11月8日、末松大臣は視察のため、海洋研究開発機構(JAMSTEC)横浜研究所、横浜市立葛野小学校、理化学研究所(横浜地区)を訪問しました。
最初に訪問したJAMSTECは、海洋科学技術の総合的な研究機関です。横浜研究所では、気候変動予測のシミュレーションモデルの開発や、地震発生帯の実態把握などに取り組んでいます。
まず、今年ノーベル物理学賞を受賞された眞鍋淑郎博士がJAMSTECセンター長だったときに取り組まれた気候変動予測に関する研究について説明いただくとともに、本研究を支えるスーパーコンピューター「地球シミュレータ」を視察しました。
また、南海トラフ巨大地震の早期検知に重要とされる「スロースリップ」(ゆっくりと断層が動く現象)のリアルタイム観測や関係機関との連携についてもお話を伺いました。
その他、北極域研究や軽石漂流シミュレーションなど、機構が取り組んでいる最先端の海洋研究についても意見を交わしました。
次いで、横浜市立葛野小学校を訪れました。
同校は、地域の訪問看護ステーションからの看護師派遣を受けながら、在籍する児童に対する医療的ケアを実施しています。また、校内組織の改編や会議の精選、教員業務支援員の活用等の取組みを通じて、学校における働き方改革も精力的に進めています。
末松大臣は、医療的ケアの実施場所や器具を視察し、医療的ケアの具体的な手順や衛生面での配慮などを伺いました。また、個別支援学級(特別支援学級)や通常の学級(4年生と6年生)の授業を視察し、子供たちが、「自分の学びを見つめ、これからの具体的な目標を考える」というテーマで積極的に発言している様子などを見ることができました。
教職員や訪問看護ステーション管理者との意見交換も行いました。小学校における医療的ケアに関する組織的な体制づくりにおける課題や、働き方改革を推進する上で工夫している点などを伺いました。
最後に、理化学研究所横浜地区を訪問しました。同研究所は日本初の自然科学の総合研究機関として、幅広い分野で世界最高水準の研究を推進しています。
理化学研究所横浜地区では、新型コロナウイルス感染症をはじめとする生命科学研究や、カーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量を全体としてゼロにすること)に関する研究に取り組んでおり、国内トップクラスの大型研究装置を運用し、大学や民間企業などにも供用しています。
タンパク質などの立体構造を解析できる「クライオ電子顕微鏡」や、物質の分子及び原子の動きを捉える「核磁気共鳴装置(NMR)」など、日本の自然科学研究を支える研究装置群を視察し、微生物を利用したバイオジェット燃料に関する研究開発の動向などについて、研究者と意見を交わしました。