「これからの図書館の在り方検討協力者会議」（第9回）議事要旨

• 日時
  平成19年7月17日（火曜日）10時〜12時
• 場所
  宇宙開発委員会会議室

• 非正規職員でも長い期間働いている人もいるので、そのような場合は非正規職員であっても、経験年数に応じたキャリアアップのための研修を受講する必要がある。研修の対象者の範囲は、個々の図書館の実態によって柔軟に考えるべきである。また、指定管理者の正規社員については、正規職員と同じ扱いとすべきではないか。
• 研修の実施主体の範囲については、ブロック単位の研修を視野に入れる必要がある。
• 図書館には民間社員の職員が増えており、これらの職員のレベルアップが必要である。研修の対象者を正規・非正規で区別する必要はないのではないか。
• 本来、民間には研修の義務があって、研修が企業の責任において行われるという契約であれば、民間職員が公的な研修に参加することにより、公的なコストが支払われてしまうというのはおかしなことである。
• 民間の派遣会社を転々としている人もいるので、経験年数をどのように証明するのかという問題がある。
• 経験年数に応じたキャリアアップのための研修と、管理職を対象とした研修については、成果を人事に反映させることも必要である。
• 行政が実施する研修であっても民間が参加できるようにしなければならない。
• 研修や司書の再教育については、将来的に大学教育に位置付ける方向が出てくると考えており、その実施主体として大学に触れておく必要があるのではないか。

• 日本図書館協会が行う児童図書館に関する研修や県レベルで行うレファレンスの研修などの専門的な研修について、もう少し体系立ったものにする必要があるだろう。
• 新任図書館長研修や司書専門講座は非常に内容が充実しているが、一部の人しか受講できないのはもったいない。一般職員であればこの範囲で、管理職員であればこの範囲でという具合に、コースを設けて受講できるようにしてはどうか。
• これまでの研修は座学が中心であったが、この研修の形式を変える必要がある。受講者も研修のなかでプレゼンテーションを行い、レポートを作成する必要がある。
• 放送大学の利用については、現在のシステムでは意味がないと考えている。現在は学校図書館司書教諭講習のみが行われているが、放送大学が紙を送って学生が紙で回答しており、担当者の負担を増やすだけでIT効果がない。
• 研修実施機関がビデオやDVDを貸出しする場合、貸出を受けた図書館が職員に視聴させる時間を確保するようにしなければ機能しない。意欲がある職員は自ら学習するが、職務時間のうちに視聴する時間を確保し、研修と位置付けられないだろうか。
• 講師を呼んで館内研修を行い、職員が共通の認識を持つのが一番良いが、できない場合は職員全員でビデオを見ることも必要である。具体的に職場を改革していくためには館内研修で同じ情報を共有し、合意を形成することが重要である。
• 社会教育主事については、その研修について社会教育法で規定されている。また、教育公務員特例法で、教育公務員として位置付けられており、同法によって教育公務員には研修を受ける機会が与えられなければならないとされている。司書についても教育公務員とされれば、任命権者は研修に配慮する必要が生じるため、非常に難しい問題であるが、適用対象に含めることができないだろうか。
• 図書館職員の研修の時間が確保されるよう、文部科学省が指導してほしい。
• 研修の重要性についての意識改革が大前提になるため、その重要性について広く図書館関係者に知らせる必要がある。
• 業務命令で研修に参加する場合だけではなく、自主的に研修に参加している場合もある。インセンティブが高い職員に対しては、高い評価を与えなければならないが、制度的に考えた場合に、検討の範囲に加えることができるかどうかは難しい。
• 研修を受けた実績を、第三者に分かるような形で評価する仕組みについて提案することはできるが、細かい制度設計は本協力者会議では検討できない。また、研修の受講について、職場の待遇に反映させる方法についての提案も難しい問題である。
• 受講者が講師を評価する仕組みが必要である。受講者、講師のお互いが評価される緊張関係のなかで研修を行うという、双方向の評価が必要である。
• 直接図書館に関する研修に限らず、例えば、地方財政に関する研修なども含めた研修歴を作ることが重要である。
• どこでどのような研修を行っているかという情報を提供していくことが研修の効率を高める上で重要である。
• 新館を建てたり、新しいサービスを展開する際には、他の図書館への派遣研修を実施することも有効である。
• 各地域の研修で講師を務められる人材を育成するための研修や、マニュアルを作成することも必要である。

以上