ネットを通じた子供の性被害の防止に向けた,国家公安委員会委員長との共同メッセージの発信及びリーフレットの配布について(平成29年6月27日)

ネットを通じた子供の性被害の防止に向けて,国家公安委員会委員長と文部科学大臣が,子供たちに向けた共同メッセージを発信しましたので,お知らせします。

ネットを通じた子供の性被害の防止に向けて

 まもなく夏休みが始まります。学校生活から離れ,解放的になるこの時期は,楽しいことがたくさんありますが,一方で危険もいっぱいです。悪い大人が皆さんに近付いてくるかもしれません。
 夏休みを有意義に過ごしつつも,犯罪に巻き込まれないよう,細心の注意を払う必要があります。

 とりわけ昨今,中高生におけるスマートフォンの保有率や,ツイッターをはじめとしたSNSの利用が高まってきていることにより,ネットを通じた性被害が急増しています。

 例えば,以下のような事例が報告されています。

  • 女子中学生は,SNSを通じて知り合った「19歳のイケメン大学生モデル」 に裸の画像を送信させられた。
    この「イケメンモデル」は,46歳の男が他人の写真と偽名を使ってなりすましていたものであり,被害を受けた子供は全国で約130人に上った。
  • 女子高校生は,SNSを利用するなどして知り合った被疑者らに家出中に接触し,売春に関する契約書を書かされた上,マンションの一室に外から鍵を掛られた状態で居住させられた。
    その上で,理由のない「罰金」を科されつつ,出会い系サイト等で被疑者らが募った客を相手に売春をさせられ,その代金も搾取された。
  • 男子中学生は,SNS上で「女子中学生」と裸の写真を交換したが,この「女子中学生」は20歳の男がなりすましていたものであり,男に「警察や学校にばらす」などと脅迫されて呼び出され,わいせつな行為をされた。
  • 女子中学生は,女の子向けのスマートフォンゲームを通じて知り合った男とSNSにおいてやり取りする中で,裸の画像を送るように要求され,要求に応じなければ以前に男に送信した顔写真を悪用されるのではないかと思い,自己の裸をスマートフォンで撮影し送信させられた。

 男女を問わず,これは他人事ではありません。皆さんが日頃から使っているSNSを通じて,児童買春や児童ポルノなどの犯罪被害に遭った子供は,昨年(平成28年)に1736人,また,だまされたり脅されたりして,自分の裸をSNS等で送らされる,いわゆる「自画撮り被害」に遭った子供は,昨年に480人と,いずれも過去最多です。
 また,こうした犯罪の被害の多くがスマートフォンによるもので,被害者の約9割が中高生です。

 こうした心の痛む状況を受けて,7月の「青少年の非行・被害防止全国強調月間」に合わせ,警察庁と文部科学省では,共同で,「夏休みを迎える君たちへ~ネットには危険もいっぱい~」というリーフレットを作成しました。
 是非このリーフレットを読み,掲載しているQRコードなどから,犯罪被害防止に向けて作成した動画なども,見てください。

 一度ネット上に拡散した情報は,完全に削除することは困難です。未来ある皆さん自身のために,見知らぬ人に安易に会わない,どのような相手であっても「自分の裸や露出し過ぎた写真を送らない」など,「ネット上での出会いには細心の注意を払う」ことを徹底してください。

 そして,万が一,このようなトラブルや犯罪被害に遭ってしまったら,被害を拡大させないために,恥ずかしがらずに,すぐに保護者や先生,警察に相談してください。

平成29年6月27日
国家公安委員会委員長  松本 純  
文部科学大臣         松野 博一


お問合せ先

総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課

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(総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課)