分野:福祉
明治安田生命相互保険会社「愛の声かけ・配食運動」
全国老人給食協力会、ふきのとう
当社は2004年1月から旧明治生命と旧安田生命が合併した会社で、「愛の声かけ・配食運動」は旧明治生命時代から引き継いでいる活動である。
90年代前半まで、「ボランティア活動は、本来、個人が自発的に活動するもので、会社が主導すべきものではない」という考えの下、社員のボランティア活動支援を行ってきた。
確かにそれは理想ではあるが、実際には、社員の大半は、会社の行動指針を見ながら個人の活動のあり方を判断することが多い。
「社員の自主性に任せる」というだけで会社としての指針を明確に示さないのは逆に社員のボランティア活動を消極的にしてしまっている可能性もある。
そのため、多数の社員が安心してボランティア活動を実施できるよう、経営方針に沿った「戦略的社会貢献」(特に地域の高齢者福祉の支援)であり、かつ「社会における市民」としての社員の自立を促進するためのボランティア支援策として、1995年4月より「愛の声かけ・配食運動」をスタートすることとした。
会社が支援する社員ボランティア活動として、常務会(経営会議)で承認を得た(1995年2月)。
まずは、プログラム策定のためのフィージビリティ調査活動を実施。配食サービスの専門家や経験者等を交えた委員会を設置、研究に取り組み、福岡・広島・京都・函館・札幌における配食サービス・ボランティア活動の現状を調査した。これは、地域における配食サービス・ボランティアを実践するためのネットワークづくりの基礎となった。
各地で配食サービス・ボランティアを実施している団体等との協力関係を構築するとともに、社員やその家族にボランティア参加を呼びかけた。
96年前半までに20名程度のボランティアを確保し、これを足がかりとして96年9月、「愛の声かけ・配食運動」を正式に発足し、全国に通知、登録ボランティア募集を開始した。
転勤族、特に主婦にとっては、ボランティア活動を通して地域の人たちとのつながりができるなどの効果が見られる。
「愛の声かけ・配食運動」のボランティア登録制度をきっかけに、社員の自発的なボランティア活動(独自の団体設立等)を喚起し、地域社会との交流・貢献をそれぞれが出来る範囲で実践し始めた(社員や家族の地域参画のきっかけづくりができた)。
営業所や支社単位など、組織を動かして上意下達的にボランティアを募集しても、組織に問題が生じたときに、ボランティア活動は二の次になってしまう。
ボランティア活動は、組織的に行なうのではなく、地道に粘り強く「自主的な」意思で社員や家族が参画できるような取り組みを行なうことが大切である。
登録しても必ずしも条件がそろわないことから、登録者全員がボランティア活動できているわけではない。
職員のボランティア促進という視点で見れば、果たして「配食運動」だけでよいのか、検討する必要もあろう。
生涯学習政策局社会教育課
-- 登録:平成21年以前 --