3‐1‐2 地域で行われているもの

3-1-2-1 子どもを対象としたもの

ツール名 ボランティアカード
団体名 鳥取県大栄町教育委員会
ツール活用開始年月 平成15年4月
配付対象者 町内在住の幼児・小中学生(事業参加者・希望者のみ)
配付数 14年度 ー 枚
15年度 139枚

  ボランティアカード  表彰状

1.ツールの概要

  • 完全学校週5日制実施に伴い、本町で実施している「子どもサポートスクール(子ども週末活動支援事業)」の事業の一環として開始した。
  • 本町教育委員会事務局で作成した。パソコンプリンタ用のラベル用紙を用いてパソコンで作成したものを、表紙用の厚紙に貼ったものである。作成費用としてその用紙代の数千円程度がかかった。
  • 「子どもサポートスクール」で行われる様々なボランティア活動や、集落単位の子ども会や各団体などが本町内で行っている子どもを対象にしたボランティア活動に、子どもたちが1回参加するたびに、カードにシールを1枚貼付する。
  • 3回以上ボランティア活動に参加し、カードにシールが3枚以上貼付された子どもを対象に、教育委員会から表彰を行う。
  • 活動に参加するとシールを集めることができるため、子どもたちの収集意欲を駆り立て、ボランティア活動への参加を促進している。

2.ツール活用の目的

  • ボランティア活動をとおして、週末日等を子どもたちが有意義に過ごす。
  • 子どもたちのボランティア活動を推進して、子どもたちの奉仕の精神を養う。
  • 子どもたちのボランティア活動を地域全体で評価し、子どもたちを褒めながら、子どもたちのやる気を伸ばし、自発的にボランティア活動に取り組む人間を育成する。

3.ツールのしくみ

  • 「子どもサポートスクール」で行ったボランティア活動に参加した子どもたちに、ボランティアカードの説明をし、希望者に配付した。
  • 「子どもサポートスクール」で行う町内の各種ボランティア活動や、申し出のあった集落単位の子ども会活動などに、事前にカードとシールを配付する。参加した子どもたちは、ボランティアの指導にあたったボランティアリーダーや子ども会役員などから、活動終了時にシールの貼付をしてもらう。参加者名簿を教育委員会が回収して、参加状況を把握している。
  • 3回以上ボランティア活動に参加し、カードにシールが3枚以上貼付された子どもは、教育委員会から表彰を行う。功績を讃えながら、子どもを褒めて育てることを目指している。

4.導入の経緯

  • 日頃から町内清掃などの活動をしている大栄町生涯学習まちづくり研究会から、子どもたちのボランティア活動への参加促進と、子どもたちを褒めて育てるための良い手段を考えてほしいとの提案があり、教育委員会内で検討し、カードにシールを貼るというスタイルを考案した。

5.ツールを使っての活動内容

  • 「子どもサポートスクール」で行われている町内の各種ボランティア活動や、集落単位の子ども会や各団体などが行うボランティア活動が対象となる。具体的には草取り、花植え、海岸清掃、廃品回収、集落清掃などである。

6.苦労したこと、工夫したこと

  • ボランティア活動を子どもたちにとって身近なもので、継続できるようにするための手法を考え、ラジオ体操のカードを参考に作成した。シールを集めることが子どもたちの関心を呼ぶ一方で、子ども会の活動にカードを利用したボランティア活動を取り入れるなど、保護者の関心も高まった。
  • 大人の理解も必要なため、子ども会役員に説明し協力を求めた。
  • ボランティア活動の様子を地元のケーブルテレビで放送してもらい、多くの人にカードの存在をアピールした。

7.成果

  • カードにシールを貼ることが子どもたちには好評で、何度もボランティア活動に参加する子どもが確実に増えた。また、兄弟そろって参加する子どもや、子ども会単位でカードを積極的に利用して何度もボランティア活動を実施するところも見られ、熱心なボランティアが育ちつつある。

8.今後の課題と展開

  • 町内の小中学生全体数から見れば、カードを利用しているのは約17パーセント程度なので、利用する人数の層の拡大が課題である。カードを利用することが子どもたちの間でスタンダードになり、その効果が倍増することを期待する。

9.参加者の声

  • ボランティアの作業は面白かったが、大変でもあった。
  • カードにシールをもらうのはうれしいし、シールを集めるのも楽しい。
  • これからもボランティア活動をしてみたい。
ツール名 ボランティアポイント制度
団体名 埼玉県川口市川口ボランティアサポートステーション
ツール活用開始年月 平成14年6月
配付対象者 市内の小学生、中学生、高校生
配付数 14年度 593枚
15年度 412枚

  ボランティアポイントカード

1.ツールの概要

  • 市(川口ボランティアサポートステーション)が作成し、本市社会福祉協議会も参加している。
  • ボランティア活動1時間ごとにポイントシールを1枚もらえる。ボランティアポイントカードには20枚のシールが貼れるほか、活動日時、活動内容、確認者のサイン欄がある。
  • ポイントカードは、希望する児童生徒に交付する。
  • 児童生徒は、活動先施設や団体等に活動日時や内容、時間数をポイントカードに記載してもらう。この活動時間数に応じて、ボランティアサポートステーション及び社会福祉協議会からポイントシールがもらえる。
  • ポイントカード終了(20ポイント)ごとに認定書を交付する。
  • ポイントが発行できるボランティア活動の内容は、学校での授業や行事で行われた活動を除く、一般的にボランティア活動と考えられる活動全てを対象とする。

2.ツール活用の目的

  • 活動のきっかけづくりとなることで、活動参加者を拡大させる。
  • (ポイントを貯めることが)活動を続ける励みとなることで、活動を活発化させる。
  • 大人が青少年のこうした活動を認め証明することで、青少年にとって活動への満足感や達成感を高める。
  • 青少年のボランティア育成に関わる学校、地域、行政が、ツールを介して連携を深める。

3.ツールのしくみ

  • ポイント制度の運営は、市民ボランティアや教育関係者などを構成メンバーとする「川口市青少年ボランティア育成委員会」が行う。事務局は川口ボランティアサポートステーション及び社会福祉協議会が担う。

4.導入の経緯

  • 川口市は、「日本一のボランティアの街」を目指しているが、この大きな目標実現のためには、青少年のボランティアへの関心と活動を高めることが不可欠であることから、活動の促進を図るためにポイント制度の導入を決めた。

5.ツールを使っての活動内容

  • 小学生は、ボランティアをされる対象になっても、ボランティアをする側になるのはなかなか難しい。しかし、大人の充分なサポートがあれば、ボランティアマインドは育てることができる。そこで2年前から小学生対象に月2回、ボランティアサロンを開催し、参加する小学生にポイントシールを交付している。
  • 夏休みは、中学生、高校生にとってボランティア活動をする絶好の機会である。そのため、多くのしかも多様なボランティア体験プログラムを用意している。このプログラムに参加した生徒にもポイントカードを配付し、活動受入施設や団体にポイントカードに活動記録を記載してもらっている。この記録が学校に活動を証明するものになっている。

6.苦労したこと、工夫したこと

  • こうしたツールを活かすには、さまざまな関係機関や団体、地域とも密な連携が不可欠である。このため、本市では、ボランティアポイント制度をベースに、社会福祉協議会や学校、ボランティア団体との連携を深める一方、青少年へのボランティアに関する情報の提供から、魅力ある活動体験プログラムの開発、活動評価としての表彰制度、これを一般の人たちにアピールする青少年ボランティア大会の開催まで、総合的に取り組んでいる。

7.成果

  • 小学生の活動が大幅に増えた。
  • ポイントの受け皿となる活動体験プログラムが多種多様になった。
  • ボランティア団体が積極的に青少年のボランティア育成に関わるようになった。
  • ポイント制度を通して、市と市社会福祉協議会との単なる協力連携から組織を越えて協働へと進む道筋ができた。(平成16年度より実施)

8.今後の課題と展開

  • ポイント制度を導入して2年になり、着実に児童生徒や保護者、学校にも浸透しつつあるが、まだこの制度を知らない児童生徒も多い。参加者を大幅に増やすためには、直接学校へポイントカードを配付し、全児童、生徒へ周知をすることも必要と考えている。
  • 学校のボランティア活動の取り組みは、学校間に差があったり、同じ学校でも担当教諭によって変わってしまうケースが多い。ポイント制度を通じて、本市が取り組むボランティア活動活性化の仕組みづくりを学校に示すことにより、学校の役割が明確となることから、学校の理解は急速に進むと期待している。ポイント制度は、そのためのツールでもあると言える。
  • 子どもたちのボランティア活動をポイントでかりたてるのはどうかとの意見はある。動機に純粋さを求めているのだが、児童生徒が自分の意思で活動に取り組むことは、動機に関わらず、人間的成長に必ず繋がるものである。このツールはあくまでも活動へのきっかけづくりである。実際に活動が日常化してくるとポイントにこだわらなくなる例が多い。
  • 児童生徒のボランティア活動は、どんな小さなことでも、自分で考え、地域の中において一歩踏み出すことである。そのためには、学校での学習や教諭からの呼びかけが、活動への動機付けとして大きな役割を持つことになる。そして、彼らが「ボランティアをしよう」と思った時、地域がどれだけたくさんの多様な活動の場や情報を、身近に用意できるかが重要となってくる。さらに、社会が彼らのこうした活動を認め、評価するとともに、広く一般に知らしめる機会を設けることも必要である。地域の中でこのような仕組が機能するために、ポイント制度の様なツールが必要となると考えている。

9.参加者の声

  • 小学生から中学生、高校生までが、「ポイントがあることで楽しみながら活動ができて嬉しい」「次の活動への励みとなる」と言っている。

  小学生対象のボランティアサロン
  小学生対象のボランティアサロン

お問合せ先

生涯学習政策局社会教育課

-- 登録:平成21年以前 --