分野:イベント・交流
大井川町ボランティア活動支援センター
「街道カーニバル」
街道カーニバル実行委員会(おおいがわAkinndo、大井川町役場企画公室、各自治会代表者、大井川町商工会、大井川観光協会を中心とするメンバー)、大井川町教育委員会社会教育課
JA大井川、大井川町交通指導委員会
大井川西幼稚園、大井川西保育所、大井川西小学校、大井川東小学校、大井川南小学校、大井川中学校、大井川高校
田沼街道沿道
平成13年に宿駅制度制定400年を記念した「東海道四〇〇年祭」を行った。祭りでは、大井川町を含む田沼街道沿線の5自治体の協力により「田沼意次侯21世紀のお国入り」の行列を行った。この行列が好評を博したため、役場総務課、産業経済課および町内の商店街の活性化を目指す自主組織「おおいがわAkinndo」が、この行列をモチーフとする「街道カーニバル」の企画を役場に持ちかけたことがきっかけである。
田沼街道沿線の大井川町西地区にはもともと大きな祭りがないことと、西地区の商店街活性化やまちづくりに対する問題意識とが結びつき、企画の実現に至った。平成13年におおいがわAkinndoの協力により、街道カーニバル実行委員会が設立され、カーニバル開催に向けた各方面の調整がスタートした。実行委員はおおいがわAkinndo、各自治会、町の企画皇室が主要メンバーとなって構成された。
なお、おおいがわAkinndoは商店街の各店の後継者が不足しているという問題意識を持っており、子どもに商売を体験させることで商店街の活性化につなげたいという思いがあった。一方、地域や行政はイベントを盛り上げるため大勢の子どもに参加してもらいたいという思いがあった。このような両者の思惑の一致により子どもを中心とした祭りが企画されることになった。
Akinndoには、地域情報に詳しく地域内の折衝に長けたキーパーソン(文化施設の委員長、社会教育委員など)が数名おり、カーニバルの各イベントの調整や周辺住民に対する主旨説明などで中心的な役割を担った。
各小学校の児童については総合的な学習の時間を利用した学年全体によるカーニバルへの参加が実現している。一方、中学校、高等学校の生徒については、希望した個人やグループ単位による参加が実現している。
中学校、高等学校の生徒の募集に関しては、社会教育主事(派遣社会教育専門員)の村松氏が、行政と学校のそれぞれの窓口となり、企画や参加者の調整などで、中心的な役割を担っている。具体的な募集方法は、生徒の目に触れやすいように中学校および高等学校の昇降口の掲示板にボランティア募集のチラシを掲載し、その隣に希望を募る募集箱を設置している(配付資料として生徒に渡してしまうと他の資料に紛れて目に触れない)。参加人数については、経費や安全面で無理がない範囲で、基本的に希望者全員を受け入れている。
学年で参加して門前市に出店する児童は、カーニバル開催2ヶ月前の9月から10月に、おおいがわAkinndoのメンバーが総合的学習の時間に訪問し、仕入れや搬送などについて一通りの指導をしている。カーニバル開催の直前には、実際におおいがわAkinndoのメンバーに同行して仕入れを行い、予行練習をしたうえで当日に臨むという体制をとっている。また、町内の小学校においても、地域の行事を授業に取り込み、6年生全員が参加する体制をとっている。
大井川町の単独事業で、予算は約200万円となっている。実行委員や参加者の人件費はすべて無償のボランティア活動である。
平成16年の街道カーニバルでは主に次のような催しが行われた。
平成16年の街道カーニバルにおける、運営に係ったボランティアは中学生のみで14名だった。高校生は、大学入試の面接や部活動の大会と重複してしまい、参加者がいなかった。
なお、門前市への出店やチームとして踊歌祭に参加した子どもたちの内訳は、高校生80人、中学生80人、小学生190人(学年で参加している小学生を含む)であった。当日は町外からの観光客も多く、カーニバルによる動員数は7,000~8,000人を数えた。
西地区の人たちにとっては、自分たちの祭りという意識が年々強くなっているようである。カーニバルも平成16年で4年目を迎え、西地区に限らず、町民全体が積極的に参加している。平成16年はラジオ中継も行われ、県内外の注目も次第に大きくなっている。
中高生の募集に関しては、社会教育課から中学校、高等学校に対して直接「まるまる名ほしい」と伝えてしまうと、学校側は強制的に人員を集めて参加させてしまう。そこで、中学校、高等学校とつながりを持つ教育委員の村松氏を通して学校に働きかけるという手段をとっている。村松氏が各学校の掲示板を使って募集をかけることにより、本当にやりたい有志のものがボランティアに参加できている。
運営に関しては、街道周辺の住民や学校の協力をもらうため、村松氏、役場の課長、おおいがわAkinndoの代表者の3名が直接赴いてお願いをした。
子ども達の身の安全を考え、小学生は保護者同伴による来場を必須とした。また、帰り道が暗くなると危険なので、平成15年から祭りの開始時間を1時間早くした。また、事業全体に保険をかけ、万が一に備えている。
おおいがわAkinndoのメンバーに地域情報に詳しくリーダーシップを発揮できるキーパーソンがいるため、問題は少ない。例えば、騒音問題やゴミ問題などが発生しても、キーパーソンが実行委員会(町)と自治会との仲介役として働くことで解決することが多い。
警察からの道路使用許可は大変難しいため、警察から町に出向している職員にカーニバルの趣旨をよく理解してもらうことで警察の協力を図ってもらった。
また、カーニバルは土曜日開催のため、教師の勤務外にあたり細部にわたる協力が図りにくく、運営、保安の点で難しい。
実行委員会の定例会議において、カーニバルの反省会を行っている。
活動内容は若干マンネリ化しており、新たな企画展開を必要とする段階である。また、カーニバルの規模を拡大するという意味では、隣の相良町と合同したイベントも考えられるが、ただし、その場合は観光イベントになってしまうと思われる。飽くまで地域密着のカーニバルとしたいため、今後の方向性や企画内容については慎重に対応する。
大井川町ではNPO設立の動きもなければ、町の活動を先導する地域リーダーも不足している。地元密着型のカーニバルを通じて、将来の地域リーダーとなる若手人材が育つことを期待している。
生涯学習政策局社会教育課
-- 登録:平成21年以前 --