中高生を中心とした子供の生活習慣が心身へ与える影響等に関する検討委員会(第1回)議事概要

日時   

平成26年8月4日(月曜日)18時00分~20時00分

場所

文部科学省生涯学習政策局会議室

出席者(敬称略)

委員

神川康子、木村治生、柴田重信、鈴木みゆき、関克則、原田哲夫、前田智子

文部科学省

河村生涯学習政策局長、藤江男女共同参画学習課長、坂本家庭教育支援室長、塚田家庭教育支援室室長補佐

議事概要

(1)議事の公開について、資料3のとおり決定。座長に鈴木委員を選任。

(2)河村生涯学習政策局長挨拶。

(3)事務局より、資料1(設置要綱等)、2(スケジュール)、4(中高生を中心とした子供の生活習慣づくりの現状と課題について)、5(主な課題・論点(案))、6(睡眠を中心とした生活習慣と子供の自立等との関係性に関する調査)について説明。

(4)体内時計の仕組みや食事と体内時計の関係について柴田委員より事例発表。

(5)子供の睡眠等の生活習慣づくりについて神川委員より事例発表。

(6)討議。

(委員の主な意見) 

○ 保護者や、現場の教員などの大人が生活習慣に関する知見などをしっかり把握して、生活していかないと、子供にも伝えられないので、まずは大人の意識を変えていかなければいけない。

○ 生活習慣が大切だということは、多くの子供が何となく知っている。しかし、それがなぜかという科学的な理由まで知っている子供は少ない。そのことを知っているのと、知らないのでは大きく違う。
 時間の使い方について自己評価が高い子供は、睡眠、学習、部活が長く、充実した生活を送っている。それに対して、時間の使い方の自己評価が低い子供は、テレビやゲーム、携帯電話などのメディアに費やす時間や1人で過ごす時間が長い。それぞれの時間は、一方が長くなると他方は短くなるという具合に関連していて、それによって生活の質を高めたり低くしたりしている。生活の質という観点で考えることは重要。
 また、自己管理能力を中高生の間に育てていくことは大事だが、自分で身につけるのは難しい。保護者をどう巻き込み、学校や地域などとどう連携を取っていくのかを検討することが、とても大切に感じる。

○ 中高生は自分たちが納得しないと駄目という部分がある。それから、保護者と一緒に生活し、その家庭の中で生活をしている中高生が多いわけだから、子供へのアプローチと保護者へのアプローチという、二本立てが必要。

○ 中高生にもなると、自分を管理することが重要。科学的にレベルは高くなくてもいいから、こういう理由でこうやらなきゃ駄目と伝える必要があるし、知見も集まってきているので、大分できるようになってきていると思う。サイエンスとエデュケーションの壁を打ち破り、科学的知見をわかりやすく伝えるリーフレットや、講演などをすることがまず大事だと思うのが一つ。
 それから、思春期の子供は自分の欲望などに対して、コントロールしきれないこともあると思う。だから保護者と同時に親子で学ぶことも大事だと思うし、一方で、何らかの形で規制することなども必要なのかなという感じはする。

○ 例えば夜10時以降スマホをしないとか、タブレットを使わないといった市区町村などもあるようだが、基本はやはりサイエンスとエデュケーションということを押さえておかないといけない。

○ 個人で支援していくのも難しいので、リーフレットを作るだとか、保護者、あるいは先生たちも含めて教育をきちんとするとか、システマティックにやっていかないといけない。その際に、サイエンスについてはある程度根拠があれば、総論的にそういう考えが大事だといった形でもいいので取り入れていくことは重要。

○ 講演などでは、身に覚えのあることを提示しながら、変えたい自分がいることを刺激して、いつでも手遅れではないので、今日からでもいい方向に変えられるということで話をさせてもらうことが多い。

○ 一つは中高生にとって新鮮で新しい科学との出会いということが必要。そしてもう一つは、身に覚えがある生活の中から来る、今日からやってみようというような取り組みやすいアプローチという、この二本の柱がある。これを踏まえて、実際の普及啓発などを考えていくといいかなと思う。
 また、課題・論点の中の、睡眠チェックシートのように、デイ・バイ・デイ・プロット法で自分の生活を見直していくシートみたいなのが一つはあるといい。

○ 調査項目についてだが、一つは朝食という定義のときに、何を食べているか。主食あるいは主菜、副菜という考え方があって、きちんと取っている人は調子がいい。もう一つは食事のウエート。例えば1日を10としたときに、朝食2、昼食3、夕食5というような人は夕食にウエートが掛かり過ぎている。夕食にウエートが掛かり過ぎるとBMIが高い傾向になりやすい。

○ 体内時計が遅れ気味か進んでいるかを調べるのに、7項目の朝型夜型質問紙を使っていて、その項目を入れれば、体内時計の遅れとの間の関係性がいろいろ見えてきたりするのかなという感じもする。あとは不定愁訴だけでなくて、少し心の健康の面でイライラ度や落ち込みといった項目を入れられるのかなという気はしている。

○ これまでの調査では、食事は回数(頻度)を調べてきた。次は、何を食べているかという内容(質)を問うことも大事だと感じた。それから、家族の関わりという点では、睡眠についての話題でなくてもよいが、家族との会話の回数や内容なども分かるとより説得力があると思う。

○ 中学生に調査をしたときに、家族との会話の質を聞いたが、時間の長さではなく会話の質として子供を励ますような会話が食事のときなどにある子供たちの方が生活の質がよかった。

○ 家庭の状況と子供の生活には強い関連があるので、調査では子供を通してでも保護者のかかわりについて聞けるとよい。さらに、学校を通した調査なので、学校の効果や影響のようなことがわかるとよい。学校や先生がどういう働きかけをすると生活習慣が身に付くのかということもデータで取れると、参考になると思う。

○ 学校だけではなくて、逆にクラブの顧問とか地域の方とか、そういう子供に声を掛けてくれるような関係性があるかないかというのも一つあるかもしれないなと思う。

○ 大体睡眠の質というと、寝付きと入眠潜時と、それから起床潜時と言って、目が覚めてから布団を出るまでどれくらいかというのと、あと中途覚醒。それを3つ聞けば大体質が評価できるという感じだと思う。

○ 最近、休日と平日の過ごし方というか、休日に遅くまで寝る子というのは、本当は体内時計が少なくともずれている。いわゆる夜型化しているからそうなので、無理が来ている。だから平日と休日の違いが大きいほど、いろいろなデータが出ているし、英語ではソーシャル・ジェットラグと言っている人が多く非常に重要だと思う。

○ 何とか学力を向上させていきたいということで沖縄県のある村に介入調査をしているが、典型的に差が出たのが、平日と休日の落差。どこに違いがあるのかと思ったら、小学生と中学生の落差と、平日と休日の落差というのが見えてきたので、改善すべきポイントはそのあたりじゃないかと思っている。

(以上)

お問合せ先

生涯学習政策局男女共同参画学習課家庭教育支援室

(生涯学習政策局男女共同参画学習課家庭教育支援室)

-- 登録:平成26年08月 --