学校の概要
|
体験活動の概要
|
校区には、厳しい自然と一体となって生活を営む逞しい人々の姿が見られ、人と人のつながりは強く、土地を愛する心や隣人を大切にする優しく強い心情がある。また、本校を卒業するとほとんどの生徒たちが親元を離れ、新しい環境の中で逞しく生きていかなければならない「自立」こそが本校の抱える大きな課題である。しっかりとした基礎学力を身につけ、新しい環境で直面する課題を解決する力・適応する能力、多くの人々の中で生きていくための生活力・コミュニケーション能力、個性の伸長といった力が求められる。そこで、自ら考え、進んで行動する生徒の育成を目指し、学習内容や体験をより効果的に身につけるために、この「豊かな体験活動」の研究を進めることとした。
活動の名称 | 主な活動内容 | 教育課程上の位置付け | 実施学年 |
---|---|---|---|
環境学習-海体験と環境学習の先進地に学ぶ- |
|
社会科(1時間) | 全学年 |
|
総合的な学習の時間(1時間) | ||
|
美術(1時間)技術(2時間)総合的な学習の時間(2時間) | 全学年 | |
|
社会科(2時間) | ||
|
総合的な学習の時間(4時間) | ||
|
美術(2時間)国語(1時間)学校行事(2時間) | ||
|
学校行事(4時間)理科(2時間)体育(1時間) | ||
|
総合的な学習の時間(1時間) | 全学年 | |
福祉ボランティア体験活動-福祉の現場に学ぶ- |
|
総合的な学習の時間(2時間) | 全学年 |
|
総合的な学習の時間(14時間) | 全学年 | |
|
総合的な学習1時間 | 全学年 |
本校の総合的な学習の時間を環境問題に焦点をあてた学年のテーマ別学習である「大地タイム」と「福祉ボランティア体験活動」との2本の柱から構成した。また、体験活動と各教科等の学習の関連を十分に図り、各教科等の学習の深化を図るための学習の一つとして取り組みを進めた。
熊本県水俣市より「環境モデル都市づくり」の担当者にお願いして、水俣市全体の環境問題の取り組みのお話を聞くとともに、各学年の環境問題をテーマとした総合的な学習の時間の追求活動等の関連を図り、生徒各自が課題を設定する時間を確保した。また、各教科等においては、各教科等の学習の一環として位置付けるために、「目標の明確化」「学習指導要領の内容に即している内容」「評価規準の設定」等を明らかにし、指導案を作成し単なる体験活動にならないよう配慮するとともに、学習内容についての事前・事後指導を各教科等で行った。
体験活動の一日目に訪問した水俣市環境クリーンセンターでは、水俣市におけるゴミの分別方法や回収したゴミの再処理の仕方などを学んだ後、実際にゴミの分別体験を生徒全員が行うことが出来た。次に地域におけるゴミの分別活動を生徒が早朝より行っている水俣市立第二中学校を訪問し、水俣市立第二中学校と本校の環境問題への取り組みの相互発表を行い、他校の取り組みの素晴らしさ、本校の取り組みの見直しなどを行うことが出来た。
教科等の学習においては、宿泊の夜の活動時間帯に事後の指導・補足等を実施したり、環境問題への取り組みにおいては、総合的な学習の時間で、「水俣市の取り組みから学ぶこと」を中心に意見交換等を行った。
体験活動先としてお世話になる特別養護老人ホームの生活部長さん、知的障害者更生施設の施設長さんに、それぞれ事前講話を「私が施設で大切にしていること」を中心にお願いした。その後、各学年別に模擬体験や疑問点の出し合いなどの活動を行い、生徒各自が追究したい課題を設定し、体験活動に臨んだ。
特別養護老人ホームでは、入所の方との会話、食事の介助、レクリェーションなどを施設の職員の方々とともに行った。
また、知的障害者更生施設においては、1週間後に控えた寮の福祉祭りの準備や、施設内の清掃、養鶏場の世話、デイサービスにやってこられる方々との活動などを職員の皆さんと行った。
両施設において、生徒達は最初とまどっていたが、時を重ねるごとに入所の方々とも進んで会話する姿が見られるようになり、各自が設定した課題に向かって取り組む姿が見受けられるようになった。
2日とも、夜に自己の課題についての反省の時間、教師からのアドバイスの時間を設定し次の日の意欲を持たせるようにした。また、体験活動終了後には、各クラスで体験活動の振り返りを行い、この学習から学んだ二つの施設での体験をクラスで交流することが出来た。
校内に豊かな体験活動推進委員会を設け、二つの体験活動の計画・実施・反省を行った。
熊本県立あしきた青少年の家所長、水俣市教育委員会教育長、水俣市立水俣第二中学校長、阿蘇教育事務所指導主事、PTA会長、同副会長、高森東中学校長、教頭、担当主査
学校支援委員には、見学・体験活動場所の紹介、事前学習の講師の紹介をいただいたり、体験活動のプログラムへの助言をいただいたりした。また、他にも津奈木美術館、佐敷城跡、水俣市の水害跡地、星座観測等においては学芸員の方、専門家の方々から講話をいただいた。
高森町福祉協議会主事、特別養護老人ホーム生活部長、知的障害者更生施設施設長、阿蘇教育事務所指導主事、PTA会長、同副会長、高森東中学校長、教頭、担当主査
学校支援委員には、教師の事前体験研修(8~9月)の受け入れのお願いや体験活動プログラムの検討、事前学習の講話、活動終了後の反省及び次年度の活動への助言等をいただいた。
「環境学習-海体験と環境学習の先進地に学ぶ-」の体験活動においては、体験活動全体における生徒の目標の設定を行わせ自己評価させるとともに、各教科等の学習の取り組みとしても評価を行った。「福祉ボランティア体験活動-福祉の現場に学ぶ-」においては、各学年の総合的な学習の時間のねらいに基づき、各学年の目標を設定し、その観点から生徒の行動の観察、各生徒が立てた目標の自己評価に基づき、教師がアドバイスを行った。
また、活動全体の評価として、生徒にみられた体験活動での成果をもとに、プラン全体の評価を教師がおこなうとともに、「福祉ボランティア体験活動-福祉の現場に学ぶ-」では、学校支援委員からも評価いただいた。
「環境学習-海体験と環境学習の先進地に学ぶ-」においては、自校の環境浄化活動への取り組みの見直しや野外活動等における事前計画、事中の協力しあう姿などが見られた。また、「福祉ボランティア体験活動-福祉の現場に学ぶ-」においては、コミュニケーションの大切さや自己の偏見に気付く姿がみられた。
【福祉ボランティア体験活動を終えて 生徒自己評価】
(4:とてもできた 3:だいたいできた 2:少しできた 1:まったくできなかった)
項目 | 学年 | 4 | 3 | 2 | 1 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 自ら学び・行動することができたか。 | 3 | 2人 | 9人 | 0人 | 0人 |
2 | 4人 | 9人 | 0人 | 0人 | ||
1 | 1人 | 3人 | 0人 | 0人 | ||
2 | 人と接する対応の仕方や相手のことを気遣うやさしさなどを感じ取ったか | 3 | 5人 | 6人 | 1人 | 0人 |
2 | 8人 | 5人 | 0人 | 0人 | ||
1 | 2人 | 1人 | 1人 | 0人 |
初等中等教育局児童生徒課生徒指導室
-- 登録:平成21年以前 --