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「主権者教育の推進に関する検討チーム」最終まとめ~主権者として求められる力を育むために~

1.「主権者教育の推進に関する検討チーム」中間まとめについて

文部科学省では、平成27年11月に義家弘介文部科学副大臣の下に「主権者教育の推進に関する検討チーム」を設置し、主権者に求められる力の養成(以下「主権者教育」という。)に係る方策について検討を進め、本年3月31日に中間まとめを公表した。
本検討チームでは、主権者教育の目的を、単に政治の仕組みについて必要な知識を習得させるにとどまらず、主権者として社会の中で自立し、他者と連携・協働しながら、社会を生き抜く力や地域の課題解決を社会の構成員の一人として主体的に担うことができる力を身に付けさせることとした。
中間まとめでは、このような主権者教育を進めるに当たっては、子供たちの発達段階に応じて、それぞれが構成員となる社会の範囲や関わり方も変容していくことから、学校、家庭、地域が互いに連携・協働し、社会全体で多様な取組を行うことの必要性とともに、取組を行うに当たっては、学校等のみならず、教育委員会等の地方公共団体の関係部署が、積極的な役割を果たすことを基本的な考え方とした。
また、主権者教育の推進方策として、平成27年6月19日に成立した公職選挙法等の一部を改正する法律の施行に伴い、新たに選挙権を有することとなる生徒、学生が在籍する高等学校、大学等において、政治参加意識の促進や周知啓発がより一層充実するための取組や、 子供たちの発達段階に応じた社会の範囲(家族、家の近所、小中学校の校区など)の構成員の一人として、現実にある課題や争点について自らの問題として主体的に考え、判断するといった学習活動や具体的な実践・体験活動を学校、家庭、地域など社会全体で主権者教育を推進する取組について、推進方策を示したところである。

2.中間まとめ公表後の取組について

(1)関係機関への周知について
全国の教育委員会や大学等に対して中間まとめの策定について通知を発出し、その内容や各学校段階や家庭・地域における取組事例の周知を行い、学校、家庭、地域それぞれにおいて、国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質を育むための教育や啓発活動等についての取組を促した。
また、文部科学省と総務省において、大学等や各都道府県選挙管理委員会に対し、大学等のキャンパス内における期日前投票所の設置の検討、住民票の異動、旧住所地での投票に関する周知啓発について、協力依頼を行った。

(2)主権者教育実施状況調査について
文部科学省では、中間まとめを踏まえ、全ての高等学校等を対象に副教材「私たちが拓(ひら)く日本の未来」の活用状況の把握も含め、昨年度の卒業生における主権者教育の実施状況や、本年度の実施計画について、その状況を調査した。
その結果、昨年度の卒業生については、90%を超えるほとんどの学校において特別活動や公民科を中心に主権者教育が行われ、副教材についても積極的に活用された状況が見られた。
しかしながら、年度途中に指導計画の変更が困難であった、指導方法・内容について検討が必要であったなどの理由から、主権者教育を実施していないと答えた学校も見受けられた。
また、現在の在校生に対しても、特に3年生に対しては95%を超えるほぼ全ての学校が主権者教育に取り組む予定としており、年間2~4時間若しくはそれ以上の時間数で主権者教育に取り組むこととしている学校が多く見られた。
さらには、教育委員会において学校の支援も行われ、教育委員会からの報告によれば別添のような特徴的な学校の取組も見られるところである。

3.主権者教育を推進するための今後の取組の方向性について

主権者教育実施状況調査の結果を踏まえ、各種会議等において今後の計画的な実施や関係機関との更なる連携の推進について周知啓発を図るとともに、通信制課程や特別支援学校における主権者教育の具体的な指導方法や本調査において収集した各学校の優れた取組について、詳細な情報を調査研究し、その結果を公表することによって各学校の更なる充実を促す。また、次期学習指導要領改訂について検討を行う中央教育審議会において、主体的な社会参画に必要な力を実践的に育む高等学校の新科目「公共(仮称)」の検討を進める。さらに、同審議会で議論されている「深い学び」「対話的な学び」「主体的な学び」のアクティブ・ラーニングの三つの視点に立って学び全体を改善することは、先に述べた「社会の中で自立し、他者と連携・協働しながら、社会を生き抜く力や地域の課題解決を社会の構成員の一人として主体的に担うことができる力を養う」という主権者教育の目的にも資するものであり、その一層の推進を図ることが期待される。
加えて、主権者教育は、主権者として求められる能力を育むだけではなく、地域への愛着や誇りを持ち、ふるさとに根付く子供たちを育てるなど、地域の振興・創生の観点からも重要である。
社会全体で主権者教育の推進を図るためには、学校だけではなく、基本的な生活習慣・生活能力を身に付け、実生活・実社会について体験的・探究的に学習できる場として、家庭や地域も主権者教育の担い手としての役割を果たす必要がある。このため、地域学校協働活動や体験活動を充実させていくとともに、特別支援学校において、スポーツ・文化・教育活動の全国的な祭典(Specialプロジェクト2020)を開催するなど、多くの地域住民の参画を促すことにより社会全体として子供たちの学びや成長を支える活動を推進する。
今後、文部科学省では、主権者教育実施状況調査の結果等も踏まえ、本検討チームの中間まとめで示した学校、家庭、地域における推進方策を着実に実行に移すととともに、主権者教育を推進していくに当たって、引き続き総務省や公益財団法人明るい選挙推進協会等と連携した取組を進めることとする。また、地方公共団体においても、総合教育会議の活用をはじめ、首長、教育委員会、選挙管理委員会などの様々な部局と公民館、自治会などの地域の関係施設や団体が連携し、主権者教育に関する多様な取組が展開できるよう促していきたい。


各都道府県における主権者教育に関する特徴ある取組例

  • 模擬選挙を行った上で、他の世代(お年寄り、子育て世代等)の立場にたった論議をグループでするなど多面的・多角的な考察を進める取組を行った学校。(東京都)
  • 各家庭で政治的教養を育むためにどのようなことができるかを考える生徒と保護者が参加した学年行事を行った学校。(山梨県)
  • 議会事務局と連携し、府議会議員(正副議長、広報委員会委員)を講師とする府議会主催の出前講座を実施し、議員による講義や高校生と議員による意見交換を行った学校。(大阪府)
  • 専門家の知見を生かした講義(税務署の職員に消費税や軽減税率について出前講座)を受けた後、「軽減税率の導入」についてディベートを行った学校。(埼玉県)
  • 大学と連携して主権者教育を実施。行政学を専攻する大学教授による講演と日本への留学生を含めたパネルディスカッションを実施。(札幌市)
  • 弁護士会所属の3人が市長候補となって政見演説を行う模擬選挙を実施。投票後、弁護士及び選挙管理委員会職員が講評。(千葉市)
  • 県外の大学生等の協力を得て、被選挙権年齢の引き下げの是非について討論型の授業を実施。(島根県)

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総合教育政策局地域学習推進課

(総合教育政策局地域学習推進課)

-- 登録:平成28年06月 --