中高生を中心とした子供の生活習慣が心身へ与える影響等に関する検討委員会(第3回)議事概要

日時

平成26年12月15日(月曜日)18時15分~20時15分

場所

文部科学省生涯学習政策局会議室

出席者(敬称略)

委員

神川康子、鈴木みゆき、関克則、原田哲夫、前田智子、三池輝久

文部科学省

德田大臣官房審議官、藤江男女共同参画学習課長、枝家庭教育支援室長、塚田家庭教育支援室室長補佐

議事概要

(1)事務局より、資料2-1から2-2(第2回中高生を中心とした子供の睡眠習慣に関する科学的知見の整理分科会の検討状況)について説明。

(2)事務局より資料3-1から3-3(睡眠調査基礎集計結果及び分析方法)について説明。
○ 今回は各設問項目について学年別の単純集計結果のみを配付しているが、生活習慣と自立や自己肯定感、心身の不調との関係性については、今後各設問間のクロス集計を行い、年度末を目途に取りまとめる予定である。主にクロス集計に関して、どの設問項目とどの設問項目のクロスを行うべきかなど、委員の皆様の御意見を頂戴したい。

(3)討議
○ これまでも似たような調査は山ほどあったと思うが、国がこれだけの規模で実施したというのは初めてだと思うので、そのことに意義があると考える。

○ Q16、17、18の3項目を得点化することで、体内時計の位相の指標になるので、これとメディア接触などをクロスすることで、いろいろ面白い結果が見えてくるだろう。また、睡眠習慣と不定愁訴との関係を見たときに、恐らく思春期においては男性よりも女性の方が顕著に相関が現れるのではないか。

○ 学年別の結果を見ると、発達に従って階段状に変化していき、高等学校あたりで少しその階段が急に緩んでくるというのが全体の傾向のようだが、中3だけは必ずしもそうなっていない。人生初めての進路決定に立ち会うときに、睡眠を含めて様々な変化が起こるのだと、実態として感じたところである。
  クロス集計については、今回の調査目的を考えたときに、睡眠を絡めて分析することに意味があるだろう。

○ たしかに、今回は、睡眠等の生活リズムに特化して分析するというのが大事。いろいろなファクトを入れ過ぎると、訳が分からなくなるため、ある程度絞り込むことも必要。

○ これだけの規模のデータが集まったので、うまく分析すれば、強いメッセージが打ち出せるだろう。確かな意図をもった、一般の人にも分かりやすい分析をお願いしたい。

○ 現場の立場から興味があるのは、自己肯定感が低い子供たちが増えている中で、それが睡眠習慣とどう関わっているのかというところである。
  また、単に小学校、中学校、高等学校というような分け方による分析では見えてこない部分もあるのではないかという懸念がある。例えば小学校6年生に対する指導は、小学生よりも中学生と同じような指導がいいのではないかなど、そのあたりが見えてくる分析ができればお願いしたい。

○ 幼児教育の世界では、接続期という言い方をするが、小学校から中学校に、そして中学校から高校へという、接続期のことも意識してクロス集計してもらえるとよいだろう。

(4)事務局より資料4(普及啓発資料を活用した生活習慣に関する指導の方法)について説明。
○ この検討委員会においては、中高生等やその保護者に対する普及啓発資料及び指導者用資料を科学的な知見を踏まえて取りまとめていくことが主な検討課題となっているが、とりまとめた資料を使った指導の方法について、指導の方向性と学校、地域、家庭での具体的な取組についての論点を、資料4のとおり整理したのでこれをもとに、御意見を賜りたい。

(5)討議
○ 長期休業の間に生活習慣が乱れてしまうことが多いので、長期の休みに入るタイミングというのは、指導のポイントとして重視していく必要があるだろう。

○ 長期休業中の乱れも心配であるが、せっかく学校がある日に規則正しい生活習慣を送っていても、土日の寝だめでそのリズムを崩してしまうということもあるので、日頃の指導にも力をいれていかなくてはならない。
  それと、量だけではなく良い睡眠という質を確保するためにどうしたらよいかという視点も必要である。

○ ほとんどの子供たちは自分の睡眠に問題があるという意識は全くなく、それに気付かせるにはチェックシート等を使って自分で書かせることが大事。また、担任や養護教諭も、授業中に寝てしまう子がいないか、遅刻が多い子がいないかなど気を配り、気になる子がいたら生活習慣に問題がないか調べることが必要である。

○ 現場で関わってきた経験から、睡眠指導は、就学時、中だるみがある小学校3・4年生あたり、中学校に上がるとき、高校に上がるときというように、発達段階に応じて複数回実施するのが効果的だと感じている。

○ 健康に関する授業を正式なカリキュラムとして位置付け、養護教諭等が講義をするというのが必要だと思うが、授業数の関係からも難しいだろうか。

(6)事務局より資料5-1から6(普及啓発資料及び指導者用資料骨子(案))について説明。
○ 中高生や保護者に普及啓発していくための具体的なツールとして、中高生及び保護者向けの普及啓発資料と、指導者向けの参考資料を作成することになるが、それらの資料に盛り込む内容として、これまでの会議での議論を踏まえて、資料の骨子(案)を作成したので、御意見を頂きたい。

(7)討議
○ 子供たちはクイズ形式が好きなので、導入としては良いと思うが、解説にも図やイラストを多用して視覚に訴えるところがないと、興味は引けない。高校生にならば理論的な部分も必要だが、中高生向けとなると、中学1年生に合わせたものにする必要がある。

○ 言葉についても、難し過ぎると、そこで中高生の興味が途切れてしまうだろうから、専門用語を分かりやすい言葉に直したり、説明をしたりする作業が必要になる。

○ 示されているチェックシートは、様々な要素が含まれており、良い内容ではあると思うが、実際に現場で使うとなると子供も教師も負担感が大きいのではないか。継続するという観点からはできるだけシンプルなものもよいだろう。

お問合せ先

生涯学習政策局男女共同参画学習課家庭教育支援室

(生涯学習政策局男女共同参画学習課家庭教育支援室)

-- 登録:平成27年02月 --