スーパーコンピュータ「富岳」等を末松大臣が視察

11月13日(土曜日)
科学技術・学術

  11月13日、末松大臣は研究施設等の視察のため、兵庫県の人工島「ポートアイランド」を訪れました。

  神戸市は、1995年の阪神・淡路大震災以降、同地を拠点として医療関連産業の集積を図っています。構想開始から20年以上が経過し、現在約370の先端医療の研究機関、高度専門病院群、企業や大学の集積が進み、日本最大のバイオメディカルクラスターに成長しました。

  最初に、スーパーコンピュータ「富岳」が運用されている理化学研究所計算科学研究センターを訪れました。「富岳」は、新型コロナウイルス対策に資する研究や、ゲリラ豪雨の予測、航空機の実機フライト試験等をシミュレーションで代替する研究など、様々な分野で活用されています。
  意見交換時、末松大臣が富岳の消費電力性能について尋ねたところ、「富岳」の消費電力性能は「京」よりも向上しており、高い性能を発揮する一方で消費電力をできる限り抑えているとのことでした。そのほか、理研の松岡センター長より、産業界を含め「富岳」をまだ使用していない潜在的ユーザーへのアプローチの重要性などについて説明をいただきました。

  次いで訪れたクリエティブラボ神戸は、ライフサイエンス分野で、企業や研究機関、大学などに、装置や薬品を用いた実験が可能な研究室を提供する施設です。
  施設に入居しているスタートアップの様子を御案内いただいた後、久元神戸市長はじめ関係者の方々から、「神戸医療産業都市」と呼ばれる同地の概要と、産業界・大学・研究機関、自治体等の協力・連携による取組を紹介いただきました。

  続いて、神戸大学医学部付属病院国際がん医療・研究センターを訪れました。このセンターは、がんに対する先進的な外科的治療の推進をはじめ、次世代医療、新規医療機器の研究・開発などに取り組んでいます。
  末松大臣は、このセンターで活用されている国産初の手術支援ロボットシステム「hinotori」を視察しました。このロボットシステムは、手術器具や内視鏡を取り付けた4本のアームを特徴とします。医師は患者の体から離れたコックピットで、内視鏡の立体画像を確認しながら、遠隔でアームを操作して手術を行います。末松大臣はこの「hinotori」の操作体験も行いました。

  最後に訪れたのは、神戸アイセンターです。iPS 細胞を用いた世界初の臨床研究である網膜の再生医療等をいち早く実用化させるため、基礎研究から治療、リハビリテーションや生活支援までをトータルで対応する拠点となっています。
  末松大臣は、高橋政代先生からiPS細胞を用いた網膜再生医療の研究成果を伺うとともに、iPS細胞培養を自動で行うロボット「まほろ」を視察しました。その後、外来や病棟、手術室、ロービジョンケア施設(視覚障がい者に対する情報発信や支援を行う施設)を視察しました。

理化学研究所計算科学研究センター

「富岳」実機視察の様子

クリエティブラボ神戸

クリエイティブラボ神戸に入居するスタートアップの説明を受ける様子

国際がん医療・研究センター

手術支援ロボットシステム「hinotori」の説明を受ける様子

神戸アイセンター

視察受入れの御礼の挨拶
(左から2人目が高橋政代先生、3人目が栗本康夫病院長)