「第四次報告」(教育再生懇談会 平成21年5月)抜粋

3 「スポーツ立国」ニッポン
 スポーツは、個人の体力向上・健康増進や生活を楽しく豊かなものにするのみならず、国際大会における日本代表選手の活躍が多くの国民に夢や感動、元気を与えるものであり、明るく豊かで活力に満ちた社会を築くために、「スポーツ立国」ニッポンの実現は不可欠である。
 このため、幼少期から高齢期に至るまでの体力づくり運動や学校教育活動の一環としての体育の授業・部活動の充実、障害者のスポーツ活動の振興、総合型地域スポーツクラブの育成など身近なスポーツ環境の整備、企業スポーツへの支援、そして日本を代表してオリンピックなどの国際舞台で活躍するトップアスリートの育成など、多岐にわたるスポーツ振興施策を推進していくことが必要である。
 しかしながら、都市化や少子化の影響で、子供たちが日常の中で体を鍛える機会は減少し、現在の子供たちの体力は、親世代と比べ大きく低下している。また、少子化に伴う学校の小規模化や教員の高齢化などの影響で、多様な部活動を展開するための指導者の確保に困難を来している学校も生じてきている。近年創設されてきた総合型地域スポーツクラブも、財政的な基盤が脆弱なところが多く、自主財源のみで活発な活動を行えるクラブは必ずしも多くない。さらに、企業スポーツの活動は景気の影響に大きく左右され、昨年秋以降の経済危機を受け、数多くのチームが休廃部を余儀なくされている。オリンピックにおいても、我が国の成績は、国力に見合ったものからはほど遠く、今のままでは、「スポーツ立国」ニッポンの実現は困難である。
 このような状況を打破し、「スポーツ立国」ニッポンの実現に向け、国として、多岐に渡るスポーツ振興施策をこれまで以上に総合的かつ計画的に展開していくため、地方公共団体やスポーツ団体、企業などとも一体となって、次のような取組を進めることが必要である。

(1)総合的なスポーツ振興施策の展開
 ○ 「スポーツ立国」ニッポンの実現に向け、国や地方公共団体が果たすべき役割を明確化するなど、スポーツに関する基本法を制定する。
  ○ 子供から高齢者に至るまでの体力向上や健康増進、地域スポーツの振興、国際競技力の向上などにとどまらず、企業スポーツの振興や障害者スポーツの振興なども含め、国民スポーツを総合的かつ計画的に振興するという観点から、新たなスポーツ振興基本計画を策定する。
  ○ 新たなスポーツ振興基本計画の策定やその着実な推進のため、新たにスポーツ庁を設置するなど、国のスポーツ振興行政体制を強化する。

お問合せ先

スポーツ・青少年局スポーツ・青少年企画課

(スポーツ・青少年局スポーツ・青少年企画課)

-- 登録:平成23年07月 --