家庭教育支援チームの在り方に関する検討委員会(第1回)議事概要

日時   

平成25年9月25日(水曜日)10時00分~12時00分

場所

文部科学省生涯学習政策局会議室

出席者(敬称略)

委員

相川良子、川口厚之、菊池まり、西郷泰之、鈴木みゆき、松浦善満、松田恵示、水野達朗、向井説行、山野則子

文部科学省

藤江男女共同参画学習課長、坂本家庭教育支援室長、西村家庭教育支援室室長補佐

議事概要

(1)議事の公開について、資料4のとおり決定された。座長に山野委員が選出され、座長代理に松田委員が指名された。

(2)藤江男女共同参画学習課長挨拶

(3)坂本家庭教育支援室長より、資料1(設置要綱)、3(スケジュール)、5(家庭教育支援チームにおける現状と課題について)、6(主な論点(案))について説明の後、意見交換が行われた。

(委員の主な意見) 

○ 当事者との近さや、専門家ではないメリットがあり、チーム員が一様に専門化していくことは違うのではないか。また学校や児童相談所などと繋がるだけでなく、どう繋がっているかが見えないと機能しない。チームの効果についてもサロン的だったり、発見・予防も含んだ支援をしているため効果が見せにくいことを証明していくことが必要。

○ 伴走型支援を行っているが、そういう役割の人をチームに入れると繋がりがいいのではないか。専門家と非専門家で役割分担ができるチームであれば、参画する人の敷居が低くなる。またチームを中心として、学校、地域、関係機関でこそできることが話し合われるためのフラットな協議会を作っておけば、常に情報交換できる。

○ 孤立傾向にある保護者は、講座を開いても来てくれないので、こちらから行くしかない。繋がりを築いておくことでトラブルの際には、学校に言えない本音を言ってくれて、対応できるケースもある。ただ、当初はいきなり訪問したので苦労した。情報誌を作って町として配る広報に入れてもらい、公のものとして取り扱われたことが信頼関係に繋がり、受け入れもうまく進んできた。

○ チームと教育委員会の関係性については、教育委員会からの事業として委託されているため、地域の活動だが、教育委員会が活動の後ろ盾になっている。公的な支援というものの大きさ・成果を感じている。今後は講座に出たような保護者の方々が活動を支えていく仕組みをどう作っていけるかということが課題。

○ ブレア政権時に民間の活動プログラムなどについて、お墨付きを与えて推奨する取組があった。全て行政がやるのではなく、民間の持っているノウハウも活用する。チームについては、専門家集団との間を取り持つコーディネート機能を持っていないと、連携がうまくいかなくなってしまう。また家庭に入っていくことは、意義がある反面、入り方によって危険性が伴うこともあるので、どう効果と安全性を担保していくのかが課題。

○ チームを作る中で、専門家でない、あるいは当事者の保護者がまた次の作り手になっていくことも大切な要素。また生活習慣に関しては、関係省庁が一所懸命やっていたという感覚はあるが、末端の教育委員会まではつながりにくいというのが地域の課題。

○ 色々な課題を抱えた生徒達にとっては逆に、家庭が孤立化・孤独化していく傾向にもあり、本チームは学校教育にとっても重要な役割を持っている。またチームの性格付けが出来ればいいのではないか。専門家ではないが中間的な人々がチームの資源として位置付けられ、専門家と地域とがつながり成熟化されていく。そういった中間的な人たちをどう育て活用していくのかが課題。

○ 子育てに関わって親自身も成長していくという広い意味での教育観をとれば、家庭教育支援はユニバーサルな面も抱えるべき問題。ターゲット的な活動とユニバーサル的な活動とのバランス、複眼性が、国の施策として重要。また青年期の家庭教育の問題については、退学して行政からも届かない位置の子供たちへの対応をチームの中でどう位置付けるのか、位置付けられるのかということも含めて課題。

○ 一度不登校になると、再度動き出すのが難しい。伴走型支援をシステムズアプローチと併用した上で、アウトリーチの人間が進めていくのが効果的ではないか。またチーム支援のメリットは情報共有だが多様な人が集まるため、手法が分かれてしまうこともあるので、何かあった際に立ち戻るためのクレドを、しっかり作っておく必要がある。

○ 第三者であること、カウンセリング技術、地域の方なので、教員が動けない時間にも動けるというのがチームの特徴。今後の課題としては、男性のサポーターも欲しいことと、勉強する機会が少なく福祉的な支援を行う知識をあまり持っていないこと。

○ 教員の養成課程に社会福祉がない。教育心理等は教えられるが、社会福祉、児童福祉は教えられず教員になるため、担任になって虐待ケースに出くわし、5月に休職に入ってしまう教員もいる。

○ 発達段階で途切れない家庭教育支援と言いながらも、青少年期の問題はきちっと浮上しない。ネット依存やゲームなど生活習慣の問題について、今一番問題を抱えているのではないか。  

○ アウトリーチとはインボランタリーな、意識がない人に出向いていく支援。非専門職で簡単にできることではないが、逆に、非専門職だからできることもあるといった、大きな枠組みで、その意義なども整理したい。

(以上)

お問合せ先

生涯学習政策局男女共同参画学習課家庭教育支援室

(生涯学習政策局男女共同参画学習課家庭教育支援室)

-- 登録:平成25年11月 --