大臣) |
本日の閣議におきましては、今年10月1日に設立する独立行政法人日本原子力研究開発機構の理事長になるべき者として、現核燃料サイクル開発機構の殿塚 猷一(とのづか ゆういち)氏を指名することについて、御了解をいただきました。閣僚懇談会におきましては、外務大臣からの海外出張報告等と、官房長官から郵政民営化法案の審議が順調に進んでいるというような話がございました。
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記者) |
中央教育審議会の審議経過報告が一応まとまったわけですけれども、それについて大臣のご所見をお伺いいたします。
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大臣) |
中央教育審議会義務教育特別部会では、本年2月の設置以来、精力的なご審議をいただいてまいりました。特に義務教育における費用負担のあり方については、5月末以降合宿審議を含め集中的なご審議をいただき、約30時間にわたってご審議いただいております。義務教育にかかる審議経過報告の取りまとめにあたっては、鳥居部会長が、地方六団体からの委員にも十分配慮され、丁寧に審議経過報告(その2)を取りまとめていただいたと考えております。今後、義務教育特別部会では、一日中央教育審議会、関係団体のヒアリング、国民への意見募集を行い、国民各界各層の幅広い意見を伺う予定と聞いております。それらを踏まえ、本年秋の答申に向けて更に審議を尽くしていただきたいと考えております。なお、その議論の中で地方六団体から、義務教育費国庫負担金8,500億円が、すでに税源移譲されることを前提にしているような発言等が見られましたけれども、これについてはご承知のように政府・与党合意で、あくまで中央教育審議会で結論を得るまでの暫定措置だということを念のため申し上げておきます。税源移譲がされると、地方によって財源が非常にアンバランスになりますし、財源不足分を交付税で調整するとは言っても、その交付税自体が平成19年度からは大幅な削減も見込まれるわけですから、そういうことを考慮しますと、やはり中央教育審議会の大方の意見というのは、大体まとまっているのではないかと思っています。
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記者) |
麻生全国知事会会長が、中央教育審議会の審議経過報告について、必要な修正がされていないので極めて不満であると言っていますが、これについて大臣のお考えはいかがでしょうか。
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大臣) |
私から見ると、地方六団体側の意見というのは、完全に論破されていると思います。主張の根拠が理解しがたいと思っています。
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記者) |
閣僚懇談会での、郵政民営化法案の審議が順調に進んでいるというのは、どのようなことをおっしゃったのですか。
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大臣) |
参議院での特別委員会での審議日程が決まり、来週は地方公聴会も行われるということで、順調に進んでいるというような話だったと思います。
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記者) |
総理や他の閣僚からは、その関連で何か発言はありましたでしょうか。
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大臣) |
ありません。
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記者) |
新組織の理事長に殿塚氏を指名した理由をお聞かせください。
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大臣) |
今年10月に設立されます独立行政法人日本原子力研究開発機構は、日本原子力研究所及び核燃料サイクル開発機構の統合によって設立されるわが国唯一の原子力に関する総合的な研究開発機関でありまして、その理事長となるべき方には、優れた識見や的確な判断力、卓越した指導力等が求められるわけでございます。核燃料サイクル開発機構の現理事長の殿塚氏は、民間企業で長く経験実績を積まれた後に、平成15年6月から同機構副理事長、理事長を歴任されており、原子力開発利用の知識と経験が豊富であること、優れた統率力及び管理運営能力で役職員から信頼を得ていることもございますので、新しい機構の理事長には適任と判断したところでございます。
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記者) |
先日、茨城県大洗町で、扶桑社の教科書を選んだということですけれども、それについて大臣はどうお考えですか。
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大臣) |
教科書採択については、採択地区内の教育委員会が協議して、種目ごとに同一の教科書を採択することとされているわけでございますけれども、ご指摘の茨城県大洗町を含む採択地区の教科書採択については、まだ採択の作業が行われている段階と承知しておりまして、今後の動向等を見守っていきたいと考えております。
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記者) |
その関連の質問で、教科書採択に関して二つ法律があって、一つは地方教育行政の組織及び運営に関する法律、いわゆる地教行法で、もう一つは義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律、いわゆる無償措置法ですが、前者は教育委員会の採択権、後者は採択地区で一種の教科書を選ばなければいけないということになっており、何となくお互いが矛盾するというか、整合性がとれていないところがあると思うのですが、そのような事態について、大臣はどうお考えですか。
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大臣) |
今のところは十分に協議をして採択していただきたいと思っています。気持ちとしては、採択の範囲を少し狭める方向でいくのがいいかなあとも思います。いつも現場重視と言っていますから、できるだけ学校現場に近いところで自分たちが使う教科書が選ばれるようにするというのが方向かなあと思いますけどね。ここのところは、もうしばらく注目していきたいと思っています。
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記者) |
基本的には地教行法のほうが優先をするというお考えでよろしいでしょうか。
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官房長) |
地教行法で基本的なことは定めていますが、教科書については、義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律によって採択地区のことが決められておりますので、矛盾はありません。
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記者) |
その関連で、国会の衆議院文部科学委員会などでも、もっと透明度を高めたほうがいいのではないかという意見があるのですが、市町村単位ということを念頭に置かれているのか、あるいは学校現場までということをお考えなのか、その点はいかがでしょうか。
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大臣) |
なかなかそこまでは、難しいと思います。市町村でそれぞれ違うというのも、またおかしな話ですから。難しいところですけれども、現実に問題が出てきていますから、もっといろいろと検討していきたいなと思っています。
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記者) |
今日、議員立法により、文字・活字文化振興法が成立する運びになっていますけれども、担当大臣としてのお考えと、それから、今後、どのようなことを優先的に取り組んでいかれるかお聞かせください。
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大臣) |
大変良い法律を作っていただいたと思っております。文字・活字というのは、その国の文化の基だと思っております。学校現場においても、読書や読み聞かせなど、いろいろなかたちで文字・活字に親しみ、自ら本を手にするような子どもたちを育てようとしておりますから、そういう意味でも後押し、ご支援をしていただいたと思っております。私どもも、一層、文字・活字、読書に親しめるような環境作りに努力していきたいと考えております。 |
(了) |