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平成14年4月26日大臣会見の概要

平成14年4月26日
9時12分〜9時32分
文部科学省記者会室

◎一般案件  
特別の法律により設立される民間法人の運営に関する指導監督基準について(決定) (内閣官房・総務省)
「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定」第2条に基づく施設及び区域の一部返還,共同使用及び追加提供について(決定) (防衛庁)
投資の促進及び保護に関する日本国とパキスタン・イスラム共和国との間の協定の効力発生のための外交上の公文の交換について(決定) (外務省)
コスタ・リカ共和国大統領就任式典に参列する特派大使中川昭一に交付すべき信任状につき認証を仰ぐことについて(決定) (同上)
イスラエル国駐箚特命全権大使今井  正外1名に交付すべき信任状及び前任特命全権大使茂田  宏外1名の解任状につき認証を仰ぐことについて(決定) (同上)

◎国会提出案件
 
1.平成13年度中小企業の動向に関する年次報告
1.平成14年度において講じようとする水産施策について(決定)
(農林水産省)
1.平成13年度水産の動向に関する年次報告
1.平成14年度において講じようとする中小企業施策について(決定)
(経済産業省)
衆議院議員小沢和秋(共)外1名提出電磁波の人体への影響防止と携帯電話の中継鉄塔建設紛争解決に関する質問に対する答弁書について (総務省)
衆議院議員保坂展人(社民)提出「NTT構造改革に向けた業務運営形態の見なおし」に関する質問に対する答弁書について (総務・厚生労働省)
衆議院議員中村敦夫(無)提出小田急小田原線連続立体交差事業・事業認可取消判決に関する質問に対する答弁書について (国土交通省)

◎公布(条約)
 
投資の促進及び保護に関する日本国とパキスタン・イスラム共和国との間の協定の公布について(決定)  

◎公布(法律)
 
外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律(決定)  
防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律(決定)  
司法書士法及び土地家屋調査士法の一部を改正する法律(決定)  
障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律(決定)  

◎法律案
 
日本郵政公社法案(決定) (総務省・金融庁・財務省)
民間事業者による信書の送達に関する法律案(決定) (総務省)
農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律の一部を改正する法律案(決定) (農林水産省)

◎政令
 
麻薬,向精神薬及び麻薬向精神薬原料を指定する政令の一部を改正する政令(決定) (厚生労働省)
障害者の雇用の促進等に関する法律施行令等の一部を改正する政令(決定) (同上)
核原料物質,核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律施行令の一部を改正する政令(決定) (経済産業省)
水源地域対策特別措置法第2条第2項のダム,同条第3項の湖沼水位調節施設及び第9条第1項の指定ダムを指定する政令の一部を改正する政令(決定) (国土交通省)
一般国道の指定区域を指定する政令の一部を改正する政令(決定) (国土交通・財務省)

◎人事
 

◎報告
 
平成13年度に終結された文化無償協力に係る取極について (外務省)

◎配付
 
労働力調査報告 (総務省)
消費者物価指数 (同上)
家計調査報告 (同上)

大臣)
 今日は今の官邸での最後の閣議でございました。その意味で皆、感慨深く閣議を終えたわけですけれど、案件としては特に御報告する事はありません。燃料電池の自動車をできるだけ早く開発し、これを使うようにしようと関係大臣より発言があったこと、総理から国会も後2ヶ月なので重要法案が目白押しであり、ついては各自努力せよという事でした。
 私の4月28日から5月4日までアメリカのワシントン、ニューヨーク、ヒューストン訪問が今日の閣議で了解されました。教育科学技術関係の政府要人と意見交換を行うこと。アメリカの宇宙基地、代表的な研究所訪問、大学、あるいは高等学校等いくつかの機関を訪問します。就任以来初めての訪問でございますけれども、アメリカとの協力関係、あるいは情報交換を行なおうと思っております。要人としましてワシントンでマーバーガー科学技術担当大統領補佐官、こちらは科学技術についてのカウンターパートでございます。それからオキーフNASA(ナサ)長官、NASA(ナサ)は宇宙開発について責任を持っているところであり、ヒューストンで宇宙基地を見た後、NASA(ナサ)の長官と会います。日本とアメリカとは基地関係で協力関係が進んでおり、その計画についての意見交換などを行う予定です。それからペイジ教育長官とも会いまして、それぞれの教育改革の内容等について意見交換したいと考えています。ニューヨーク東部にあるブルックヘブンの国立研究所と理化学研究所との間でスピン物理共同研究という大変最先端の加速器を使った研究が行われており、覚え書きの方針の調印に立ち合う等、セレモニーへの参加も考えております。
記者)
 小泉内閣発足1年となりますが、大臣御自身、この1年間を振り返っていかがでしたか。
大臣)
 本当に今日で丸1年経過したわけでございますが、日本にとって大きな転換期に文部科学大臣という大役を仰せつかりまして、日々緊張の連続でありました。構造改革を進めなくてはならない構造改革内閣の一員としてやってきたという事もありますし、世界史的に見ても非常に大きな転換点に立つと思っています。しかもこの大きな転換期に将来を考えますと、教育あるいは科学技術、文化等、我が省の持っている守備範囲というものは大変重要な役割をもっていると思います。その意味で日々大変忙しい思いをしながらも大局を忘れないようにと心がけてきましたけれど、1年経って、非常に短かったなという感想を持つ反面、いろいろな事があったと思います。一番力を注いだのは就任直後の教育改革三法の成立に向けての事でございました。それから大学の構造改革に向けていろいろな仕事がございました。昨年の6月は法案の審議、大学についての構造改革方針の決定、そういった中で池田小の事件も起きました。6月は本当にいろいろな事があったと思います。その後ロケットが2回打ち上げに成功し、またノーベル化学賞を、2年続けて受賞されたりと、まさに悲喜こもごもだったと思っています。そんな中で科学技術については産学連携の動きが加速し、大学改革も、特に国立大学につきましては大きな設置形態の転換という事態に直面し、それぞれの大学において努力していると思います。小中学校の教育において今年の4月に新指導要領が実施され、また学校5日制が実施されるようになったこと。そのような中いろいろな見方がありますけれども、それぞれの学校、先生方のマジョリティーが大変努力をして、この機会に日本の学校を良くする、教育を変えるということで取り組んでもらっていると思っております。私自身も新しい学習指導要領の狙いがしっかりと定着して、本当の意味での力のついた子どもたちを育成するために、今年の1月に「学びのすすめ」をだしました。新しく確かな学力という概念を導入し、いろいろな努力を促したわけで、これからいろいろな政策の成果が出てくるときではないかと思っています。その意味で1年というのは大変短い時期でございましたが、大変重要な時期に担当させていただいたと考えております。
記者)
 自民党の方からも内閣改造論が言われています。首相は内閣改造はないとは言ってますがこの点について大臣はどのようにお考えでしょうか。
大臣)
 私の任命権は総理にあるわけでございまして、今はやれという命令を受けて全力投球しております。この後どうなるかということにこだわりはございません。この任にある限り力を尽くすという姿勢でございます。
記者)
 閣議決定で郵政公社法の法案が閣議決定されましたが、小泉首相がこの法案について、“自民党が小泉内閣を潰すのか小泉内閣が自民党を潰すか”と発言していますが、それについてどう思われますか。また、今回はいわゆる事前審査がないのですが、自主的ではなく、要するに総務会の了承がないと伺っているのですけれども、これは使い方によっては発展してくるかと思うのですが、審査が事前になかったことについてどのようにお考えでしょうか。
大臣)
 私は一連の内閣総理大臣の発言、あるいは党との関連において新たな基軸を出されたということは、総理の改革に対する非常に強い意欲・意思の表れではないかと思っています。従来のやり方では、通らないかもしれないけれども、いまこそ構造改革が大事ということで、そのひとつのシンボル的な郵政事業に関する改革について、そういう発言をされたり、新たな手続でおやりになろうとされているということは非常に困難があるかもしれないし、あるいは従来のやり方でやりたいという動きがあるかもしれないけれども、自分としては、しっかりとリーダーシップと責任を基にやろうという決意の表れではないかなと思います。
記者)
 “任期のある限り力を尽くす”というお話でしたけれども、これから何に力を入れて、どう進めていきたいという抱負などをお持ちでしょうか。
大臣)
 ひとつは初中教育においてですね。まだ1ヶ月弱でありますけれど、新たな学習指導要領が実施され、これがしっかりとした形でそれぞれの地域の学校、教員がしっかりと狙いを達成してもらうように文部科学省としてはバックアップしていく必要がある。そして常にその狙いがしっかりと定着できるのかどうかということも検証しながら柔軟な対応を教育の充実のために、また必要があれば新たな政策を考えていくことも含め非常に大事だと思っています。それから特に大学改革です。知の拠点としての大学というのは、本当に意味のある活性化した存在であってもらうための努力を促していきたいと思っていますし、これは大きな制度の転換点になりますから、今年から来年にかけて非常に大きな課題を抱えていると思っています。また同時に宇宙でありますとか原子力でありますとか科学技術関係も大きな課題を抱えております。生命科学、ナノテクノロジーともに重点的な技術分野というのを、どうやって常に日本がトップを切るような形でもっていくかということについても常に注意を払っていかなくてはならないと思っています。私は個別のこともそうなのですけれども、守備範囲を少し超えてますけれども、閣僚として思うことは、日本が20世紀の後半強かったのはそれぞれの一人一人の国民がそれぞれの立場において常に責任感を持って最善を尽くし、そして技術的にも最高のものを出してきたからだと思います。ところが今、いろいろな所で破綻をきたしているような気がします。懸命に努力していく、あるいは最高の技術を追求していく、そういった意欲の面と同時に、常に国が何々してくれ、社会が何々してくれということのみを要求する気持ちが強すぎて、それぞれの個人が“自分が一体何ができるのか”ということをもっと真剣に考えていくべきだと思います。その意味で右肩上がりで来た時の価値観だけではもう乗り切れない、それを国民の一人一人が自覚すべきではないかと思っています。これは自分に対する自戒も含めてでありますけれども、それくらい大きな価値転換をしないと乗り切れないですね。それは政治がどうだ、経済界がどうだ、企業の責任者がどうだというそれぞれ疑問に思ったり不満に思ったりすることがいっぱいあると思いますけれども、その事に対する批判の言葉を鋭くし態度を示す、ということだけではなくて自らが何をするかと、一人一人の国民が親として子供に対して、また近隣に対してどうなのか、ということも含めて大きな価値観の転換というか、日本人が本来持っている、そういった良さというものを改めて発揮していく時期ではないかというのが今の心境であります。ですから我が省としていろいろな政策課題がありますが、それについても一生懸命やりたいと思いますけれども、そういった理論形成ですとか、そういった価値転換をどうやっていくかというのは、メディアの皆さんが本当にリードできる力を持っておられるのではないかというような関心を持っているところです。
記者)
 今年文部科学省の一つのテーマとして教育基本法の見直しがありますが、これについてはどのような考えをお持ちですか。
大臣)
 これは正に英知を集めて議論すべしという事で、今中央教育審議会に審議をお願いしております。幸い大変活発な御議論をいただいているということでございます。そういう議論を大いにやっていただいてその結論を得て、私どもとしましてはやるべきことをやるというつもりでいるところです。
記者)
 個人としてのお考えはいかがですか。
大臣)
 この段階ではそれは述べない方がいいと思いますし、行政としましては中央教育審議会の議論を待ちながら、文部科学省としてはこの面について相当長い期間準備を重ねてきておりますから、そういった準備の成果も審議に反映しながら大いに活発に議論をしてもらいたいと思っています。
記者)
 H−2Aの商業打上げ契約が全部破棄になりそうだと水曜日の宇宙委員会で発言があったのですが、それについて大臣はどのようにお考えですか。
大臣)
 本当にそうなのか少し判らない面があり、直接聞いておりませんので簡単な感想というのは言えないと思いますけれども、私は、H−2Aは2回成功させ、国際競争力を持つロケットとしてかなり技術的にも高度なものを今持っていると思っています。ただこれは2回ではなかなか市場から「じゃあ、これでいこう」と言うことにならないかもしれません。したがってもっと実績を積み上げていくということで、やはり日本のH−2Aというのは非常にいいという評価を高めていくということが大前提だと思っています。それから、そういう技術が確定したら民営化しようということにもなってますから、その良さを大いに国際的にもPRしてこれを用いてもらうようにする努力も必要なのではないかと思っております。私はいろんな事態、宇宙の関係、原子力等国家政策的な課題についてはいろいろなことが起きると思いますけれども、これについてはしっかりとまず日本らしく技術を確立して、自信を持って道を歩むということが一番良い成果を生み出す方法だと思っています。(了)

(大臣官房総務課広報室)

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