幼稚園教育要領

 

 
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  第2章ねらい及び内容
 

人間関係

   他の人々と親しみ,支え合って生活するために,自立心を育て,人とかかわる力を養う。

ねらい
  (1)    幼稚園生活を楽しみ,自分の力で行動することの充実感を味わう。
  (2)    進んで身近な人とかかわり,愛情や信頼感をもつ。
  (3)    社会生活における望ましい習慣や態度を身に付ける。
内容
  (1)    先生や友達と共に過ごすことの喜びを味わう。
  (2)    自分で考え,自分で行動する。
  (3)    自分でできることは自分でする。
  (4)    友達と積極的にかかわりながら喜びや悲しみを共感し合う。
  (5)    自分の思ったことを相手に伝え,相手の思っていることに気付く。
  (6)    友達のよさに気付き,一緒に活動する楽しさを味わう。
  (7)    友達と一緒に物事をやり遂げようとする気持ちをもつ。
  (8)    よいことや悪いことがあることに気付き,考えながら行動する。
  (9)    友達とのかかわりを深め,思いやりをもつ。
  (10)    友達と楽しく生活する中できまりの大切さに気付き,守ろうとする。
  (11)    共同の遊具や用具を大切にし,みんなで使う。
  (12)    高齢者をはじめ地域の人々など自分の生活に関係の深いいろいろな人に親しみをもつ。
内容の取扱い
     上記の取扱いに当たっては,次の事項に留意する必要がある。
  (1)    教師との信頼関係に支えられて自分自身の生活を確立していくことが人とかかわる基盤となることを考慮し,幼児が自ら周囲に働き掛けることにより多様な感情を体験し,試行錯誤しながら自分の力で行うことの充実感を味わうことができるよう,幼児の行動を見守りながら適切な援助を行うようにすること。
  (2)    幼児の主体的な活動は,他の幼児とのかかわりの中で深まり,豊かになるものであり,幼児はその中で互いに必要な存在であることを認識するようになることを踏まえ,一人一人を生かした集団を形成しながら人とかかわる力を育てていくようにすること。
  (3)    道徳性の芽生えを培うに当たっては,基本的な生活習慣の形成を図るとともに,幼児が他の幼児とのかかわりの中で他人の存在に気付き,相手を尊重する気持ちをもって行動できるようにし,また,自然や身近な動植物に親しむことなどを通して豊かな心情が育つようにすること。特に,人に対する信頼感や思いやりの気持ちは,葛藤やつまずきをも体験し,それらを乗り越えることにより次第に芽生えてくることに配慮すること。
  (4)    幼児の生活と関係の深い人々と触れ合い,自分の感情や意志を表現しながら共に楽しみ,共感し合う体験を通して,高齢者をはじめ地域の人々などに親しみをもち,人とかかわることの楽しさや人の役に立つ喜びを味わうことができるようにすること。また,生活を通して親の愛情に気付き,親を大切にしようとする気持ちが育つようにすること。
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