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平成14年4月26日
大臣) 今日は今の官邸での最後の閣議でございました。その意味で皆、感慨深く閣議を終えたわけですけれど、案件としては特に御報告する事はありません。燃料電池の自動車をできるだけ早く開発し、これを使うようにしようと関係大臣より発言があったこと、総理から国会も後2ヶ月なので重要法案が目白押しであり、ついては各自努力せよという事でした。 私の4月28日から5月4日までアメリカのワシントン、ニューヨーク、ヒューストン訪問が今日の閣議で了解されました。教育科学技術関係の政府要人と意見交換を行うこと。アメリカの宇宙基地、代表的な研究所訪問、大学、あるいは高等学校等いくつかの機関を訪問します。就任以来初めての訪問でございますけれども、アメリカとの協力関係、あるいは情報交換を行なおうと思っております。要人としましてワシントンでマーバーガー科学技術担当大統領補佐官、こちらは科学技術についてのカウンターパートでございます。それからオキーフNASA(ナサ)長官、NASA(ナサ)は宇宙開発について責任を持っているところであり、ヒューストンで宇宙基地を見た後、NASA(ナサ)の長官と会います。日本とアメリカとは基地関係で協力関係が進んでおり、その計画についての意見交換などを行う予定です。それからペイジ教育長官とも会いまして、それぞれの教育改革の内容等について意見交換したいと考えています。ニューヨーク東部にあるブルックヘブンの国立研究所と理化学研究所との間でスピン物理共同研究という大変最先端の加速器を使った研究が行われており、覚え書きの方針の調印に立ち合う等、セレモニーへの参加も考えております。 記者) 小泉内閣発足1年となりますが、大臣御自身、この1年間を振り返っていかがでしたか。 大臣) 本当に今日で丸1年経過したわけでございますが、日本にとって大きな転換期に文部科学大臣という大役を仰せつかりまして、日々緊張の連続でありました。構造改革を進めなくてはならない構造改革内閣の一員としてやってきたという事もありますし、世界史的に見ても非常に大きな転換点に立つと思っています。しかもこの大きな転換期に将来を考えますと、教育あるいは科学技術、文化等、我が省の持っている守備範囲というものは大変重要な役割をもっていると思います。その意味で日々大変忙しい思いをしながらも大局を忘れないようにと心がけてきましたけれど、1年経って、非常に短かったなという感想を持つ反面、いろいろな事があったと思います。一番力を注いだのは就任直後の教育改革三法の成立に向けての事でございました。それから大学の構造改革に向けていろいろな仕事がございました。昨年の6月は法案の審議、大学についての構造改革方針の決定、そういった中で池田小の事件も起きました。6月は本当にいろいろな事があったと思います。その後ロケットが2回打ち上げに成功し、またノーベル化学賞を、2年続けて受賞されたりと、まさに悲喜こもごもだったと思っています。そんな中で科学技術については産学連携の動きが加速し、大学改革も、特に国立大学につきましては大きな設置形態の転換という事態に直面し、それぞれの大学において努力していると思います。小中学校の教育において今年の4月に新指導要領が実施され、また学校5日制が実施されるようになったこと。そのような中いろいろな見方がありますけれども、それぞれの学校、先生方のマジョリティーが大変努力をして、この機会に日本の学校を良くする、教育を変えるということで取り組んでもらっていると思っております。私自身も新しい学習指導要領の狙いがしっかりと定着して、本当の意味での力のついた子どもたちを育成するために、今年の1月に「学びのすすめ」をだしました。新しく確かな学力という概念を導入し、いろいろな努力を促したわけで、これからいろいろな政策の成果が出てくるときではないかと思っています。その意味で1年というのは大変短い時期でございましたが、大変重要な時期に担当させていただいたと考えております。 記者) 自民党の方からも内閣改造論が言われています。首相は内閣改造はないとは言ってますがこの点について大臣はどのようにお考えでしょうか。 大臣) 私の任命権は総理にあるわけでございまして、今はやれという命令を受けて全力投球しております。この後どうなるかということにこだわりはございません。この任にある限り力を尽くすという姿勢でございます。 記者) 閣議決定で郵政公社法の法案が閣議決定されましたが、小泉首相がこの法案について、“自民党が小泉内閣を潰すのか小泉内閣が自民党を潰すか”と発言していますが、それについてどう思われますか。また、今回はいわゆる事前審査がないのですが、自主的ではなく、要するに総務会の了承がないと伺っているのですけれども、これは使い方によっては発展してくるかと思うのですが、審査が事前になかったことについてどのようにお考えでしょうか。 大臣) 私は一連の内閣総理大臣の発言、あるいは党との関連において新たな基軸を出されたということは、総理の改革に対する非常に強い意欲・意思の表れではないかと思っています。従来のやり方では、通らないかもしれないけれども、いまこそ構造改革が大事ということで、そのひとつのシンボル的な郵政事業に関する改革について、そういう発言をされたり、新たな手続でおやりになろうとされているということは非常に困難があるかもしれないし、あるいは従来のやり方でやりたいという動きがあるかもしれないけれども、自分としては、しっかりとリーダーシップと責任を基にやろうという決意の表れではないかなと思います。 記者) “任期のある限り力を尽くす”というお話でしたけれども、これから何に力を入れて、どう進めていきたいという抱負などをお持ちでしょうか。 大臣) ひとつは初中教育においてですね。まだ1ヶ月弱でありますけれど、新たな学習指導要領が実施され、これがしっかりとした形でそれぞれの地域の学校、教員がしっかりと狙いを達成してもらうように文部科学省としてはバックアップしていく必要がある。そして常にその狙いがしっかりと定着できるのかどうかということも検証しながら柔軟な対応を教育の充実のために、また必要があれば新たな政策を考えていくことも含め非常に大事だと思っています。それから特に大学改革です。知の拠点としての大学というのは、本当に意味のある活性化した存在であってもらうための努力を促していきたいと思っていますし、これは大きな制度の転換点になりますから、今年から来年にかけて非常に大きな課題を抱えていると思っています。また同時に宇宙でありますとか原子力でありますとか科学技術関係も大きな課題を抱えております。生命科学、ナノテクノロジーともに重点的な技術分野というのを、どうやって常に日本がトップを切るような形でもっていくかということについても常に注意を払っていかなくてはならないと思っています。私は個別のこともそうなのですけれども、守備範囲を少し超えてますけれども、閣僚として思うことは、日本が20世紀の後半強かったのはそれぞれの一人一人の国民がそれぞれの立場において常に責任感を持って最善を尽くし、そして技術的にも最高のものを出してきたからだと思います。ところが今、いろいろな所で破綻をきたしているような気がします。懸命に努力していく、あるいは最高の技術を追求していく、そういった意欲の面と同時に、常に国が何々してくれ、社会が何々してくれということのみを要求する気持ちが強すぎて、それぞれの個人が“自分が一体何ができるのか”ということをもっと真剣に考えていくべきだと思います。その意味で右肩上がりで来た時の価値観だけではもう乗り切れない、それを国民の一人一人が自覚すべきではないかと思っています。これは自分に対する自戒も含めてでありますけれども、それくらい大きな価値転換をしないと乗り切れないですね。それは政治がどうだ、経済界がどうだ、企業の責任者がどうだというそれぞれ疑問に思ったり不満に思ったりすることがいっぱいあると思いますけれども、その事に対する批判の言葉を鋭くし態度を示す、ということだけではなくて自らが何をするかと、一人一人の国民が親として子供に対して、また近隣に対してどうなのか、ということも含めて大きな価値観の転換というか、日本人が本来持っている、そういった良さというものを改めて発揮していく時期ではないかというのが今の心境であります。ですから我が省としていろいろな政策課題がありますが、それについても一生懸命やりたいと思いますけれども、そういった理論形成ですとか、そういった価値転換をどうやっていくかというのは、メディアの皆さんが本当にリードできる力を持っておられるのではないかというような関心を持っているところです。 記者) 今年文部科学省の一つのテーマとして教育基本法の見直しがありますが、これについてはどのような考えをお持ちですか。 大臣) これは正に英知を集めて議論すべしという事で、今中央教育審議会に審議をお願いしております。幸い大変活発な御議論をいただいているということでございます。そういう議論を大いにやっていただいてその結論を得て、私どもとしましてはやるべきことをやるというつもりでいるところです。 記者) 個人としてのお考えはいかがですか。 大臣) この段階ではそれは述べない方がいいと思いますし、行政としましては中央教育審議会の議論を待ちながら、文部科学省としてはこの面について相当長い期間準備を重ねてきておりますから、そういった準備の成果も審議に反映しながら大いに活発に議論をしてもらいたいと思っています。 記者) H− ![]() 大臣) 本当にそうなのか少し判らない面があり、直接聞いておりませんので簡単な感想というのは言えないと思いますけれども、私は、H− ![]() ![]() (大臣官房総務課広報室)
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