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平成17年1月11日大臣会見概要

平成17年1月11日
10時54分〜11時9分
文部科学省記者会見室

◎一般案件

国会(常会)の召集について(決定)


◎人事


大臣)
 本日の閣議におきましては、まず通常国会につきまして、1月21日に召集、150日間なので、6月19日までの会期という決定がありました。また、総務大臣から「留学生の受け入れ推進施策に関する政策評価」の結果についての発言がありました。それから、各閣僚から海外出張等の報告がありました。閣僚懇談会におきましては、スマトラ島沖大規模地震とインド洋の津波の被害等について、いろいろな観点からの発言がございました。国によって実状が違うので、それをよく調べた上でいろいろな援助等を行うべきではないかという話がございました。閣僚懇は以上ですが、津波の被害への文部科学省の支援についてこの機会に申し上げますと、直ちに大学の医療関係者24名を現地に派遣し、それから地震・津波関係の研究者が、津波災害の実態把握の調査のため現地入りしました。また、7日に省内に対策本部を立ち上げまして、海洋調査船「なつしま」による震源域調査や感染症の対応、地震・津波被害分析のための調査研究等を当面の対応として実施することにいたしました。それと、この地震・津波に遭遇した日本人学校の児童・生徒、教員及びその家族の中には、心の不安を感じている方もおられるということで、「心のケア」が重要となってきておりまして、今申し上げましたような当面の対応に加えまして、バンコク日本人学校及びシンガポール日本人学校に対して、今週末16日から10日間程度、カウンセリングの専門家1名を派遣することといたしました。今後とも現地のニーズ等を踏まえまして、必要な対応を迅速に実施してまいりたいと考えております。

記者)
 日教組の教研集会が札幌で開かれまして、その中で土曜日の活用の問題や、それから大臣が課題と言われる競争の問題について、かなり意見があったということです。特に競争の問題につきましては、必要性は認めながらも、やはり現場の子どもたちに混乱を起こすのではないかという意見があったようですが、これから義務教育改革を進められる中で、その辺をどのように配慮するのかお聞かせください。

大臣)
 日教組の教研集会において研究成果を報告する教員に対して、新聞社が行ったアンケート調査で、土曜日授業の復活や全国学力テストの実施に賛成した先生が2割位おられたということで、日本の子どもたちの学力が落ちてきていることについて、やはり危機感というのが広がっているのかなと感じました。学力テストにつきましては、これは皆さま方にいつも申し上げておりますが、最初に学力テストありきではないのです。すでに地方によっては、自治体の方で一斉の学力テスト等も実施していますが、それとは別に全国的に調査し、その結果がどうなっているかをチェックして、それを次なる施策のための参考にしたいということなのです。決していたずらに、子どもたちの競争意識を煽るためにこの学力テストを実施しようとしているのではないということをどうかご理解をいただきたいと思います。ただ、やはり今の子どもたち、また、青少年が、もっと頑張る心といいますか、自分の優れた点を頑張ってひとかどの人間になるぞという心構えを小さい頃から持てるように育てるということは大事なことだと思います。学力でも、運動でも、あるいは芸術でも何でもいいのですけれども、子どもたちの頑張る精神といいますか、チャレンジ精神を養いたい。また、小中学校の頃から、自分たちが世の中に出たときには厳しい世界が待っているということは理解していてほしいと思います。まさに日本国内だけではなくて、世界的にも、日本人として、一人の人間として、有意義な人生、幸せな人生を歩んでいくためには、子どもの頃は子どもなりに、勉強し、努力しなければいけない。人より優れている点があれば、頑張ってそれを伸ばしていくんだといった心構えを身に付けさせるための動機付けが必要だと思っていました。そういったことはやはり小さい頃から育てるべきだということを、大臣に就任する前から考えていました。そういう視点から学力テストのことも考えていただきたいと思っています。
 また、いろいろな現場の先生方ともお話をしていますが、本当に真剣に子どもたちのことを心配しておられる方が多いということに感激をしていますが、やはり先生も、子どもたちに教えることや指導することについて、他の先生方よりも頑張っている先生は、それなりに評価することも必要ではないかと思います。

記者)
 例年、成人式に暴れる新成人がおりますが、大臣はいかがごらんになっていますか。

大臣)
 今年も一部成人式で混乱があったという報道がありました。この厳粛で有意義な式典を混乱させる新成人がいるということは、非常に残念であります。そもそも成人の日というのは、大人になったということを自ら自覚して、自ら生き抜いていこうという青年たちをお祝いしようという日です。社会全体として自分たちが期待されているということを、しっかり自覚すべきだと思うのですけれども、そういう自覚の足りない新成人たちがいるというのは大変残念です。やはり学校の教育もそうですけれども、家庭内における躾の問題とか、あるいは地域において、もう少し子どもたちをしっかりと育てるため、青少年の規範意識、自制心の向上に向けた取り組みというのがもっと必要だとも考えます。
 宮崎市でも全体で実施していた成人式を、中学校ごとに18の学区ごとに分けて成人式を行いました。以前は騒いだりしていたようですけれども、今年はそういうこともなかったと聞いていますし、市町村においてそれぞれ工夫した成人式の取組がなされていることはいいことだと思いますし、今後もこういう取組がさらに進んでいくよう期待したいと思います。

記者)
 今度、文部科学省が「スクールミーティング」というのを始めますが、全国の小中学校に出向いて、特にどういったことを重点的にやっていくのか、今の時点でのお考えをお聞かせください。

大臣)
 私も含めて、副大臣、大臣政務官、あるいは文部科学省の事務方の幹部も、やはり学校現場から遠ざかっている感じもありますので、まず学校の現場をしっかりと見てもらいたい。どういう授業が行われ、子どもたちがどういう気持ちで授業を受けているのか、しっかりと自分たちの目で確かめるということが第一でございます。その中で、課題になっています義務教育の改革についても、在るべき方向というのを見出していきたいと思っています。これは、また学習指導要領の見直しなどいろいろなことに結びつくと思うのですが、日本の子どもたちが、どういう社会に飛び出そうとも通用するたくましい人間になり、そして、どこの国の人たちからも尊敬されるような存在に育てるためにはどうしたらいいかという観点から学校現場を見ていきたいと思います。

記者)
 バンコク日本人学校及びシンガポール日本人学校に対するカウンセラーの派遣に関してですが、PTSD(心的外傷後ストレス障害)がある場合に、継続的な「心のケア」というのが必要だと思うのですが、今後の継続的な対策というのは、どのようにお考えでしょうか。

大臣)
 今回は日本カウンセリング学会常任理事の小澤先生を派遣することとしております。小澤先生は、台湾の地震の際や米国の同時多発テロの時、あるいは昨年のソウル日本人学校で起こった不審者による園児に対する傷害事件の際に各日本人学校に派遣されております。そういった方が派遣されますので大変心強く思っています。さらに必要な場合は、継続的な対応も考えてまいりたいと思っています。

(了)


(大臣官房総務課広報室)

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