21.東海大学附属山形高等学校 JRC(青少年赤十字)部
分野:まちづくり
- 高校創立とともに創部したJRC部では、地域の老人施設、障害者施設、授産施設などでの支援等、社会福祉活動を行っている。
- 福祉を志す生徒にとってとても貴重な体験になっている。特にその後の進路を決定するうえで重要な経験を得ている。
1.主体活動団体
東海大学附属山形高校 JRC(青少年赤十字)部
2.活動のきっかけ・問題意識
JRC部は学校設立(1965年に現在の東海大学山形高校の前身である一橋商業高等学校として設立)時より活動し、既に40年の歴史がある部活動となっている。
3.活動の概要(活動段階)
現在、部員は15名。活動によっては授業で「福祉」科目を選択している生徒が参加する。
毎週金曜日にミーティングと学習会を行い、土日および夏休み等の長期休暇を利用して活動している。
具体的な活動には以下のようなものがある。
(1)校外での活動
- 老人施設の慰問
- 老人施設、障害者施設等の祭などの手伝い
- 県が行なう授産施設の物品販売の手伝い
- 老人会の敬老の日のイベントの手伝い
- 県「子供館」での子どもの世話(毎月第二土曜日)
- 地元の蔵王駅の清掃、花壇の世話
(2)校内での活動
- 学園祭での献血活動(地元ライオンズクラブとの協力により実施)
4.事業の成果
活動を通じて県知事や厚生大臣からの表彰なども受けたが、それ以上に生徒の成長や進路への影響が成果である。
県「子供館」での活動は、それまで地域の団体からの依頼に応じて行ってきた活動とは違い、生徒が自ら開拓してきたもの、この姿勢が重要である。また、実際に体験をすることで手話や車いすの扱い方、障害への理解が進むなどの成果がある。
& 活動を行ったことで、進学や就職で福祉分野を選ぶ生徒が増えているのも大きな成果である。JRC部の活動が認められて介護関係の企業に採用が決まった例や、東北福祉大学に推薦入学できた例がある。そうでなくとも、大学でもボランティア活動を行なう生徒も多い。
5.活動にあたって留意したこと
- 現在の時勢では「安全」への対応が重要である。生徒の活動については多くの活動先でボランティア保険に加入してくれているが、学校でもカバーできるようにしている。
- また、活動先の「子供館」で子どもに事故などがないように指導している。
- 活動自体が長年続いているので、先輩から後輩への指導が行える体制にあり、その点では留意することは少ないかもしれない。
6.活動後の評価・今後の課題・展開など
活動にあたって障害になったこと
現状は部活の範囲内であるため、日々の活動については、特に障害となることは感じていない。
活動資金については、部費と県社会福祉協議会からの助成(3万円まい年、モデル事業として3ヵ年補助)、子供館の活動経費としてもらっている3千円まい回で充分である。
但し、都会に比べて活動場所が多様でないこと、講習会など生徒が学べる機会が少ないことが悩みではある。
事後評価について・今後の展開・課題
- JRC部の活動は地域の老人施設等の団体や学校自体からも高い評価を受けていると感じている。
- 「総合コース」の授業に「福祉」科目が取り入れられたことにはJRC部の活動が少なからず影響していると自負している。
- 今後の課題としては、この活動を単にJRC部だけにとどめるのではなく、全校的に取り組んでいく必要があることである。学校もそのことは認識しており、JRC部が行なう救急活動の講習会などは全校生徒に参加を呼びかけている。