中高生を中心とした子供の生活習慣が心身へ与える影響等に関する検討委員会(第4回)議事概要

日時

平成27年2月27日(金曜日)14時00分~16時00分 

場所

文部科学省生涯学習政策局会議室

委員出席者(敬称略)

神川康子、木村治生、柴田重信、鈴木みゆき、関克則、原田哲夫、前田智子、三池輝久

オブザーバー

山本裕一「早寝早起き朝ごはん」全国協議会事務局長

文部科学省出席者

河村生涯学習政策局長、德田大臣官房審議官、藤江男女共同参画学習課長、枝家庭教育支援室長

議事概要

(1)事務局より、資料2(平成27年度子供の生活習慣支援に関する予算案)について説明。

(2)原田分科会長より、資料3(第3回中高生を中心とした子供の睡眠習慣に関する科学的知見の整理分科会の検討状況)について説明。

(3)事務局より資料4-1(中学生・高校生等、保護者用普及啓発資料案)について説明。

(4)討議。
○ アクティブ・ラーニングの導入が求められている中で、この啓発資料についても、子供たち同士で話合いを持てるようなつくりの資料にしたい。

○ 子供たちに興味を持って読んでもらうには、キャラクターや吹き出しなどを使って漫画のようにしたり、カラフルなイラストを使うことが効果的である。

○ 言葉の使い方が統一されていないところがあるので、子供にとっては、混乱を招く原因となる。

○ 必要と考えられている人間の年齢別睡眠時間として、米国国立睡眠財団のデータを掲載しているが、これは、アメリカでのデータなので民族差もあり、そのまま日本人にあてはめるのは、厳しいのではないか。

○ 元のデータには、この推奨される睡眠時間とともに、限界の最短睡眠時間と最長睡眠時間も掲載されている。それらも併せて掲載すると、必ずこれだけの時間睡眠をとらなくてはいけないのだという誤解を与えずに済むだろう。

○ 不適切な睡眠パターンの代表的なものとして、中途覚醒が挙げられる。記入されたチェックシートを見ていくときの重要なポイントになるので、睡眠チェックシートの記入の例として、中途覚醒も盛り込んだ方が良い。

○ 寝る前にスマートフォン等のブルーライトを浴びると、体内時計のリズムが後ろにずれて眠れなくなるという記述があるが、ブルーライトを浴びたからといって、すぐに体内時計がずれるわけではないので、ここは、メラトニン分泌が抑制されるので眠れなくなると書いた方が正確である。ただし、メラトニンと書いても子供には難しいだろうから、睡眠ホルモンが抑えられるという表現がいいだろう。

○ 「寝る前は運動を避ける」という記述があるが、体をほぐすようなストレッチは寝る前でも推奨されるので、”激しい”運動は避けるというような表現にした方が良い。

○ 事前の確認では、できるだけ言葉使いをやさしくするという観点で、修正意見を出させてもらったが、中学1年生を想定すると、まだまだ内容も難しく分量も多い。読解力が高い子供でないと理解するのが難しいのではないか。

○ 指導者の養成と併せて、この資料を基に現場で使いやすいものを、今後運用で作っていくことも考えられる。

○ クロス集計のグラフが掲載されているが、こういった2段階で理解しないといけないものは、子供にとってはわかりづらい。

○ 「ない」を消して、「ある」を残すだけで、シンプルでかなり見やすくなるだろう。

○ 他のグラフも同様だが、わかりやすさを追求すると、正確さに問題が出てくるので、バランスが必要。注釈などで正確さを補足するというのもひとつの手だろう。

○ 我々が子供向けの教材を作る際には、子供たちにモニターになってもらい意見を聞くようにしている。時間的にそれが可能ならばそのプロセスを踏んだ方がいい。子供たちのじかの声を聞くことで、子供にとってより身近で、親しみやすいものが出来上がるだろう。

○ 子供だけでなく、教員のモニターも必要ではないか。専門的な内容も含まれているので、全く睡眠のことを知らない教員がこの解説を読んで、どこまで子供に指導できるのかという懸念がある。

○ 「チーム学校」という捉え方が大事とも言われている中で、この資料が中高生だけではなく、子供たちに関わる全ての人たちに見てもらえるとよいと思う。

(5)事務局より資料4-2(中学生・高校生等指導者用資料案)について説明。

(6)討議。
○ 20ページに「学習活動」という記述があるが、「学習内容」と「学習活動」が混在しているので、整理した方がよいのではないか。

○ 巻末に科学的根拠が掲載されているが、広く周知する意味のあるものは、日本語に翻訳してもいいのではないか。

○ すべて日本語に翻訳するというのが理想だが、膨大な労力がかかることである。要旨の部分だけでも翻訳するなど、今後検討する必要があるだろう。

○ 調査の結果については、統計的な意味があるかどうかが重要となってくる。中高生向けの資料はわかりやすさを重視するべきだが、指導者用資料に掲載する場合は、徹底した値の検討と説明が必要であろう。

○ 睡眠チェックシートの評価として、パターンが4つ例示されているが、これだけでチェックシートを現場の教員に評価してもらうというのは無理がある。今回は、子供たちがチェックシートを記入することで、自分の生活を振り返るきっかけを作るというところまでだろう。書いてもらったものに、何もコメントを付けないというのはどうかという意見もあるだろうが、今の段階ではそこまでシステムが追い付いていない。チェックシートを読める人を養成して、認定証を出すような取組も必要。

○ 我々も、睡眠改善インストラクターの養成講座等を行う中で、気を付けているのは、あなたの睡眠習慣はおかしいなどと評価をしないこと。それは、専門の医師に任せるべきで、教員が行うことにはとてもリスクがある。自分の生活を振り返るものであるというところで、とどめておいた方がよい。

○ 子供が自分の生活を振り返るという機会そのものが、余りないので、チェックシートをきっかけに自分の生活を振り返る力をつけさせるというのは賛成である。ただし、チェック表をつけてそれで終わりということにならないよう、つけたチェック表をどう読んでいくかという視点や、それを教員が指導にどう生かしていくかという視点は必要であろう。

○ 評価するのではなく、子供たち自身に規則正しい生活習慣の大切さや自分の生活習慣の問題点に気づかせるようにするということで、それを子供たちにうまく促していく仕掛けが必要だろう。

お問合せ先

生涯学習政策局男女共同参画学習課家庭教育支援室

(生涯学習政策局男女共同参画学習課家庭教育支援室)

-- 登録:平成27年04月 --