26.広島市ユースボランティア・サポートセンター

分野:育児・子育て

  • 広島市教育委員会が広島市に住む学生に、活動内容は小・中学生の体験・交流活動などのボランティアの活動機会を紹介するとともに、ボランティア希望者とのマッチングやボランティア研修などを実施している事例である。
  • 活動内容に関して経験の豊富な元児童館長にコーディネーターを依頼し、受け入れ施設が53にものぼるなど、事業成果が浸透しつつある。

1.主体活動団体

  広島市ユースボランティア・サポートセンター

2.関係者・関係団体

  広島市教育委員会

3.活動のきっかけ・問題意識

  センター設立のきっかけは2002年6月に市内にオープンした上安駅こどもプレースクウェア「おとなりさん」である。広島市教育委員会は、大学生の情熱と優れた企画力、行動力に期待し、市内の各大学で公募した学生ボランティアにこの運営を任せた。期待に応え「おとなりさん」は、地域の子どもたちの居場所として、毎日(火曜日、祝日は休会日)開設され、活動は軌道に乗ることとなった。
  こうした背景と文部科学省のボランティア推進施策を受けて、青年のボランティア活動へのニーズに応えるため、2004年7月に広島市ユースボランティア・サポートセンターを設置した。

4.事前準備として行った主な取り組み(企画段階)

  市内の児童館、公民館、社会教育施設、学校等を対象に「大学生・青年ボランティア受入希望調査」を実施し、ボランティア活動の場の確保と拡大に努めた。

5.活動の概要(活動段階)

  センターに登録したボランティア希望者に対して活動の場を紹介している。活動の場としては市内の公民館、児童館など公的施設とし、活動内容は小・中学生の体験・交流活動としている。センターの事業内容は次のとおりである。

  • (1)ボランティア活動支援センターへの登録
  • (2)受け入れ施設等の情報収集、発信(ホームページ)
  • (3)受け入れ施設等へのボランティアの紹介・マッチング
  • (4)ボランティアに対する研修の実施
  • (5)受け入れ施設等との意見交換
  • (6)情報交換会の実施
  • (7)ボランティア活動実績証明書の発行

6.事業の成果

  登録者223名(うち社会人13名)、登録時に活動場所を決定するため、現在、ほぼ全員がボランティアとして活動している。受け入れを行っている施設は53箇所。活動に取り組む姿勢は、受け入れ施設からも好評である。
  また、登録者を対象に行った合宿研修には47名が参加し、資質の向上と、ボランティア相互の連携の強化を図ることができた。
  センター設置のきっかけとなった「おとなりさん」事業も順調に推移し、現在は、ボランティアの募集も行なうなど、学生による自主的運営も安定し、子どもの居場所として定着している。11月に実施した「おとなりさん祭り」には約500人の子どもが参加し、地域のお祭りとして認知されつつある。

7.活動にあたって留意したこと

  経験豊富な元児童館長にコーディネーターを依頼し運営している。登録時の面接で本人の活動状況や希望について把握し、活動場所へ同行して受け入れ施設とのマッチングを行っている。このことによりきめ細かなフォローが可能となり、ボランティアの活動が継続することに役立っている。
  受け入れ先の児童館、公民館に対しては、活動を通じて学生を育成するという視点を大切にして対応するよう依頼している。

8.活動後の評価・今後の課題・展開など

  現時点で特に障害と感じていることはないが、実施にあたり参考となる先例がほとんどなく、「おとなりさん」事業も「サポートセンター」事業も、手さぐりの状況の中で取り組みを進めたことが、事業化に際しての苦労した点といえば、いえるであろう。
  サポートセンターでは引き続き、ボランティア登録者(=活動者)を増やしていくことが当面の目標である。
  また、教育委員会による活動実績証明書を発行することにしているが、将来的には、単位認定等も含め大学との連携をいっそう密にしていく必要がある。
  活動の場も公的施設のみにとどまらず、地域の青少年団体活動等にも拡大していきたい。

お問合せ先

生涯学習政策局社会教育課

-- 登録:平成21年以前 --