地域間交流推進校 【小学校・地域間交流に関わる体験活動】 三川町との地域間交流体験活動 神奈川県横浜市立浦島小学校

  1. 学校の概要
    学校規模
    • 学級数:17学級
    • 児童数:474人
    • 教職員数:29人
    • 活動の対象学年:6年生
  2. 体験活動の視点などからみた学校環境
    • 横浜市の中心であるJR横浜駅より一駅の東神奈川駅より約50メートルの距離にあり、ベイブリッジやランドマークタワーなど、みなとみらい地区を望む高台に位置している。
    • 浦島太郎の伝説発祥の地であり、カメリンピック、たまてばこ発表会、タートルズコンサート、竜宮杯ドッジボール大会など浦島伝説につながる名称がつけられている。
    • 人との豊かなつながりの中で、自分の思いを表現することを重点として設定し体験を重視した教育活動やふれあい活動を通して思いやりの心をもち、自分の意志で行動し、良さを見つけ伸ばしながら、広く地域社会との関わりをもつ子に育てていきたいと考えている。
  3. 連絡先

体験活動の概要

  1. 活動のねらい
    • 日常の学校や家庭から離れ、豊かな自然や文化、人にふれる体験を通し、学校における学習活動などの発展・充実を図る。
    • 山形の生活や文化の理解を深めるとともに、自ら課題を設定し、目的意識をもって活動することができる。
  2. 活動内容と教育課程上の位置付け
    (単位時間数・日数)
    [5年生]
    • 田植えと収穫祭にかかわる活動
         (社会科1単位時間、総合的な学習の時間7単位時間)
    [6年生]
    • オリエンテーション
        (総合的な学習の時間2単位時間)
    • 見学グループによる調査活動
        (総合的な学習の時間4単位時間)
    • 現地小学校との交流活動
        (総合的な学習の時間4単位時間)
    • 資料作成活動
        (総合的な学習の時間3単位時間、国語 5単位時間)
    • 校内での交流活動
        (総合的な学習の時間1単位時間)
    • 現地での交流活動2泊3日
        (総合的な学習の時間12単位時間、特別活動6単位時間)
    • 情報伝達活動
        (総合的な学習の時間3単位時間)
    • 収穫祭にかかわる活動
        (総合的な学習の時間6単位時間)

1 活動に関する学校の全体計画

(1)活動のねらい

  • 学校や家庭を離れた体験活動を通して、互いのよさを認め合い、友だちとの心の結びつきを一層深める。
  • 山形の自然・文化・人々とふれあい、そこでの体験を通して農業に携わる人々の努力や工夫を知る。
  • 自主的・自立的な集団生活の態度を養う。

(2)全体の指導計画

  • ア 活動の名称:山形宿泊体験学習
  • イ 施学年:第6学年(71名)
  • ウ 活動内容
4月~5月
  • オリエンテーション(総合的な学習の時間)
5月上旬
  • 見学グループによる調査活動(総合的な学習の時間)
5月中旬
  • 現地小学校との交流活動(総合的な学習の時間)
    • 交流の内容についての話合い
    • 手紙や電子メール交換
5月~6月
  • 資料作成活動(総合的な学習の時間+国語)
    • 体験学習のしおり作成
    • 三川町ガイドブック作成(事前)
6月3日
  • 校内での交流活動(総合的な学習の時間)
    • 三川町実行委員来校
    • 5年生の田植え指導、6年生との最終打ち合わせ
6月8~10日
  • 現地での交流活動2泊3日(総合的な学習の時間+特別活動)
    • 現地小学校との交流活動
    • うどんうちやおにぎりづくり体験
    • 三川町民との交流
    • 田植え体験や農業体験(見学)
6月中旬
  • 情報伝達活動(総合的な学習の時間)
    • 三川町ガイドブック作成(事後)
10月30日
  • 収穫祭にかかる活動(総合的な学習の時間)
    • 餅つき体験
    • わら細工体験
    • もみすり体験

2 活動の実際

(1)事前指導

  • 山形体験学習実行委員会の活動
      三川町での交流活動について、実行委員が中心となって計画を立てた。計画に基づいて体験学習のしおりを作成した。
  • 三川町の実行委員との交流
      事前に三川町の実行委員の方々に来校いただき、体験学習についてのオリエンテーションを行った。
  • 継続した調べ学習として、三川町ガイドブック作りに取りかかった。

(2)活動の展開

  • 山形体験学習(6月8日・9日・10日)
    • 押切小学校との交流
        押切小学校の紹介に始まり、押切小学校の特色ある教育活動である一輪車を取り入れた交流を行った。
        自己紹介を兼ねて名刺交換を行った。
        現在も文通や電子メールを通しての交流が続いている。
        押切小学校との交流の写真
    • うどん打ちの体験
        三川町町長、JA代表による歓迎会
        庄内農業高校の高校生
        JA女性部
        農業協同組合
        町役場の方々との交流
        うどん打ちの体験の写真1  うどん打ちの体験の写真2
    • 三川町の公営の施設(田田(でんでん))での町の人々との交流
    • 田植え体験
        子どもたちのために田植えの日に合わせて、餅米の苗を育ててくれている。
        泥の中に入るまでは抵抗はあった児童もいたが、温かな泥の感触を楽しみ、熱中して田植えを行った。
        田植え体験の写真
    • 選択コースの体験活動
        カントリーエレベーターコースの写真  最新農法コースの写真  動物コースの写真
  • 収穫祭(10月30日)
      わら細工体験の写真  もみすり体験の写真  もちつき体験の写真

(3)事後指導

  事後指導では、地域間交流体験活動の取組内容などについて三川町ガイドブックにまとめ、たまてばこ発表会(学習発表会)を通して、下学年の児童の学習につなげていくようにした。
  また三川町へのお礼の手紙やメール交換、台風の被害に対する寄せ書きなど継続した交流を行っている。保護者に対しても交流の様子を紹介し、活動への理解を深めるようにした。

3 体験活動の実施体制

(1)学校支援委員会の体制

  三川町農業体験学習会、JA庄内たがわ三川町支所青年部が中心となり、三川町役場、三川町教育委員会の方々が加わり、実行委員会が組織されている。年度当初より実行委員と年間を通して4回の会合や交流の場を設定して、計画立案と活動を行っている。また電子メールやFAXなどの情報機器を利用し、詳細についての打ち合わせや確認作業を行っている。
  実行委員が中心となって、農家の方々や庄内農業高校生が、教育ボランティアとして地域間交流活動を支えてくださっている。

(2)地域間交流プログラム開発委員会との連携

  10月28日に地域間交流プログラム開発委員会に出席し、本年度の取組内容を報告し指導・助言を受けた。また、10月30日の収穫祭では、地域間交流プログラム開発委員会の視察を受けた。

(3)配慮事項等

  宿泊施設をはじめ、施設面(衛生面・安全面)、医療機関などすべてにわたり、三川町実行委員の方々が事前に確認し配慮された上で、連絡をいただている。
  収穫祭では食物アレルギー、衛生面や安全面での配慮が必要ながらも、保護者の支援や協力を最小限に留め、児童の自主性を重視していくようにしている。

4 体験活動の評価の工夫を指導の改善

  • 育てていきたい力をより明確なものとし、児童の実態に合わせて改善を重ねている。
  • スモールステップでの自己評価を行い、次の活動がさらに深まるように指導している。

5 体験活動の成果と課題

  山形宿泊体験学習に向けて事前に子どもたちは、「一期一会」を合い言葉に決定して計画を立てていった。押切小学校との交流や三川町での様々な活動、農業見学の分担や役割などを積極的に行われた。
  いろいろな出会いを大切にしたいという子どもたちの思いは、三川町の方々との出会いやふれあいの中で大切にされていった。「山形の人たちって温かくて、自分たちのことを歓迎してくれたんだ。」とか「ぼくたちが来るために前から準備してくれていたんだね。」「三川町の人たちって優しい顔をしているよ。」「農業の話をする時には、とっても嬉しそうな顔をしているんだ。夢があるんだと感じた。」などの子どもたちの感想が多数あった。
  これら三川町の風土やその地に生きる人々の強く温かな思いを感じ取ったことは、これからの自分たちの生活や生き方に反映されていくだろう。
  三川町の小学生との交流は、宿泊体験学習の時の一回に留まっている。手紙などのやりとりや現地に行っての地域の方々との交流はあるが、小学生同士の継続的な交流は深められていない。子どもたちは、自分たちが三川町の小学生を招いて交流を深めたいという願いをもっている。今後は子どもたちの願いをどう実現していくか、交流の幅をどう広げていくことができるかが課題の一つである。解決の手だてとして、学校間交流、地域交流の継続に向けて、電子メール等による情報交換が考えられる。今後も互いに情報を発信、交換しながら交流をつなげていきたい。
  また、田植えの体験後は収穫までの作業を、三川町の方々に任せた状態となっている。働く意義や成就感、達成感を味わわせていくために実際の農作業にかかる手間や苦労なども体験させながら活動の幅を広げていきたい。

お問合せ先

初等中等教育局児童生徒課生徒指導室

(初等中等教育局児童生徒課生徒指導室)

-- 登録:平成21年以前 --