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 子どもと私と   第6回インタビュー 

 

写真:川口美知子さん

川口 美知子(かわぐち みちこ)さん
果樹園経営


プロフィール
山形県上の山市在住
家族で川口桜桃園を経営
小学校6年生、4年生の男の子、4歳の女の子の3人のお子さんのお母さんでもある。
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「大家族の中での育ち合い ― 親になってわかった親の気持ち」

Q   4歳のお嬢さんは幼稚園か保育所に行っておられるのですか?

   まだ、どこへも行っていないんですよ。来年から、上の2人の子どもたちが行った「児童センター」へ行かせる予定です。「児童センター」は、市が運営しているもので、4,5歳の2年保育です。朝行って、3時頃帰って来るのですが、親の送り迎えなしに、子どもたちだけで集団通園しています。車もよく通る道だし、横断する所など最初は心配でしたが、年長さんになってくると自然ととてもしっかりしてきます。
    ですから、今、娘は果樹園に連れて行きます。あまりに風が強くて寒いときは車の中に残していますが、雨が降っても合羽と長靴で傘さして、自然の中で自分なりに遊びを見つけて、親のそばでくるくる遊んでいます。


Q   ご家族で果樹園を経営されながらの子育て、たいへんですね。果樹園の仕事はどのようなものなのでしょうか?お子さんたちはお手伝いをされますか?

   これまで、子どもは、産んで育てて、産んで育ててという感じでした。果樹園では、ラ・フランス、りんご、あけび、さくらんぼをやっています。夏の終わりからは父と母は菊づくりの方にかかりきりになり、秋になると干し柿の仕事も加わります。ラ・フランスは収穫したのち冷蔵庫に保存してから出荷するので休みもとれるのですが、さくらんぼは、すぐに出荷しなければならないのでその時期はとても忙しいです。収穫だけでなく、途中の手入れの仕事もあります。
   上の子どもたちはお手伝いもよくしますよ。大きさを選別する機械に果物を載せる作業や箱折り、コンテナ運びなどをよくやってくれます。アルバイトみたいなものです。中学生になると収穫の手伝いもできるようになると思います。家事も嫌がらずにやりますよ。やってもらわないとこちらの体がもたないという面もありますけど。
   それから、上の子が下の子の面倒をよくみてくれます。歯みがきのしかたを教えたり、お風呂に入れたり、ご飯を食べさせたりと、親が忙しくてできないときなど、ずいぶん役に立ちます。



Q   おじいさんやおばあさんもご一緒の生活ですか?

   夫の両親、そのまた上の世代の両親も一緒で9人家族です。子どもたちにとってのひいおじいさん、ひいおばあさんは、90歳代ですが、菊の花びらの仕分けなどの仕事もしており、元気で、80代のようです。ひいおじいさんは家にいることが多いのですが、家に誰かいてくれると、子どもを置いていっても心配ないのでありがたいです。
   私自身も大家族の中で育ちました。一番多いときは、15人いました。4人兄弟で、姉や叔父・叔母に育てられたようなものでした。両親も兄弟が多くて、皆近所に住んでいました。小さい頃からいろいろな人と触れ合いながら、と言うか、触れ合わざるを得ない中で暮らしていたんですね。
   私の実家も農家で、野菜のハウス栽培をしていました。トマトやきゅうり、いちごなどを作っており、私も小さい頃から手伝っていました。母は仕事が忙しくて私の世話をみる暇はあまりなかったようで、9歳上の姉からいろいろなことを教わりました。でも、今思うと見えないところで母が何かとやってくれていたのですね。食事の準備や夜の間に衣服を整えておいてくれたりなど。忙しくても、夜の食事とお風呂と寝るときは、いつも母と一緒でした。そして、ふと気づくと、私も母となって、私の母がやってくれたと同じようにやっています。


Q   川口家の親子関係はどのような感じですか?

   子どもは、1人だけだったときの方がたいへんだったと思います。3人になって、やることはたくさんあるけれど、気分が楽になったというのでしょうか、今の方が子育てを楽しんでいます。私は手をかけ過ぎるタイプなので、子どもも、あまり親からかまわれたくなくて、人数が多い方がいいみたいですね。こっちが怒られていると、あっちは笑っていたりして。それから、下の子についての悩みを上の子に相談するとか、夫も入れると4人も相談相手がいるというのもよい点です。
   兄が神奈川に住んでいるのですが、兄のところは一人っ子です。中1の男の子ですが、けっこう山形が好きで、実家に帰ってきて、トマトの植え付けや収穫をしたりしています。うちの子どもたちと遊ぶのが楽しいようです。一人っ子だと親の関心がいつも集中していますが、山形に来ていとこと一緒にいれば大人の関心も分散しますから。その子は、山形に来るととても元気になるように見えます。あと、兄を見ていて、子どもに甘いなと思うこともあります。たとえば、兄の子は食べ物の好き嫌いがあるのですが、あまり無理強いして食べさせようとしないのですね。うちは、上の子が「これ、おいしいよ。」とか、「食べないと損するよ。」などと言って、下の子が好き嫌いしないように食べて見せます。


写真:川口美知子さんQ   子育てについての秘訣のようなものはありますか?

   親がずっと家にいると子どもをかまいすぎてしまいますよね。親と子が密接になりすぎるのは良くないと思います。子どもは親にかっこ悪いところを見せたくないですから。私の場合は、農作業時期、子どもと接する時間が少なくなるので、子どもの顔を見れば話しかけて、コミュニケーションをとっています。
   それから、「忍耐」ということも大切だと思います。結婚したら、毎日同じことの繰り返しですよね。それを我慢してふみとどまることが必要です。小さい時のお手伝いで、どんなに寒くても拭き掃除や炊事洗濯をしたことが、我慢できる源になっていると思います。休みのときは必ず家事や畑仕事を手伝って、冬にはしもやけがひどかったのを覚えています。また、いとこたちの子守もして、子育ても自然に覚えました。それでも、母親ががんばって生きている姿を見てきて、現在、自分も育児をがんばることができるのだと思います。