学校の概要
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体験活動の概要 1 活動のねらい ○ 関係機関の協力を得て,福祉活動や勤労生産活動などの体験活動を行い,地域の人々との交流を深め,支え合い,助け合う態度を育成する。 ○ 様々な異なる年齢層の人々との交流体験を積むことにより,好ましい人間関係を構築する力を育成する。 2 活動内容と教育課程上の位置付け ○ 園児交流活動 (総合的な学習の時間8単位時間,特別活動5単位時間) ○ 職場体験活動 (総合的な学習の時間30単位時間,特別活動10単位時間) |
全学年において,年間2回(5~6月,1~2月)の交流を実施している。異年齢の園児との交流は,望ましい人間関係の構築において大きな効果を発揮するものと考える。また,3年間同じ園児をパートナーとする交流(1年時:年少組,2年時:年中組,3年時:年長組)を基本方針とし,園児の成長を目の当たりにすることで,生徒に「命」の尊さを体感させていきたい。交流にあたっての事前・事後の活動は特別活動(5単位時間),交流活動は総合的な学習の時間(8単位時間)として扱い,技術・家庭における保育領域の直接体験学習にも位置づけている。
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それぞれの生徒が交流相手をリードする立場に立つため,控えめな性格の生徒も積極的に園児に関わっている。普段の生活ではなかなか見ることのできない能力を発揮する生徒もおり,生徒同士が互いに新たな発見をするという場面も珍しくない。園児と共に,汗だくになって活動している表情には,充実感が溢れているように見える。同じ施設内であっても,屋外・屋内での様々な活動状況が見られ,交流園児の活動を支える生徒の姿がある。集会活動を設けて活動している幼稚園もあるが,これについては園の主導で行われている。
交流が終わると,生徒は活動の反省を自分自身の記録に残している。また,班ごとに色画用紙等を利用したまとめを作成し,各保育所・幼稚園に届けている。このまとめには,園児と一緒に写った写真や自分自身の活動の感想,園児への伝言などが盛り込まれている。そして,それぞれの保育所・幼稚園の廊下等に掲示していただいているため,園児の保護者にも交流の様子がよく伝わり好評である。各保育所・幼稚園からも生徒向けにメッセージをいただくこともあり,交流は徐々に深まっている。クリスマスカードや年賀状を贈る活動も行っている。
他の人も園児に対してすごく気をつかっていたのが感じられた。積極的に話しかけたりしていてとても良かった。それに、友達が楽しそうにしていて、いつもと違う面を見れた気がして、なんだかとっても嬉しかった♪でも、友達同士で話しているのもちょっと見かけた。
自分より小さい園児とかかわるのは3回目だけど、そのたびに学ぶことがあった。思いやりの心を持って相手にとって楽しい時間になるよう、気をつけることができた。
勤務先又は機関・団体名 | 職名 |
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聖心幼稚園 | 園長 |
上道公民館 | 主事 |
ガソリンスタンド | 店長 |
境港商工会議所 | 課長 |
境港市立第一中学校PTA | 会長 |
境港市立第一中学校 | 校長 |
境港市立第一中学校 | 2年学年主任 |
園児・生徒ともに,けがのないような活動になるよう,各保育所・幼稚園との間で,担当者同士が事前の打ち合わせを行っている。それぞれの所・園の指導方針や要望を把握し,生徒に対する指導を徹底していくことが重要である。また,障害があり,交流が困難と思える園児や生徒については,園側や中学校側の教職員が交流を補佐し,円滑な交流が行われるように配慮している。
交流活動終了後には,毎回活動の振り返りを行い,評価の材料にしている。自らの活動とともに,他の生徒の活動をも振り返ることにより,次回の交流に向けての課題意識は高まっているように思われる。
また,生徒の感想を抜粋して,学年・学級通信などで全体に紹介している。このことは,自分では気づかなかった視点での,反省事項や交流方法を発見することにつながっているようである。友人の長所を改めて発見する生徒も多く,個々の人間関係づくりや学級・学年集団づくりにも効果をもたらしている。目的意識が薄いままに活動に参加している生徒については,活動の意義についての指導を徹底するよう努めた。
この活動を通して,生徒には相手の立場に立って物事を考えようとする姿勢が見られるようになった。このことは,思いやりの気持ちを育むという点で,大きな成果であると考える。また,3年間,同じ園児との交流を継続し,その成長の様子を体感することは,命の尊さ・大切さを実感として学び取るという点でも,大きな成果があるように思う。
反面,課題も浮き彫りになってきた。旧学級での活動となるため,活動の指揮を学級担任が執ることができず,学級単位でのまとまりに欠ける印象は否めない。また,本校および各保育所・幼稚園の双方において数多くの転出入が見られ,人数調整に労を要した。編入園児数が10数名増加したため,1人で2人の園児を担当することになり困惑した生徒もあった。逆に2人の生徒で1人の園児を担当する保育所もあり,交流相手の人数配分が均等にならないということは課題のひとつである。また,3回目の交流となり,生徒の中に慣れが生じてきた部分もある。
来年度については,これらの課題の改善や,生徒の意識を一層高めるための具体的な方策をとっていきたい。例えば,下記の点があげられる。
最後に,園児の家庭環境の変化については,活動準備の段階で一層の配慮を心がけたい。改姓など,プライベートな内容に関わる場面が多々あるからである。このことは,3年間という継続的な交流を導入する際には気づかなかった点であり,生徒への適切な指導が必要であると考える。
初等中等教育局児童生徒課生徒指導室
-- 登録:平成21年以前 --