指定地域名 |
研究協力園 |
概 要 |
北海道更別村 |
村立更別幼稚園
村立上更別幼稚園 |
当村は幼児教育への関心が高い地域であり,保護者の子育て支援への要望に受け,次のような調査研究を行った。
研究内容として,(1)勤務体制を含めた望ましい預かり保育の工夫,(2)カウンセリング研修や小学校への派遣研修等による教職員研修の充実,(3)保護者を対象とした子育て相談の実施,(4)地域住民とのふれあい保育の実施,(5)子育てについての情報を共有化する「子育て情報だより」の発行等に取り組んだ。
とりわけ,カウンセラーを招いての幼児理解・指導方法のカウンセリング講座,定期的な子育て相談会,地域・保護者への啓発資料発行を通し,子育て支援に関する住民意識が高まってきた。
また,地域住民とのふれあい保育として,保育所・中学生や高校生との異年齢との交流が好評であった。
今後は,預かり保育と通常の保育との関連を図った取組の工夫や地域全体で子育てを支援していくための関係機関等との連携を一層強化する必要がある。
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茨城県下妻市 |
市立大宝幼稚園
市立騰波ノ江幼稚園
市立上妻幼稚園
市立豊加美幼稚園
市立高道祖幼稚園 |
本市では,少子化・女性の社会進出の増加に伴う子育てに対する不安や悩み,子育て支援に対する多様なニーズに対応するため,平成12年度4月から市立幼稚園5園において,平日及び長期休業中の預かり保育を実施している。
平成13年度から2年間,望ましい預かり保育の在り方を研究テーマに,(1)通常の教育時間の保育との関連を考慮した望ましい預かり保育の在り方,(2)地域の実態に合った預かり保育の実践,(3)家庭教育との連携の在り方,(4)教職員の資質の向上の4点を研究の柱として研究実践を行ってきた。
預かり保育のための臨時職員を採用し,幼稚園教職員との連携を図りながら,安全でしかものびのびと幼児が生活できる環境構成や保育内容の工夫,地域の教育力を生かした体験の場の拡大等を通して,豊かな人間性の基礎を培う取り組みを行ってきた。また,子育ての不安や悩みを抱く保護者のための子育て支援を,各園の特性を生かしながら実践してきた。
成果として,保護者の子育てに対する意識の変容や保護者との信頼関係を高めることができた。
また,幼児の人間関係の拡大や地域への関心など豊かな人間性の芽生えをとらえることができた。 |
栃木県足利市 |
足利こばと幼稚園
東光寺幼稚園
旭幼稚園 |
研究の初年度には,各幼稚園で行われている育児支援について,基礎的な調査を行い,幼稚園における育児支援事業として,(1)預かり保育,(2)園庭開放,(3)育児支援サークルの開催,(4)育児相談事業をあげ,2年間でそれらの問題点や課題などを検討した。特に(1)について,多様化する保護者のニーズに応えられる制度の確立を目指す一方,いかにその教育内容を中身の濃い,充実したものにできるか,(4)について,インターネット等を用いた今後の育児相談のあり方について重点を置き,研究を行った。
また14年度には,(1)カウンセラーを講師とした,研究園の教職員及びその他の園の希望者を対象とした研究会の開催,(2)子育て支援セミナーへの参加,(3)乳幼児を持つ家庭への子育てガイドブックの配布,(4)育児支援サークル体験会の実施,などの事業を行った。(1)では心理学の立場からの講義や,保護者を想定した実技研修などを通じ,カウンセラーとしての資質の向上を図り,(4)では今後2年内で入園を予定している親子の参加を促し,幼稚園の育児支援機能の体験・理解に成果を上げた。
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東京都文京区 |
区立青柳幼稚園
区立小日向台町幼稚園
区立後楽幼稚園 |
本研究では,幼稚園における子育て支援は,一人一人の園児が生活を豊かに充実させ,子どもが保護者・地域の人々と出会い,触れ合い,語り合い,育ち合いの場となっていくようにすることを基本とした。そして子どもを取り巻く様々な状況を踏まえ「子どもも親も輝いて育ち合う地域を」を目指して取り組んできた。
次のような研究の視点から各園の保護者,地域の実態に即した活動を実践した。 ○幼稚園の教育活動との関連に配慮した望ましい子育て支援 ○日常の教育課程との関連に配慮した望ましい「預かり保育」○地域の未就園児への子育て支援○子育て相談・子育て支援講演会 ○家庭,地域社会や関連諸機関との連携
本研究を通して,幼稚園における子育て支援は,子どもを中心に据え,そのよりよい成長を促していくことにより,保護者が子育ての喜びを実感できるようにしていくことが重要であることが分かった。また幼児と保護者が共に成長していくものであることも分かった。今後も地域の人々と連携し合い,共に子育てをしていく気運を高めていく。
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富山県福岡町 |
町立福岡幼稚園
町立山王幼稚園
町立大滝幼稚園
町立赤丸幼稚園 |
少子化や都市化,男女共同参画社会の進展や核家族化によって保護者が子育てに関して求める事柄が増え,幼稚園が地域の幼児教育の専門機関として支援活動をすることが必要とされてきている。
本町では保護者の要請や幼稚園の実態に応じて,各幼稚園及び指定地域としての子育て支援について次のような観点から調査研究を行った。
・「預かり保育」の望ましい在り方。 ・子育て相談や子育てカウンセリングなどの実施体制の在り方。
・幼稚園の教育活動との関連に配慮した,地域の人々やボランティア団体との交流活動の在り方。
・カウンセリング研修等を通した教師の資質向上。 ・協力体制を含めた教職員の勤務体制の在り方。
実施するにあたり地域の人々や各種団体と連携し,支援を得て「預かり保育」「園舎,園庭開放」「子育て講座」「ボランティアとの交流」「未就園児親子招待」「異世代交流」「子育て相談会」「カウンセリング研修」を実施した。2年目は1年目の活動に対する反応や要望から,活動内容,回数を検討し,特に夏季の預かり保育,園舎・園庭開放日の増加,子育て講座の充実を図った。
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岐阜県羽島市 |
市立西部幼稚園
羽島幼稚園
はしま西幼稚園 |
羽島市の幼児教育では,3歳児受入の実施,隣接保育所や小学校との交流等による一貫性のある幼児教育を目指している。そして,各園が子育て支援の地域拠点として機能するようにすることを願っている。
そこで,本事業のテーマを,「子ども相互のかかわりや親相互のかかわりを深める支援活動を通して,親と子が共に育つ子育て支援のネットワーク化」とした。平成13年度からの本事業の推進により,園相互,幼・保の連携協力が進み,また幼児教育に関する地域の関心が高まってきた。
その事業内容は,預かり保育,園庭園舎の開放,子育て相談,子育てシンポジウム,教職員研修,情報誌発行などである。また,厚生労働省の「地域子育て支援センター事業」と連携した本事業の推進や自主的・自立的な母親サークル等の民間団体の育成と基盤整備も同時に進め,親相互の自然なかかわりを深めることになるよう推進してきた。
本事業の推進によって,協力園はもとより保育所との情報の共有並びに協力など連携が進んでいる。園庭・園舎の開放をはじめとした各種事業は,子どもや保護者のかかわりを深める機会になっている。子どもにとっては,集団生活への適応機会に,また,保護者にとっては,子育ての不安を除去する子育てサロンとしての機会になっている。教職員にとっては,子ども理解や指導技術の向上などの研修機会が増え,教職員は喜びや充実感を覚え,意欲をもって子どもの指導に当たっている。
2年間の事業の実践が効果的に浸透し,保護者等からは今後の継続を望む声が多い。羽島市では今後に向けて,各種団体・幼稚園・保育所・行政による「地域子育て支援ネットワーク」を立ち上げて活動を開始した。各園も今後に向けて事業の継続を計画している。
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静岡県雄踏町 |
町立雄踏幼稚園 |
雄踏町には幼稚園は1園のみであるが,その町立雄踏幼稚園での調査研究を中心に進めた。
近年,保育所への入所希望が多く待機状態であるため,保護者から幼稚園における預かり保育の実施を求める声が強かった。
これを受け,預かり保育の実施と近年の核家族化に伴う保護者の子育て不安や孤立感の解消,そしてより良い幼稚園教育のあり方を模索するために,町としての行財政上の支援を行いながら総合的に調査研究を実施した。
テーマ,「親と子が共に育ち合うための子育て支援−幼稚園としての役割−」とし,保護者への支援だけでなく,幼稚園に課せられた幼児教育という役割を踏まえて,子どものより良き成長のために,幼稚園として何が果たせるのかを探っていった。
調査研究は,預かり保育,親の心のケア,地域の人とのふれあいに人の輪を広げ和を深めて,保育の充実に向けて分類し,それぞれについて個別の取り組みを行い,総合的に評価を行った。
2年間の調査研究により,教職員には,幼稚園における幼児教育のあり方の共通認識が得られ,また自己研鑽ができた。同時に,幼稚園と保護者や地域住民との一体感が生まれ,幼稚園としての役割を周知することができた。
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大阪府大阪市 |
市立西野田幼稚園
市立三先幼稚園
市立北中道幼稚園
市立日東幼稚園
市立加美北幼稚園 |
大阪市立幼稚園の5園が2年間の研究に取り組んだ。
取組活動内容としては,預かり保育,園庭開放,未就園児親子登園,子育て相談や講座,地域との交流などである。
各園ともに,指導員の確保,講師など専門家の人材確保,施設設備の整備,時間配分,保護者や地域などへの情報の発信等,工夫を重ねた。
子どもにとっては,存分に遊べる場や仲間ができたことにより,健康的な生活を送りながら,様々な人たちと温かい関係を築くことができた。
保護者にとっては,多くの人たちとの交流や時間的な余裕ができたことにより,安心感とゆとりができた。
幼稚園としての子育て支援は,親が時間的な余裕をもつことだけではなく,子育ての質が高まることが大切であると共通理解をすることができた。通常の教育時間と子育て支援のための時間の内容の整合性を重視しながら進めてきた。
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兵庫県山南町 |
町立上久下幼稚園
町立久下幼稚園
町立小川幼稚園
町立和田幼稚園 |
本町では従来,4歳までは保育園,5歳児は幼稚園に通うことが一般的であった。しかし,地域社会の変化などから,幼稚園での預かり保育への期待と要望が高まり,平成13年度から降園後の保育の場として預かり保育に取り組んだ。
実施に伴い,子育て放棄につながらないような預かり保育のあり方,「子育ては地域全体でするもの」という意識を広げられる幼稚園のあり方について研究を進めた。
町内の4園のうち1園を「総合推進園」,他の3園を「預かり保育」推進園とし,関連機関と連携した子育て支援の取組が町内全域で展開されることをめざした。同時に,保護者の子育てのニーズを把握するためにアンケートも実施した。
平成16年度の氷上郡合併が決定したところであり,本研究の結果を合併後の子育て支援策に反映させる意向である。
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広島県広島市 |
市立基町幼稚園
市立矢賀幼稚園
市立上緑井幼稚園
市立真亀幼稚園
市立船越幼稚園 |
【研究目的】 広島市の子どもたちが,幼稚園を拠点として地域の中で様々な生活体験や社会体験を豊富に積み重ねさらに,保護者が子育ての喜びや子どもの健やかな成長を実感できる子育て支援について,調査研究園の教育活動との関連に考慮した子育て支援の在り方を探るために,調査研究を行った。
【研究方法】 ○保護者への子育てに関する実態調査(n=2,170) ○「幼稚園における子育て支援事業推進協議会」を設置し,主催事業の開催並びに協議会での審議
○子育てシンポジウムや講演会の開催 ○研究協力園5園による実践
【広島市の幼稚園における子育て支援の方向性】 ○父親・母親の幼稚園参加の奨励
○乳幼児の発達相談,教育相談の推進 ○幼稚園教員研修の充実
○幼稚園からの積極的な情報発信 ○幼稚園施設の積極的な開放
○次世代への投資としての積極的な保育体験活動の充実 |
佐賀県多久市 |
佐賀女子短大附属ひしのみ幼稚園
多久カトリック幼稚園 |
少子化・核家族化・女性の社会進出が進み,当市でも共働きの世帯が増えてきた。
そのため,保育所に入所する子どもが増加し,幼稚園の就園児が減ってきた。市内の幼稚園でも親のニーズに応えるため,満3歳児の入園や,降園後・長期休業日の預かり保育が行われており,今年度から第1・第3土曜日の預かり保育を実施した。
そんな中,幼稚園における未就園児の親子の子育て支援が必要だと感じ,地域の人に呼びかけるとともに,市内の2つの私立幼稚園を研究協力園として,親子登園(おしゃべり会)や講演会,料理講習会等を実施した。その結果,子ども達の友達作りの場や遊び場,親には,幼稚園の先生や同じ悩みを持つ保護者同士の交流の場を提供することができた。また,両幼稚園の連携・協力も活発になってきた。今後も,「子育て・親育ち」の支援が必要だと思う。
さらに未就園児の保護者に「幼稚園における子育て支援」のアンケートを行った結果, (1)休日保育や病児保育の実施
(2)子育て支援に関する情報の提供 (3)相談機関・専門の相談員の配置
(4)近くで子どもが安心して遊べる公園 等を望んでいることがわかった。
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鹿児島県霧島町 |
町立大田幼稚園 |
人口5,800人の霧島町唯一の幼稚園である大田幼稚園を研究協力園とし,2年間の調査研究を実施した。
具体的には下記の取組を行った。 (1)教育課程に係る教育時間の終了後に行なう教育活動(預かり保育)
(2)園舎・園庭開放(未就園児・親子登園) (3)カウンセリング研修(カウンセラーを指導者に招き,事例を通しての研修)
(4)子育て相談(幼児教育の専門家による子育て相談) (5)子育て講演会(子育てについての現在の状況及び課題等を演題とした講演会)
(6)子育て座談会(臨床心理士を招き,子育てについての話合い) (7)子育てだよりの作成・配布(町内の全家庭に配布)
(8)異年齢・異世代との交流(未就園児・小学生・中学生・国際交流員・高齢者の方々との交流)
以上の取組等を通して,地域ぐるみの子育てを醸成しつつある。また,研究協力園の幼稚園教育自体の充実も図ることができた。
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