関する質問に対する答弁書について(決定)(外務省)

衆議院議員鈴木宗男(無)提出外務省の部内連絡に関する再質問に対する答弁書について(決定)(同上)

衆議院議員鈴木宗男(無)提出外務省の館長符号に関する質問に対する答弁書について(決定)(同上)

衆議院議員鈴木宗男(無)提出外務省在外職員の健康管理休暇に関する第3回質問に対する答弁書について(決定)(同上)

衆議院議員鈴木宗男(無)提出民族の定義に関する再質問に対する答弁書について(決定)(外務省)

衆議院議員辻元清美(社民)提出青森県六ヶ所村再処理工場運転開始に関する質問に対する答弁書について(決定)(経済産業省・内閣府本府)

参議院議員近藤正道(社民)提出女川原子力発電所の耐震安全性に関する質問に対する答弁書について(決定)(同上)

◎人事

大臣)
 本日の閣議におきましては、文部科学省関係の案件はございませんでした。

記者)
 まず2点ほどお願いいたします。新学期が始まりました。従来の6・3制によらない小中一貫教育の新たな取り組みが各地で行われています。都内品川区でも小中一貫教育が始まりました。これについて大臣の所見をお願いします。

大臣)
 昨日品川区で新たに日野学園が小中一貫校として開校いたしました。小学校と中学校の連携については、中央教育審議会におきましても、この連携のあり方について議論が進められておりまして、小中一貫という制度についても、今後検討するとされております。品川区におきましては構造改革特区として、市民科の新設、英語活動についての積極的な取り組みなど、新たな取り組みもあわせて9年制の中で小中一貫教育を行うということで、意欲的な取り組みがなされております。新たに作られました日野学園は、昨日視察してまいりましたけれども、大変に明るく良好な環境の中で9学年のそれぞれの児童生徒が交流しやすい環境が整っているように思いました。今後の進展状況を注目をしておりまして、この学校において得られた成果を今後の参考としていきたいと思っております。

記者)
 昨今、東京大学での論文の捏造の疑い、それにかかわる科学研究費補助金の留保ということも起きております。また、論文の盗用など大学教授のモラルに関する問題も起きております。それについての大臣の所見、あるいはそれに対して文部科学省として何か取り組むものがあれば教えていただきたいと思います。

大臣)
 今回の東京大学の工学系研究科の問題につきましては、科学技術・学術審議会の担当部会におきまして、平成18年度の科学研究費補助金について「留保」という決定がされておりまして、その「留保」とは、すなわち採択でも不採択でもないという状況でございます。東京大学内で進められております調査の結果に従って判断をするということになると思います。不正があったとすればこれは断固許されることではございませんが、慎重に判断をしてまいりたいと考えております。
 また、こういった疑義が生ずるということも含めて、やはり研究者としての倫理と、自律性を持った研究態度というものが重要ではないかと思っております。こういった点に研究者の皆さんにもご留意をいただいて、このような疑義をはさまれることのないように、そして決して研究費の不正な使用等が行われることのないように指導してまいりたいと思いますし、また同時に注目をしてまいりたいと思っております。
 競争的資金を活用した研究活動における不正行為の対応につきましては、科学技術・学術審議会に「研究活動の不正行為に関する特別委員会」を設置し、検討を進めていただいております。すでに3月17日に第一回目が開催され、そして本日4月7日に第二回目の特別委員会が開かれることになっております。この夏頃を目途に結論を得るということを聞いておりますので、その後結果を踏まえて、速やかに制度化を図ってまいりたいと考えております。

記者)
 教育基本法の関係で、今、議論が大詰めを迎えているところですけれども、自民党の方ではいわゆる「国を愛する心」の表現、「宗教的情操の涵養」の取扱、「不当な支配」の表現について、「3点セット」とおっしゃったりしていて、これについて強い意見が出ているように聞いておりますけれども、大臣はどうお考えでしょうか。

大臣)
 教育基本法の議論につきましては、与党における協議会、検討会、特に検討会が回を重ねていただいておりますし、また、文教関係の合同部会において、多くの与党の皆さんによる議論も進められていると伺っております。その経過につきましては、新聞でも一部報道されておりますけれども、私も報告を受けておるところでございます。そういった状況を踏まえながら、また世論の動向も踏まえながら、この教育基本法の改正法案提出に向けて、どのような議論が進められるかに注目し、そしてそれに適切に対応できるように準備をしてまいりたいと思っております。

記者)
 愛知県にトヨタなど財界関係者の提起により設置される海陽学園海陽中等教育学校という学校ができましたけれども、エリート養成校というようなニュアンスが発生して、ともすれば現在言われている格差をまさに象徴するような学校ではないかという意見があります。こういったエリート養成校というものを文部科学省として、ひとつの選択肢として歓迎するのかどうか、見解をお聞かせください。

大臣)
 愛知県の海陽学園につきましては、明日開校式を迎えると聞いております。平成11年の学校教育法の改正におきまして、中等教育学校というものを制度として認める形になっておりまして、その制度の中で、入学を男子のみに限定をする、あるいは全寮制をとるという形で、この学校が設立されるということでございます。多種多様な学校がそれぞれの特色を発揮して教育活動を行うことは望ましいことであります。これは重要なことだと思っておりますから、海陽学園の取り組みにつきましても、中等教育学校のあり方の中でどのようにとらえていくのか、今後そこで得られる成果等に私どもも十分注目していきたいと思っているところでございます。

記者)
 昨日の石原都知事の、「英語を小学校で教えるというのは全くナンセンス」という発言についてはどのようにお考えですか。

大臣)
 石原都知事のご発言につきましては、新聞で報道を見ておりますけれども、英語教育というのは決して日本語教育に代えて英語ですべてのものを考えるような教育をするつもりはないわけでございます。英語教育については、今日、各方面での議論がございますし、世論の動向もしっかり見ていく必要があると思っております。私どもといたしましては、中央教育審議会の答申を受け、それを踏まえて十分に協議をして、英語教育のあり方について慎重に進めてまいりたいと思っております。

記者)
 石原都知事の発言は彼流のエキセントリックな発言だと思うんですけども、一方で今多くの学者の方たちの間にも、日本語の教育と日本の文化の教育がなければ、真の国際人になれないのではないかという議論があると思うのですが、それに対してはどのようにお考えですか。

大臣)
 日本語をしっかり勉強するということは、とても重要なことでございますから、それが基本にあることは間違いのないことでございます。しかし同時に、柔軟な頭脳を持っている小学校児童が、英語活動を通じて英語に親しむ、さらに中央教育審議議会の専門部会の報告のように、一歩進めて英語教育という形で取り組んでいくことは、決して否定すべきことではないと私は思っております。とりわけ今日、世論の中でも英語教育については積極的にすべきという意見もありますし、またすでに約9割の小学校において、英語活動という形で英語への取り組みがなされております。やはり、機会の均等ということを考えますと、どの学校においても英語活動に親しめる環境づくりというのは必要だと思います。
 国際社会の中にあってインターネットが多くの分野で活用されている今日ですが、そのインターネットのコンテンツの約9割は英語で作成されているということも考えますと、日本語で作成された部分だけで知識を得るということでは限界が来ます。また近隣諸国、アジアの諸国においても、英語についての積極的な取り組みが行われています。このような状況の中で、小学校での英語教育について、日本のこの文部科学省がまったく検討もしない、また積極的な姿勢も示さないということでは済まされないことだと私は思っております。
 そういう意味で、この英語の教育のあり方については、中央教育審議会でもしっかり審議していただき、各方面のご意見も承る中で進めるべきものだと考えています。本日の新聞にも、積極論を述べていらっしゃる社説もございます。こういった世論の動向をしっかり把握することが重要であると考えております。

記者)
 大臣としては、あえて石原都知事に反論する、もう少し今の文部行政を勉強してから発言してくれと言う、ということはありませんか。

大臣)
 私は決してそのような挑戦的な言葉を申し上げるつもりはございません。あくまでも都知事のご意見は真摯に受け止め、世論の動向も踏まえて、英語教育の進め方について、私として決断をしてまいりたいと思っております。

記者)
 閣議の後はずいぶん長く残られたようですが、どのようなお話をされていたのですか。

大臣)
 先ほどご質問にありました教育基本法に関する今日の与党における議論等について、新聞に報道されていることとほぼ重なることでございますけれども、私の方から総理にご報告を申し上げたところでございます。総理の方からは「しっかりやってくれ」と、「しっかりな」という話でございました。

記者)
 「愛国心」とか「祖国を愛する」という言葉が問題になっていますけど、何かそういったことには触れられましたか。

大臣)
 総理からは何ら触れられることはございませんでした。総理からの発言は、しっかりやる必要があるぞという意味のご発言だけでございます。

記者)
 それは大臣としては、どう受け止めたんでしょうか。

大臣)
 拙速を慎み、しっかりとした議論をしていただくことを、文部科学省としてしっかり見守っていく、そして自分たちの体制を整えていくということだと思っております。

(了)


(大臣官房総務課広報室)

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