令和3年度「「富岳」成果創出加速プログラム」(高性能汎用計算機高度利用事業費補助金)の採択課題の決定について

令和3年7月21日



 このたび、令和3年度「「富岳」成果創出加速プログラム」(高性能汎用計算機高度利用事業費補助金)の採択課題を決定いたしましたので、お知らせいたします。

1.事業趣旨

 スーパーコンピュータは、理論、実験・観測と並ぶ科学技術の第三の手法であるシミュレーションのための強力なツールとして、我が国の競争力の源泉となる先端的な研究成果を生み出す研究開発基盤であるとともに、様々な分野の共通基盤技術となりつつあるビッグデータの処理・解析やデータ同化(シミュレーションに観測データを取り込む手法)のための重要なツールです。また、令和2年(2020年)から世界的に新型コロナウイルス感染症の感染が拡大する中で、感染症対策は世界的に喫緊の課題となっています。さらに、感染拡大に伴い、研究開発のデジタル・トランスフォーメーションが社会的に強く要請されています。こうした社会的な課題の解決にスーパーコンピュータは必要不可欠です。
 このように、世界最高水準のスーパーコンピューティング技術は、科学技術の振興、産業競争力の強化、国際貢献、安心・安全の国づくり等の実現に不可欠な国家の基幹技術です。また、第5期科学技術基本計画で提唱され、それ以降、我が国の科学技術イノベーション政策の中核コンセプトとなっているSociety 5.0の実現のためにも欠くことのできないものとなっています。我が国が開発したスーパーコンピュータ「富岳」(以下、「富岳」という)は、令和3年(2021年)3月より共用を開始したところで、現時点において世界トップの性能を有するシステムであるとともに、Society 5.0等の実現のための大規模計算基盤です。我が国が実施する他の研究開発プロジェクト、産業界、行政組織等との連携体制を構築しながら、「富岳」を用いた最先端の科学的成果創出や成果の社会実装を強力に推進する必要があります。『「富岳」成果創出加速プログラム』は、上記の目的を達成すべく、「富岳」を活用し、国家的に取り組むべき社会的・科学的課題の解決に資するアプリケーション開発及び研究開発に取り組み、「富岳」の共用開始の早期から世界を先導する成果を創出することを支援するため、文部科学省が令和2年度から実施している事業です。


2.審査の経緯

 (1)公募の実施
   令和3年4月9日(金曜日)~令和3年6月9日(水曜日)の期間において、公募を実施し、計12課題からの応募がありました。
 (2)審査の実施
   外部有識者による審査委員会(別紙:HPCI計画推進委員会「富岳」課題推進ワーキンググループ、委員名は今後他の研究開発課題の採択審査等の可能性があるため現時点では非公開)にて書面審査、ヒアリング審査を実施し、採択課題を決定しました。

  別紙:HPCI計画推進委員会「富岳」課題推進ワーキンググループ(PDF:50KB)


3.審査結果の概要

  応募件数:12件
  採択件数:3件

  1. 採択課題名:データ駆動型高分子材料研究を変革するデータ基盤創出
    分野:③産業競争力の強化
    代表機関及び研究開発課題責任者:大学共同利用機関法人情報・システム研究機構 吉田 亮
  2. 採択課題名:「富岳」が拓くSociety 5.0時代のスマートデザイン
    分野:③産業競争力の強化
    代表機関及び研究開発課題責任者:国立研究開発法人理化学研究所 坪倉 誠
  3. 採択課題名:「富岳」を活用した革新的光エネルギー変換材料の実現
    分野:③産業競争力の強化
    代表機関及び研究開発課題責任者:国立研究開発法人理化学研究所 中嶋 隆人



 

お問合せ先

文部科学省研究振興局参事官(情報担当)付計算科学技術推進室
 〒100-8959 東京都千代田区霞が関3‐2‐2
 E-mail:hpci-con@mext.go.jp 
 Tel:03-6734-4275

 

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(研究振興局参事官(情報担当)付計算科学技術推進室)