平成14年5月28日
大臣) 今日の閣議は通常の案件がほとんどでございました。特に我が省関係で御説明する事はございません。 大臣発言の中では、国土交通大臣から平成13年度首都圏整備に関する年次報告ができあがったという事で、その内容について御説明がございました。それから尾身沖縄及び北方対策担当大臣からの北方領土訪問についての報告がございました。この御報告がありまして後に、閣僚懇の時に大木環境大臣から、北方領土については日本側のいろいろな援助でありますとか、あるいは関心を持ってるという事を高いレベルで今後とも続けて行くことが大事で、今回の訪問も良かったというコメントがありました。その他は特にございません。 閣僚懇で、非常におもしろい話題がありました。扇国土交通大臣から、今、閣僚の給与は一旦もらった内から月々10パーセント、それから3月末にはボーナスについては20パーセント国に返納している。寄付をしているわけです。返納金の行方について、あるいはそういう行為自体について国民の皆さんには全く知られていないし、またどういう形で使われているのかも分からない。もしそういう事であれば、むしろ返納金をプールして、何か目に見える形で国民の利益になるようなことに使っては如何かというような提案がございました。それぐらいです。 記者) 先日、遺跡の発掘ねつ造問題で、日本考古学協会が、藤村氏が関与した遺跡について学術的に否定する見解がありましたが、史跡に指定されている座散乱木遺跡の指定の解除などについての対応と、今後の再発防止策についてお考えを聞かせて下さい。 大臣) 26日に開催されました日本考古学協会総会で、特別委員会の方から前・中期旧石器問題の調査に関しての経過報告が行われたわけです。藤村新一氏が関与した遺跡につきましては、学術資料として扱う事は不可能という判断が示されました事は、極めて遺憾でございます。これは私は研究者が学問の真理を探究するという基本姿勢を忘れた極めて責任の重い、あってはならない事をされたと思っています。人間としても極めて許せないと申しますか、国民の皆様そう思われると思いますが、人間としてあってはならない行動でありますし、また、それが日本の歴史という神聖な学問の領域に対して作為的に虚偽の事実を作り出したという事でございまして、これは学問の探究の神聖さを守るといいますか、それを進めようとしている我が省にとりましても、本当に残念至極でございます。ただこの調査につきましては、6月中旬までの予定で、検証発掘調査が行われると聞いておりまして、その調査が終了した後に、一連の検証結果などを踏まえて今後どのようにしていくかという事は考えていきたいと思っております。 記者) 再発防止策はどのようにするつもりでしょうか。 大臣) 私どももどういう事を決めるか、できるだけ良い知恵を出していきたいと思いますが、これはまさに研究者の姿勢の問題です。再発防止もなにもこのような事は絶対にあってはいけないわけであります。研究者たるものは、このような事の罪の大きさをまず考えてもらいたいですし、今後そのような事を絶対しないというのは学者としての基本でございます。対応策以前にこのような事は許せないと私は思います。行政当局として何かする事があればまた考えたいと思いますけれども、まさに極めて遺憾という事案だと思います。 記者) 新聞各紙の報道ないしテレビなどで、小泉内閣の支持率を不支持率が上回るという報道が複数なされていますが、内閣の一員としてどう受け止められましたでしょうか。 大臣) 支持率、不支持率というのはいろいろな事件がおきたり、あるいは内閣のいろいろな努力が目に見えた形でインパクトを与えないような場合に、支持率が減っていく、これまでの歴史の必然であろうかと思いますけれども。私としましては小泉内閣はやるべき事をきちんと目標を立てて、それぞれの閣僚が力を尽くしていると思っています。それと支持率42パーセントという意味では、これまでの内閣の中でもまだまだ支持が高い方ではないかなと思います。私自身としましては、自らやるべき事をしっかりやっていくというのが国民に応える一番の責任の取り方であるかと思っております。 記者) 今日、閣議後に総理と3分程お会いになっていたようですが、どのようなお話をしていたのでしょうか。 大臣) 今度、韓国へ御一緒するというような事がございまして、少しの間お話したということです。 記者) 先週片山総務大臣の方から、税源移譲のからみで、義務教育の国庫負担金削減の必要があるという発言があったようですが、これに関しての次官の昨日の会見では、現行制度を維持するべきだという発言でありましたが、改めて大臣の方から今回の件に関してはどのように考えられますか。 大臣) 私はまだ総務大臣から直接聞いておりませんし、まさか本気ではなかろうと思いますが。つまり、国の義務教育に対する責務の取り方と申しますか、国自体の責任と役割がどうあるべきかということは非常に大事な事でありまして、それを地方の財源論という角度から、その基本を揺るがすような事をしたら、私は日本の国の骨格が揺らぐと思います。いうまでもない事でありますけれども、全国どこでも一定の水準の教育を無償で受けられるようにするという為に義務教育費国庫負担制度が不可欠でありまして、そのような事は平成9年の地方分権推進委員会におきましてもはっきり言っております。その中では義務教育は真に国が義務的に負担を行うべき分野であるという結論が出ているわけでございます。今世界の各国でも国が乗りだして、それぞれの国の教育を抜本的に良くしようという動きがあるという事も御存じだと思いますが、いずれに致しましても国庫負担金制度の持つ意味の大きさ、役割の大きさという事から考えていただければ、結論は自ずから明らかではないかと思います。 記者) 大臣としての御意見ですね。 大臣) そうです。 この他、ITER(イーター)の関係で欧州の動向が最新情報として出てまいりました。サイト提案とそれから費用分担の協議ができるという欧州委員会の交渉権を拡大する案が、5月27日のEUの理事会で了承されました。その結果、EUとしてはスペインとフランスの二つのサイトを第4回政府間協議、6月4日から6日にかけてフランスで行われますが、そこに誘致提案する準備が整ったと認識致しております。(了) (大臣官房総務課広報室)
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