家庭教育支援チームの在り方に関する検討委員会(第3回)議事概要

日時   

平成26年1月29日(水曜日)9時30分~12時00分

場所

文部科学省17F1会議室

出席者(敬称略)

委員

相川良子、菊池まり、西郷泰之、鈴木みゆき、松田恵示、水野達朗、向井説行、山野則子

文部科学省

藤江男女共同参画学習課長、坂本家庭教育支援室長、西村家庭教育支援室室長補佐

議事概要

(1)坂本家庭教育支援室長より、資料5、6について説明。

(2)人材養成の取組について、西郷委員より資料2に基づいて事例発表。

(3)人材認証制度の取組について、松田委員より資料3に基づいて事例発表。

(4)人材養成の取組について、山野委員より資料4に基づいて事例発表。

(5)討議

(委員の主な意見) 

○ 既存のペアレンティング・トレーニングプログラムでエビデンスがあるものを、活用できれば、地域で活動する方たちが活動しやすくなるのではないか。
 2点目は、参考資料3で関心が低くなくても出てこられないという人たちが結構いるので、孤立している家庭には、孤立して出てこられないから訪問するという話の方が、一般的には理解しやすい。
 また関係機関との連携で、市町村の子供家庭相談の窓口機関は明記しておいた方がよい。

○ 参考資料2は、いきなり家庭と学校の間に地域が入って連携できるわけではなく、まず連携していく体制のプロセスが必要。地域によっても差があるので、養成プログラムも必要なのではないか。
  また、学校との連携は全数を把握できていてリスクなどを把握できるので、重要。
 
○ 参考資料3で、第1層の人たちにも訪問型支援のニーズはある。つながりの場の提供もニーズがあれば行っていくので、ニーズによって、青い矢印、黄色い矢印、赤い矢印というのは1個にまとまるときもあるのではないか。

○ 行政のサービスの認知度が低いと感じる。また2つ目は傾聴を求めている保護者もいれば具体的なアドバイスを求めている保護者もいるため、求めているものに応じた支援を行えるような人材養成も必要ではないか。

○ 親と同じ気持ちになって、何が欲しいのか、必要なのか、やりたいのかなどを把握して、第1層で関心が高いから大丈夫ということではなく、保護者が主体的に関わりたいと思うようなアピールの仕方をチームも考えていかなくてはならない。

○ 地域で家庭の問題を一緒に考えようとするときに、個人が問題意識を持つことが非常に希薄になったことを前提として、このチーム型が必要になっていると思う。 
 子供が成長するにつれて、徐々に子供と親に分かれていくため、親向け、子供向け、2つのサポートが入らないと効果は発揮できないだろう。発達段階で成長過程に沿いながら支援を進めるときに、チームのできる範囲の役割と、チームが求めているものとのマッチングをうまくさせていかないと、チームの動きが多様に生まれない。

○ 家庭と地域が離れてしまって、中間性みたいなものがなくなってきている中、チーム支援というのはその中間性を作り出していくこと。

○ 個人ではなかなか行けなくてもチームという枠や肩書があって動きやすかったり、お互いにセルフヘルプ的な相互支援が出来るとか、1人で動いていたら説教的になってしまったりと、チームの効果というのはすごくある。

○ チームも1つの小さな地域みたいなもので、いろいろな立場の人が入っている。学校を窓口にしたり連携するのも大切だが、学校に偏っていない。家庭教育で困ると、学校が実は一番ネックだったりすることもある。

○ 連携先として義務教育は非常に大きい。学校と保護者の関係がよくなって、教育的にはありがたい。ただ関係機関につながれていない進路未定者の子供をつないでいくシステムも要るのではないか。
 人材については、傾聴し倒して、保護者がどのような対応を求めているのか見極める力があるサポーターというのは、非常にうまくいくケースが多い。

○ チームというのは、基本的にはボランティアをイメージしていると思うが、専門性が高い場合、有給の職員・キャリアというような位置付けで育てていく可能性もある。
 一方で、支援チームの人材自身も活動に携わりながら、自身も学びを深められるとか、逆に自身の家庭教育の支援をそのチームから受けられるとか、相互関係みたいなものも考えるなど、チームの人材についての性格付けを少し整理した方がいい。

○ 人材育成の中で、人権尊重とは何かというベースの部分を、子供理解などの部分でボランタリーだからこそ知っておく必要がある。
  また主に学齢期、小・中学校の不登校などを想定して活動する場合に、チームの中に専門性を求めるが、専門性を求めるとチームの活動が引いてしまうという、問題があるのでチームがネットワークをどう作っていく対応していくかというのが、1つの課題。
 もう一つ重要な要素として子供のところに若い近い世代が訪問し、併せて保護者など全体をフォローするというような複合的な構造を作っていかないと効果を発揮しない。

○ 学生で支援をしていた子というのは、子供の世界の情報が分かっているので、親にも比較的話がしやすい。

○ 支援チームの人材は、コーディネーション、ファシリテーションというのか、取り上げた課題の窓口になれることがイメージとして重要。かつ例えば専門分野のことは任せてくれみたいな人であるといい。

○ 参考資料3で白い部分に、関心が高い保護者層が、家庭教育支援を受ける中でうちもそうだったと感化され、次のチームに入れるというイメージが入っているといい。

○ 人材養成について教える内容のモデルの情報交換は盛んにされるべきだが、人材養成を教える側になっていく人を担保するための仕組み作りが必要ではないか。

○ 例えばセルフヘルプ的であったり、教えるんだという視点じゃなく、最後に解決するのは当事者であり、親であるという理念がマッチするような人材を集める。そういう人たちを教える側に置いていくとか、教える側のルールみたいなものをしっかり作ることも大事。

○ 地域の人々がファシリテートできる人間になってもらう必要があるが、やってみてというだけじゃ、無理なのでテーマ設定が重要などある程度の枠を絞って教えていき、実践の場で理解していくことで、地域の講師、指導者になり得るんだと思う。
  
○ 地域でファシリテートしていったり、チームとして活動していくために、必要なエッセンスが入る講座を、国でやるのか、どこでやるのか、集まってある程度やるのかといった構造化をするのも1つ。

○ 気が付かなかった部分を指摘されるという意味で、刺激を外部から受けることもあっていい。そういう意味でのでこぼこの連帯みたいなチームがあったらいい。

○ ニーズをどう把握するかというのは、すごく難しくて例えば、一見大勢集まったものというのは、よしと評価するのか。すぐ答の出るアドバイスが欲しいものには、大勢集まるが、自分で解決していく力を付けることは、後で分かってくるので参加者が集まらない。保護者のニーズと、チームのニーズを、どうマッチングして企画していくのか。

○ 必要課題と要求課題のように、常に周りでそれを見ている行政側などが、自問自答しながら作っていくしかないしそれがチームの役割ではないか。

○ 人材養成ということから考えたときに、一緒に参画して、一緒に動いていって、そして経験の中で蓄えていくのが現実的。まず現場ではないところで学びがあって、次に現場の学びがあって、またそれが現場ではないところに戻ってきてというような、養成という全体のシステム自体の設計図をイメージした方がアイデアが出てくるのではないか。

○ 様々な支援手法を実践してみて、よいと思う手法の中で、様々な関わりを試してみるというのが、大事ではないか。またその効果の検証方法も。
 
○ 民間機関でも様々な手法があって、行政に吸い上げて「事例集」のようなものを作成するのもいいアイデア。

○ 家庭教育の主体者を形成するという支援や、家庭教育が厳しい状況の中で家庭教育そのものに支援していくとか、家庭教育の環境作りなどが目標にあったが、チームを作ったことで達成されていくのかと考えたとき、例えば、家庭教育環境というのは一体何があって、そのうち数字として取り扱えるものは何があるのかなどと考えていく尺度作りはある。

○ 評価としてエビデンスを出すというところを考えたときに、予防的な保護者への支援をしても、支援しなくても不登校になっていないかもしれないというのが証明できない。

○ 地域の中で循環する、OB会、OG会みたいなのが盛んに行われ、それが次のチームにつながっていくという、その把握ができたらいい。あと、地域の行政を巻き込んで、地域の中で自分が企画したものが生かされたみたいな、自己肯定感とか有能感みたいなところを計れるかどうか。

○ 地域の活動をしていると、拠点がないというのが今すごく大きな問題。日常的な場所がないというのは、信頼感も少なくなるし、関心が少なくても気軽に立ち寄れるのが役割の一つだとすれば、拠点をどうやって確保するかというのはとても大事。

○ 学校が空き教室も増えていっているし、住民にとっては距離的に一番行きやすいところ。もっと行きやすい学校になって、拠点ができたらいい。

(以上)

お問合せ先

生涯学習政策局男女共同参画学習課家庭教育支援室

(生涯学習政策局男女共同参画学習課家庭教育支援室)

-- 登録:平成26年02月 --