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平成16年8月3日大臣会見の概要

平成16年8月3日
10時21分〜10時34分
文部科学省記者会見室

一般案件

故鈴木善幸の葬儀の執行について(決定)
(内閣府本府・内閣官房)

平成16年度特別会計予算総則第14条第6項の規定に基づく経費の増額(4件)について(決定)
(財務省)


国会提出案件

行政組織の新設改廃状況報告書を国会に提出することについて(決定)
(総務省・内閣府本府)

平成15年度公害等調整委員会年次報告書の国会送付について(決定)
(公害等調整委員会)


政令

国際人道法の重大な違反行為の処罰に関する法律第3条の重要な文化財を定める政令(決定)
(内閣官房・防衛庁・法務・外務省)

職業能力開発促進法施行令の一部を改正する政令(決定)
(厚生労働省)


人事


大臣)
 今日の閣議においては、文部科学省関係の案件等はございませんでしたが、故鈴木善幸元総理の葬儀の執行についての話と、それからWTO(世界貿易機関)関係の報告等がありました。

記者)
 シーリングも決まりまして、予算要求の作業が始まるわけですけれども、文部科学省としていろいろな課題があると思うのですが、どのようなところに重点を置いて概算要求をするのか、大臣のお考えをお聞かせください。

大臣)
 「平成17年度予算の概算要求の基本方針」において重点化すべき分野の中に「人間力の向上・発揮」というのが入っており、そのような観点から概算要求をしようと考えております。そういうことで考えると、やはり学校、地域、家庭が一体となったきめ細かな教育を考えていかなければなりません。それから、第二期科学技術基本計画の最終年にあたりますので、競争的研究資金を充実することと併せて、特に大学等の支援の充実をしていくことが必要と考えております。科学技術の振興においては、大学における基礎的基盤があってはじめて競争的資金によるすぐれた成果に結びつきます。これを両方相まって充実していかなければならないと思っております。これらを中心とし、国民から見てわかりやすい形で示してまいりたいと思っております。具体的には、まず一番に義務教育費国庫負担制度を堅持するということ。特に定数改善要求の最終年にあたりますので、これをきちんと成し遂げなければなりません。義務教育費国庫負担制度は、三位一体の改革の中で地方自治体からの意見を踏まえて対応するという方向になっておりますが、やはり国と地方の役割分担、それから全国的な教育の機会均等と教育水準をどのように維持するか考えなければいけない。義務教育費国庫負担制度を廃止することによって地域格差が生じ、地方交付税化により人件費をはじめとする教育費の削減につながっていき、そういったことが維持していけなくなると思っております。義務教育費国庫負担制度の堅持ということは、もっと強く訴えていかなければなりません。知事会は、真に教育費削減につながる危険性があるということを考えておられるのだろうか。地方交付税が削減される方向にあるということを承知の上で、教育費の移譲を受けたいとおっしゃっているのかどうか。知事会が、賢明な判断をされることを期待しております。総務省が、地方分権、地方主権のため、いわゆる補助金を全て地方に移譲していくべきだという気持ちはわかりますが、教育も何も一緒にして考えて総論だけで推し進めているところがある。まして、他の省庁の動きを止めておきながら、自らだけが自治体を誘導するような動きがあるということは、極めて遺憾なことであります。私どもとしては、「総額裁量制」の意図するところをきちんと知事の方々に説明する義務、あるいは責任があるのです。それをさせないようなことは、とても許されることではないと思っております。総務省は自らの考え方を都道府県に勧めるといったことをおやりになっている。それなら、他の省庁の動きを止めるようなことはできないと思います。47都道府県の知事には、総務省出身の方が多いですが、総務省の言うことを鵜呑みにしないで教育の観点から考えてほしいと思っております。それから、知事の中には、県立高校の教育費は地方交付税で措置されているが、それでも教育水準は下がってないから義務教育でも大丈夫だという方がおりますが、県立高校は全く義務教育とは違い授業料も徴収できます。それから、学校数や公立と私立の配置の割合をどの程度にするかということは都道府県が決めることができます。それからへき地・離島に高等学校を設置しなければならないこともありません。このように制度的に義務教育とは全然違います。現実に義務教育では、標準法に基づく必要な教員はきちんと配置されていますが、県立高校等の場合は約半分くらいの都道府県が標準法に基づく基準に達していないという実態があります。地方交付税化すると、図書整備費の例でもわかるように、現実にいろいろな問題が起きているということを指摘しておかなければいけないと思います。とにかく、義務教育費国庫負担制度は堅持しないといけないと思っております。それから、平成17年度概算要求については、その他に、学力向上の推進、子どもの道徳・問題行動への対応、スクールカウンセラーの中学校全校配置、食育の充実ということで学校栄養教諭制度をスタートさせなければいけませんのでセミナー等の開催にも取り組まなければいけないし、地域の教育力の向上のためコミュニティスクールを全都道府県に立ち上げたい。また、家庭の教育力を高めることも大きな課題となっております。それから、専門学校等におけるキャリア教育の充実など「若者自立・挑戦プラン」の強化や奨学金事業の充実など、21世紀を担う人材育成に力を入れたいと思っておりますし、国公私立大学を通じた教育・研究支援と競争的研究資金を充実させなければなりません。また、今年はオリンピックイヤーなので、スポーツに対する関心が高いのですが、地域のスポーツ振興をもっと高めることが必要だと思ってます。それから文化立国の実現のため、日本文化の発信や地域に根ざした文化をもっと取り上げていきたい。例えば、世界遺産等の大きな取組を始めとして地域にある文化をもっと掘り起こして、それを地域起こしにも結び付けていく動きをしっかり支援する必要があるのではないかと思っています。いずれにしても「人間力の向上・発揮」という観点から、文部科学省の施策の充実に全力をあげようと思っています。

記者)
 今日、サッカーのアジアカップの準決勝で、日本はバーレンと戦いますけれども、国内の新聞報道にもあるように、反日感情に近い形のブーイングが日本選手やサポーターにあびせられています。中国政府は、2008年の北京オリンピックを控えて自省を促すような動きをしているようですけれども、スタンドを見る限り政治的なメッセージをこめた横断幕等が出ている。日本がディフェンディングチャンピオンになると考えれば判官びいきで相手チームに声援をおくるというのはわかるのですが、どうしても政治的意図を持った観客の声援と思ってしまうのですが、大臣はどうお考えでしょうか。

大臣)
 スポーツは、教育的な場でもあると思います。お互いの国の国旗・国歌に対する敬意が払えないというのは問題です。お互いの国の教育の問題ではないだろうかと思います。やはりスポーツというのは、フェアでなければいけません。中国はオリンピックを控えておりますから、中国政府はその点はしっかり考えておられると思いますので、中国政府の取り組みに期待をしたいと思っております。日本に対するいろいろなことがあるにしても、スポーツにおいてはフェアプレイ精神を発揮するということが大事です。スポーツに政治的なものを持ち込まないという大原則にのっとって我々はやっている。中国政府も十分な対応をしていただきたいと思っております。

(了)


(大臣官房総務課広報室)

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