ここでは、図表 5_6で整理したプロモーション手法に対し、取り組み事例に対して特に工夫の余地があると考えられる重点課題について、他分野のプロモーションに関する先進事例も参考としたプロモーション方策について提案する。
英国にはホームレスの自立を促進する目的で、雑誌を作成・販売を行なう仕組み11があり、我が国でも同様の取り組みが始まっている。
ボランティアの社会的気運醸成においても、類似の仕組みを検討する。様々な助け合いの活動、市民参加を必要とする課題、企業の社会貢献活動やコミュニティビジネスへの取り組み等を特集した雑誌を作成し、全国の郵便局や駅等の公共施設等で販売する。その収益は雑誌作成の運転資金以外は、社会的課題解決に向けて寄付される仕組みを構築する。
雑誌購入者には、ボランティアの気運を高める各種の情報が提供されると同時に、その購入自体が「募金」という「ちょぼら」につながり、これがボランティア活動への入り口となる。
11 社会問題等を特集した雑誌を、自立生活の誓いを立てたホームレスが自ら販売し収益の半分を自らの生活費として蓄積していく、さらに一部は事業の運転資金、ホームレス救済のための基金として蓄積する仕組み。購入者にとっては一種の寄付行為となるだけでなく、記事を通じてホームレスの問題についての情報と考えるきっかけが提供される。
地域の様々なボランティア募集のニーズを収集し求人広告誌として集約する。これをボランティア促進のキャンペーン記事とともに魅力的なタウン誌として作成し、新聞折り込みで無料配付する。民間企業の広告を併せ掲載し、経費の補足とする。複数地域の合同で体験活動ボランティア活動支援センターのコーディネーターとNPOと連携して実施する。
これまでボランティア募集広告は、募集意思のある団体からの意思表明でのみ成立していたが、この方法はボランティア募集の提案営業を行うことで、例えば「学校支援ボランティア」等の新たな場を開発していく効果を持つ。また広告を掲載する継続的なボランティアの場合必ず「体験日」を設定してもらうことで、ミスマッチを防ぐとともに、「体験の場」を促進することができる。
冊子冒頭には、毎号例えば「地域で子どもを育てよう特集!」といった学校ボランティアへの参加を啓発するキャンペーン記事を組む。そこで、学校支援ボランティアの活躍する様子や生の声、と子どもとのふれあいの様子等を魅力的に伝える。
自分には何ができるか、何をやったらよいのか分からない人のためのアドバイス。読者の声の掲載等
※ その他;問い合わせ相談窓口を体験活動ボランティア活動支援センターに一括
余暇生活、家庭生活の意義が喧伝され、NPO活動等が普及した今日、多くの社会人はボランティアの存在や意義等についてはある程度認識していると推測される。この段階でさらに必要なのは、「自分に適した活動は何か」を具体的に知り、具体的な一歩を踏み出すことへの意欲を盛り上げ、「背中を後押しする」支援である。このため、各種イベント・メディア活用等により各種キャンペーン活動と連動して、情報通信網を活用して、個々人のニーズに適したボランティア活動を個別情報として提供・推奨するシステムを構築展開する、個人別のプロモーション方策を考案した。
各種イベント等のプロモーション等を展開し、社会人のボランティア活動の意義についての気づきを拡大するともに、並行して「ボランティア総合情報ポータルサイト(仮称)」を構築する。このサイトは、ボランティア地域ごと、テーマごとに分類された各種のボランティア関連情報への入り口となる総合的サイトとする。イベント開催や各種メディアによる情報発信に付随して、当該サイトへのアクセスを促す。
生涯学習政策局社会教育課
-- 登録:平成21年以前 --