本報告では、国や地方公共団体等が実施している図書館職員の研修の形態や方法、評価等をどのように見直し、体系化することが望ましいかという観点から検討を行い、充実方策について提案を取りまとめた。
近年、図書館には、情報化や子どもの読書活動への支援、地域の課題解決や地域振興への支援など、様々な課題への対応等が求められているが、図書館に研修の実施に関する情報が十分に届いていない、研修が体系化されておらず、キャリアに応じた研修参加のモデルが無いことなどが指摘されている。
「これからの図書館像」を実現するためには、司書に、資格取得時に身につけた基礎的な知識・技術をさらに深め向上させることが必要。また、利用者ニーズの把握、資料の選択・収集・管理能力なども重視されており、これらを踏まえた研修の内容の見直しが必要。
既存の研修を効果的に活用するため、実施主体が相互に連携し役割分担を行うとともに、国や都道府県、図書館関係団体等が実施している様々な研修の情報を収集し、体系的に整理し提供していく必要がある。
市町村、都道府県、国で実施されている研修を中心に、司書の研修体系を改めて整理するとともに、研修によるキャリアパスのモデルの一例を示した。
今後、本報告を踏まえ、図書館の設置者や図書館が、職員の知識・技術の向上の重要性や研修の必要性を再確認するとともに、研修の充実が図られ、図書館職員が研修を受講しやすい環境づくりと、研修への参加が進み、図書館サービスの一層の向上が図られることを期待する。
-- 登録:平成21年以前 --