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平成14年1月29日大臣会見の概要

平成14年1月29日
10時32分〜10時45分
文部科学省記者会見室

一般案件
エリトリア国特命全権大使モハメッド・ヌーア・アハメド外1名の接受について(決定)(外務省)
国会提出案件
行政組織の新設改廃状況報告書を国会に提出することについて(決定)(総務省・内閣府本府)
衆議院議員保坂展人(社民)提出死刑と刑事施策,検察に関する質問に対する答弁書について(法務省・警察庁)
人事
配付
労働力調査報告(総務省)
家計調査報告(同上)
大臣)
   今日の閣議は特に当省に関係する案件はありません。
 労働力調査の結果が出まして、12月の完全失業率が5.6パーセントとなって先月に比べ0.1ポイント上昇し、過去最高になってしまったという報告がありました。総務大臣がこの調査をおやりになられたのですが、厚生労働大臣から有効求人倍率が減った等の報告がありました。
記者)
   東村山市の中学生集団暴行事件ですが、昨日、事務次官からも命の大切さを自覚しなくてはいけないという話がございましたが、こういった事件が数年前から相次いでいると思いますが、大臣から全国の教育関係者や学校等にこういうことを徹底してもらいたいという具体的な方法や指示したい事柄がありましたらお願いします。
大臣)
   今回の事件は、中学生が大変残酷な行為をしたということでありまして、決してしてはならないこと、しかも集団で弱い立場の人に対する暴行事件であったということで、あってはならないことです。私が中学校課長をやっておりました時、昭和58年の1月でしたけれども、横浜市で中学生が浮浪者を殺害しまして3人が亡くなりまして、これがこのような事件の最初だったと思います。その後しばらく無く、近年少しづつまた出始めておりますけれども、一番最初の時の大きな事件の担当課長でして、その直後に町田市の忠生中学校の校内暴力、生徒が暴れるので先生が生徒をナイフで刺すという事件がありまして、荒れる中学校というものの発端が町田の忠生中学校であり、また浮浪者殺害事件であったわけです。その後にいろいろな対策を取りまして各中学校をはじめとする学校において生徒指導をきちんとやり、家庭も地域社会も教育委員会もそれぞれの役割をしっかり果たしていこうと、特に教員が一致協力をしてその問題に対応しようとした結果、校内暴力事件がある程度終わっていったという経験があります。今回はそれから19年後にまた同じようなことが起きましたが、私は日本の今の公教育、教育全般において確かな学力、心の教育の重要性を就任以来、申し上げているわけですが、心の教育についてはいずれ追って、どのようなかたちで徹底していくかについては考えを明らかにしていきたいと思っております。今回の事件を見ておりましていろいろ感ずることがありますが、省としての対策ではなくて個人的なことでございますけれども、やはり根底に人間として必要な規範意識があまりにも薄すぎる子どもたちがいる、これは子どもだけでなくて社会人もそうだと思いますけれども、一番人間としてやってはならないという規範意識をもっとしっかりとそれぞれの人間が、また子どもたちも十分に認識すべきものだと思います。社会生活の中で自らコントロールする力、自己抑制力といいますか、必要な場面においては自らの欲するままに、欲望のままに動くということだけではなくて、社会の一員として自己規制し得る、自己規制する必要性もきちんと学んでいく必要があるのではないかと思っております。そのようなことを考えまして、子どもたちだけではございませんで、今、世情に起きているいろいろな凶悪事件、あるいは金銭だけのために人を安易に殺してしまう事件が相次いでいるわけでございますけれども、これは日本の社会として大変残念なことでありまして、広く学校のみならず家庭も、特に親御さんたちの意識として何が大事かということについてしっかりと持っていただきたいと思いますし、地域社会、社会全体の認識についても、もう少し何が悪で何をしてはいけないということについてお互いにしっかりした認識を持ち、自ら抑制すべき場合には抑制するという社会規範を守っていかなくてはいけないのではないかと思っております。これは個人的な感想でして、追って学校教育を中心とし、保護者の方、地域社会も含めての心の教育の徹底の在り方について整理したものをお出ししていきたいと思っております。今日、第2回平成13年度の生徒指導担当指導主事連絡会議がありまして、その場において担当から全国都道府県、政令指定都市教育委員会の生徒指導担当指導主事に対しまして、こういう問題に対処するよう基本的な考え方、方策を述べる機会があると考えております。再びこのようなことが起きないように、ぜひともそれぞれの関係者がこの事柄の深刻さを十分認識をして、できるだけ力を尽くして、こういう事件を世の中から排除していきたいと思います。
記者)
   徳島大学医学部で補助金の不正受給の疑いがあるということですが、今後の対策を含めて御見解をお聞かせください。
大臣)
   徳島大学からの報告によりますと、昨日22時30分頃、医学部衛生学講座の教授及び講師の2名が偽りその他不正の手段によって、平成11年度の厚生科学研究費補助金1,000万円あまりの交付を受けたとして補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律違反容疑で逮捕されたということであります。詳細につきましては徳島大学において確認中でありますけれども、今後、警察による捜査状況等も踏まえながら徳島大学にも厳格に対処してもらおうと考えております。まだ詳しいことがわかりませんので、これ以上のコメントは差し控えます。
記者)
   昨夜、衆議院の予算委員会で与党のみで第2次補正採決となりましたけれども、一連の外務省関連で言った言わないで国会が混乱してまして、結果的に衆議院予算委員会だけみると必要な、もう少しやれるはずだった論議が十分行われないで、大事な予算が通過するというかたちになっているわけでが、この一連の事態をどのように見てらっしゃるのでしょうか。
大臣)
   私が申し上げることかどうかと思いますけれども、第2次補正予算では大変大事な審議の途中で、審議されるべき事柄でないようなことに随分時間が費やされて、未だにその問題は鮮明になっていないということでございますが、この問題はできるだけ早く与野党が納得して頂いて、順調な国会審議、本来あるべき審議の軌道に乗ることを期待いたしております。午後に衆議院の本会議が開かれる予定と聞いておりまして、できるるだけ早くこの問題を乗り越えて、今、日本が抱えている本当に大事な問題に英知を集めて取り組めるような状況になってほしいと思っております。
記者)
   東村山の事件に関連して、心の教育の徹底とございましたが、具体的にはスクールカウンセラーを増やすなどというように考えてよろしいでしょうか。
大臣)
   具体的な方策については、一つの事件だけで大きな方法を考えることになるのか、もう少し何かあり得るのかについては、また別途何らかのかたちでより効果的な方向を考えたいと思いますが、心のノートも今、作成中でありまして、いろいろな方策を考えていきたいと思っております。(了)

(大臣官房総務課広報室)

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