南極地域観測への出発を控えた第63次南極地域観測隊長・副隊長及び「しらせ」艦長とのオンライン面会

11月2日(火曜日)
科学技術

  11月2日、末松大臣が、高橋大臣政務官とともに、南極への出発を控えた第63次南極地域観測隊の牛尾第63次隊長(兼夏隊長)、澤柿第63次副隊長(兼越冬隊長)、酒井「しらせ」艦長とオンラインで面会し、昨年に引き続きコロナウィルス感染防止の徹底を行いながらの活動計画や南極出発前の意気込みなどを伺いました。(中村国立極地研究所長同席)

  牛尾隊長からは、2000m以上の深さまで氷を掘削して、氷に閉じ込められた大気の分析による環境変動の研究に向けた準備や、現職教員を南極に派遣してリアルタイム授業を行う「南極教室」など、第63次の観測活動計画について紹介していただきました。牛尾隊長から、
「一同協力し、安全第一で観測活動等を遂行してまいりたいと思います」
と意気込みを語られました。

  文部科学省は、本年9月に日本の小学校と南極を衛星回線で結び、越冬隊員にリアルタイムで授業を行っていただくGIGAスクール特別講座「南極は地球環境を見守るセンサーだ!」を開催しました。末松大臣はこの授業の記録映像を視聴したと話し、「子供たちに夢を与えるために、よろしくお願いいたします」と第63次観測隊への期待を述べました。

  末松大臣はさらに、「地球温暖化予測に関する物理モデル開発等により眞鍋淑郎先生が今年のノーベル物理学賞を受賞されたように、ますます関心が高まっている地球温暖化予測について、南極地域観測がどのように貢献するか」と質問しました。
  これに対し、牛尾隊長、澤柿副隊長から「南極は過去と現在、未来を結びつける研究観測が可能な重要な場所であり、これまで60年以上も継続的に観測してきたデータを積み重ねつつ活用することで温暖化予測への貢献が可能になる」との回答がありました。

  最後に、末松大臣は、
「自然環境の極めて厳しい南極での活動や航海が予想されますが、観測隊員と「しらせ」乗組員が一丸となって、観測活動、物資の輸送に励まれ、予定の業務を達成されることを期待します。」
と激励しました。

左から:中村所長、高橋政務官、末松大臣
画面左上から:牛尾隊長、酒井艦長、澤柿副隊長