指定地域名 |
研究協力園 |
概 要 |
宮城県鹿島台町 |
町立鹿島台第一幼稚園
町立鹿島台第二幼稚園
町立鹿島台第三幼稚園 |
本調査研究は,「自然の恵みに感動する幼児をめざして −地域や家庭の連携による栽培活動等を通してー」をテーマにして,町内3幼稚園で取り組んだ共同研究である。
自然と触れ合う喜びや地域の人々と交流する楽しみは,子供にとっては感動体験として道徳性の芽生えを培う大きな力になっている。ここでは,より身近な自然とのかかわりとして作物の栽培や動物の飼育・観察を取り上げ,子供の心を育む体験活動のあり方を事例を挙げて考察をしてみた。また,子供たちの取り組みを支えてくれた地域の人々との交流や家庭との連携についても取り上げてみた。栽培体験は,町の施設である学童農園を中心に行ったが,それぞれの幼稚園の畑も活動の場となっていた。さらに自然体験を発展させた各幼稚園の特色を生かした取り組みについても取り上げてみた。
子供たちは,喜んで体験活動に取り組み,関心を広げながら楽しく自然にかかわる姿が多く見られた。これらの活動を支えてくれた地域の人々との交流が深まるとともに家庭においても子供と共通体験をすることにより本調査研究に対する理解が深まり研究推進に協力を得ることができた。 |
福島県棚倉町 |
町立棚倉幼稚園
町立高野幼稚園
町立社川幼稚園
町立近津幼稚園 |
研究に当たっては,今まで実践してきた研究を基盤として,道徳性を培うために「園児をとりまく環境」「園児の生活の姿」「保護者の役割」「教師の役割」を見つめ直し調査・分析をし園内だけでなく,地域のぐるみで取り組んでいくという観点にたって進めた。1年次は研究を推進していくために各園の保護者代表,地域代表,学識経験者,教育行政,各園長・教頭による研究推進協議会を組織し研究の趣旨,研究の方向性などの研究方針を協議し,それをうけて,教職員からなる研究推進委員会を設置し調査・研究にあたった。また2年次は,1年次の実践研究をもとに,日々の保育の充実,園・家庭・地域住民との連携をより深めることを重視し,それぞれの園が情報の発信センターとしての役割を自覚し「園だより」の充実「園開放」「リーフレット」の作成・配布さらに家庭や地域の人々との交流の場を年間計画の中に位置づけるなど地域と一体となって実践した。
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茨城県笠間市 |
市立笠間幼稚園
市立稲田幼稚園 |
「人とのかかわりを通した道徳性の芽生えを培う活動の在り方」をテーマに,教師の援助や環境構成の在り方の方法を明らかにすることを目的に,次の研究実践を進めた。特に,多くの人々との触れ合い,かかわりを深めることによって,豊かな心や道徳性を培うことができるであろうと考え,
1 基本的生活習慣の育成 2 よいこと悪いことを判断する力の育成
3 生命を尊重する心の育成 4 思いやりの心の育成
という4つの観点をもとに,園生活での教師や幼児同士のかかわり合い・保護者・地域の人々とのかかわりの中で,幼児自身が自ら気付き,判断できるような援助の在り方を追究した。また,幼児を取り巻く環境として,保護者や地域の人達が積極的にかかわる手だてをとり,体験を深め心情や道徳性が高まるようにした。幼児は,様々なトラブルや葛藤体験を通して,自己と他者・善悪の判断等への気付きが高まり,さらに保護者による絵本の読み聞かせや高齢者施設の方との交流等を通して,人への思いやりや感謝の気持ちが育ってきた。
教師の感性豊かなかかわりや意図的な環境構成によって,主題にかかわる幼児の育成が推進された。
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栃木県塩谷町 |
町立塩谷幼稚園 |
道徳性の芽生えを培うため,思いやりの心の育成・社会生活上のル―ルを守る力の育成の2つの柱を中心に研究に取り組んだ。また,生命の尊重や家庭との連携についても検討し,家庭・地域が一体となって幼児期からの心の教育について振興が図れるようにした。
思いやりの心の育成では,地域の高齢者や外国語指導助手・中学生・保育園児・未就園児・祖父母等,人との交流を中心に考えた。
社会生活上のル―ルを守る力の育成では,園外保育や園内でのきまり等を中心に考え,そり滑りでは,親子で考えられる機会を作った。
生命の尊重では,小動物や子ども達自ら採集した昆虫等の飼育,田・畑等での種蒔き・苗植え・収穫等自然とのふれあいを多く持った。家庭との連携では,家庭教育学級や連絡ノ―ト・園だより・絵本の貸し出し等の中で支援を行った。
また,教師自身,文献研修や研究会に参加したり,実践例や研究保育等を重ねることでよりよい保育に迫るようにした。
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東京都大田区 |
区立羽田幼稚園
区立蒲田幼稚園 |
本研究は,研究主題を「思いやりの心 育つ 育てる 育ち合う」として,「日々の保育の中で育つ思いやり」「家庭・地域と共に考える思いやり」の2点を研究の窓口とし,幼児期に思いやりの心を育てるための具体的な方策を明らかにすることを目的とした。
「日々の保育の中で育つ思いやり」では,研究保育と実践事例の検討を通して環境構成や教師の援助の在り方を探ってきた。一方「家庭・地域と共に考える思いやり」では,幼児期に育てる思いやりについて,幼稚園,家庭,地域が共に考えていくための方策を探った。そして,○遊びを通して楽しさを共有する活動の工夫,○思いを出し合う場作り,○情報の発信・受信の工夫,の3つの視点から各園の保護者,地域の実態に即した活動を実践した。
この研究を通して,保護者,地域,教師が互いに影響し合い,刺激し合いながら,保護者,地域との連携を図る様々な工夫をすることにより,幼児の育ちに大きな力となることが明らかになった。
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石川県松任市 |
市立西幼稚園
市立西南幼稚園
ちよの幼稚園 |
松任市では総合計画の中で「心豊かで感性あふれる人づくり」を掲げており,「豊かな心をもち,たくましく生きる,実践力のある人間の育成」「地域に根ざした特色ある学校の創造」を市の学校教育基本方針としている。この中で,具体的なめざす幼児像を「仲良く遊べる子」「思いやりのある子」「積極的に行動する子」としており,その具現化について,市内の公立・私立の3つの幼稚園が,共通の理解と認識のもと,道徳性を培う活動等の充実に関する研究を進めてきた。
研究を推進するにあたっては,「植物栽培」や「読み聞かせ」の各園の共通した取組はもちろん,それぞれの独自性を生かした取組も併せて実施した。
この研究活動の中で,めざす幼児像に迫るため次の3つを研究観点とした。 (1)基本的な生活習慣の育成
(2)思いやりの心の育成 (3)生命を尊重する心の育成
具体的には各研究園が ・「豊かな心の育ちを願って」
・「一人ひとり安定した園生活をめざして」 ・「道徳性の芽生えを培う活動はどうあればよいか」
を主題として,それぞれの園の特色を生かし研究を深めていった。 この研究を一層深めるため,講師を招いて共同研修会を開催するとともに,保護者への意見聴取等を行いながら研究を進めた。
この研究を公立・私立幼稚園が共同で進めていくことにより,松任市としてめざす幼児教育の方向がより明確になるとともに,各園での取組について情報交換がなされ,それぞれ教育内容を見直す良い機会ともなり,また,各園が市の幼児教育を担っているとの共通の認識が形成されたことは,大きな成果の一つであった。
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静岡県天竜市 |
市立二俣幼稚園
市立上阿多古幼稚園
市立熊幼稚園
市立鏡山幼稚園
市立下阿多古幼稚園
市立竜川幼稚園
市立光明幼稚園 |
本研究は研究テーマを「心やさしい天竜っ子をめざして」とし,「思いやりの心の育成」「基本的な生活習慣の育成」の2つを観点として,7幼稚園が協力して研究を推進してきた。幼児が園生活において人や物とかかわる中で,どのように思いやりの心をはぐくんでいくのか,また,基本的な生活習慣を身に付けていくのか,幼児の具体的な姿から明らかにしていくものである。そのための環境や援助の在り方,園と家庭との連携についても探ってきた。
各協力園においては研究方法を,観点1「親子の交流」,「上阿多古幼稚園と熊幼稚園の交流」,「お年寄りとの交流」,「小学生との交流」,「物語にふれて」,「異学年とのかかわり」,観点2「あいさつ運動の実践」,「すくすく育つ子の実践」,「げんきの日の実践」に視点をあて,特色ある研究推進をしてきた。
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愛知県岡崎市 |
市立梅園幼稚園
市立広幡幼稚園
市立矢作幼稚園 |
保護者の子育てに関する意識調査より,岡崎市立3幼稚園にも,少子化・核家族化の影響は大きかった。
子供たちは,言葉や動作で自分を表現したり抑えたりする力が弱く,人と係る機会や場が少ないことが分かった。また保護者は,子育てに悩みや不安を抱えていることも浮かび上がった。
そこで,心豊かに生きる力を子供たちに育むため,家庭との連携を次のように考え,研究を進めた。
3園が道徳性の観点をそれぞれに焦点化して定め,子供の成長を見通して計画的に,保育実践にあたった。
読書ノートや懇談会,通信を中心に,各家庭と園とが常に連携を取る。個々の家庭へも,降園時の一言会話や連絡帳で,子供の状況を伝え合った。
そして,保護者への子育て支援として,子育ての会を充実したり,行事や日常の保育の中で保護者の活動を積極的に取り入れたりしてきた。
子供たちは,他者を意識する行動の芽生えが見え,地域の方々へも言葉がけができるようになってきた。保護者の方は,ボランティア活動に積極的になり,気軽に相談できる人を見つけて安心するようになってきた。
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三重県一志町 |
町立河合幼稚園
町立高岡幼稚園
町立大井幼稚園
町立波瀬幼稚園 |
一年次は,5つの観点に沿って実践をとり,園内研修や歳児部会,幼稚園部会の中で検討した。それと同時に,先進園を視察し,様々な研修会に参加する中で,「道徳性の芽生えを培う」ということをどう捉えていけばよいか,どう実践していけばよいかということを話し合いながら,教師間の共通理解に努めた。保護者に向けては,「子どもの生活実態と子育ての現状に関する調査(アンケート)」を実施し分析した。
二年次は,各歳児の観点に着目し指導計画を立案した。またアンケートの分析から家庭と共に進めていく必要性を感じ,各歳児がそれぞれの方法で保護者と一緒に子育てしていけるような取り組みを進めてきた。
最後のまとめとして研究発表会を行い,保護者の参加のもとに成果と課題を確認しあった。 |
京都府木津町 |
町立木津幼稚園
町立高の原幼稚園 |
幼児は,様々なかかわりにおいて,道徳性を発現させていく。自分自身から発し,他の人やものへ,さらには集団へと拡がっていく。この4つの視点を相互に関連させながら,具体的な教育活動において,教師の適切な援助の在り方を求め,子どもたちに何を体験させるのか,何に気付かせ何をしらせていくのか,個々の子どもの育ちをどのように伸ばしていけばよいのかについて,研究実践を進めた。
1 理論研究 ・道徳性とは ・道徳性をはぐくむには
・道徳性をはぐくむ4つの視点 2 実践研究
・心のゆれにかかわる教師の援助のあり方 ・さまざまなふれあい
・家庭とともに ・小,中学校や地域とのふれあい
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大阪府箕面市 |
市立なか幼稚園
市立とよかわみなみ幼稚園
市立ひがし幼稚園 |
テーマ「道徳性の芽生えを培う豊かな環境づくりを求めて」にせまるために,道徳性の芽生えるこの幼児期をとらえ,基本的生活習慣の形成や,友達・地域の方々等とのかかわりを深める中で,子どもが,他人の存在に気付き,相手の気持ちを考えたり自分の思いを表現したりしながら行動できるような人的環境づくりや自然や身近な動植物に親しむことなどを通して,生命あるものを大切に思い,弱いものをいたわる気持ちが育つような自然環境づくりなど,日々の保育で意図的な環境づくりの工夫が重要であると考え研究に着手した。
1年次,3園が各々の特色を生かして研究を推進してきたが,道徳性を培うということは「心育てである」と共通理解を得ることができた。そのことを基盤に,3園各々「人」「自然「地域」と研究の切り口は異なるが,道徳性の芽生えを培う具体的な支援のあり方について,保育交流や意見交流を通して,一層認識を深め保育実践に取り組むことができた。
道徳性の芽生えを培うことは日々の保育の中の多様な場面や豊かな経験活動を通して培っていくことが大切であることと同時に教師自身が如何に最大の環境となりうるのか,そのことを意識化して研究・研修を積み保育実践にあたることが重要であると確信し,今後,広く研究成果の普及啓発を図りたいと考えている。
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兵庫県朝来町 |
町立中川幼稚園
町立山口幼稚園 |
道徳性を培うためには,友だちとのかかわりを重視した活動を充実させることが大切であると考え,「友だちとかかわりながら道徳性の芽生えを培う」という研究テーマを設定した。
また,研究の観点を以下の6つに絞って調査研究を進めた。 ・基本的生活習慣を育成する
・して良いことや悪いことを考えて行動する ・思いやりの心を育む
・社会生活に必要なル−ルを守る ・相手の良いところを認める
・生命を尊重する 研究の方法としては,家庭での生活を把握するために生活アンケ−ト調査を実施し,園児や保護者の実態把握に努め,生活習慣の見直し等,幼稚園・家庭・地域とが協力してともに育ち合うことができるよう取組を推進した。
また,幼稚園における保育においても幼児同士が理解し認め合い,思いやりの気持ちが育つよう援助を工夫した。
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鳥取県若桜町 |
町立若桜幼稚園 |
若桜幼稚園の教育課程である「人・ものから織りなすくらし:階段カリキュラム」を,(1)基本的な生活習慣の育成,(2)よいことや悪いことを判断する力の育成,(3)思いやりの心の育成,(4)社会生活上のルールを守る力の育成,(5)生命を尊重する心の育成の観点から捉えることで,教育課程の充実を図ることができると考え,研究に取り組んだ。
1年次は,『幼稚園における道徳性の芽生えを培うための事例集』(文部科学省2001)を観点(1)〜(5)及び本園の「階段カリキュラム」の視点から,キーワードと思われる言葉を選択・整理し,「階段カリキュラム」に対応させた「道徳性の芽生えカリキュラム第1次モデル」を作成した。
2年次は,実践記録を観点(1)〜(5),幼児の発達段階に照らし合わせながら,道徳性の育ちを捉え,「道徳性の芽生えカリキュラム第1次モデル」による実践をもとに修正し,「道徳性の芽生えカリキュラム第2次モデル」を作成した。
さらに,「道徳性の芽生えカリキュラム第2次モデル」と対照させた「階段カリキュラム」を修正した。
また,教師が小学校の道徳科における学びを知ることにより,幼稚園から小学校へ連続した生活の中で道徳性が育っていくことや幼・小連携の必要性を再認識することにもなった。
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島根県益田市 |
益田幼稚園
萬福治寺幼稚園
高津幼稚園 |
当市には公立幼稚園が設置されていないため,私立の3幼稚園による調査研究となった。
幼児期における道徳性の芽生えを培うために5つのサブテーマを設定し,実践を行った。 まず,教職員の意識を高めるために研究先進地への視察や講演会を開催した。
次に,寺院幼稚園でもある特色を活かし,「感謝」の気持ちを園生活における様々なものとの関わりや友達,身近な動植物との関わりなど多くの自然体験や実体験をとおして園児に意識させ,「思いやりの心」や「生命を尊重する心」の育成に努めた。
また,園と家庭が同じ方向を目指して臨まなければ,子どもの育ちをよりよいものにしていくことは難しいとの観点から,研究協力園の全保護者を対象にアンケートを実施し,幼児の家庭での生活状況や保護者の子どもへの対応について調査を行った。
さらに,地域の住民にも幼児教育への関心をもってもらうため,講演会への参加案内や,幼稚園の開放を行った。
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香川県さぬき市 |
市立中央幼稚園
市立鴨部幼稚園
市立小田幼稚園 |
1 研究主題―道徳性の芽生えを培う活動―
(1) 一年目の取組-----子どもの発達や教職員の援助のあり方,家庭との連携について研究する。
※三園の子どもたちの実態把握をし,保護者へのアンケートから保護者の思いも把握したうえで年齢別に観点を置き,子どもたちの育ちゆく姿や援助について探る。
3歳----基本的生活習慣の育成 4歳----社会生活上のルールの育成
5歳----思いやりの心の育成 (2) 二年目の取組-----各園の特色や規模に応じた研究主題を掲げ,それぞれの発達段階を見通し,家庭や地域との連携を図りながら研究を進め,幼児と共に生活する教師の役割の大切さを再認識し,幼児の心に添った実践を積み重ねる。
中央幼稚園----道徳性の芽生えを培う活動 ―家庭や地域・小学校などとのかかわりに重点をおく―
鴨部幼稚園-----道徳性の芽生えを培うための援助のあり方 ―地域との連携の中で人とかかわる力を育んで行く−
小田幼稚園-----道徳性の芽生えを培うための援助のあり方 −さまざまな人とのかかわりを通して−
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熊本県本渡市 |
市立本渡南幼稚園
市立本渡北幼稚園
市立下浦幼稚園
市立瀬戸幼稚園
市立亀場幼稚園
本渡カトリック聖心幼稚園 |
本市では「あたたかな人間関係を育む社会体験活動」をテーマに公・私立6幼稚園で研究に取り組んできた。
研究テーマの共通理解と研究の推進を図るため,研究推進協議会を立ち上げ,高齢者や様々な人々との交流を通して,思いやりの心や,やさしさをもった心豊かで心身ともにたくましい子どもの育成を研究目的とし,各園と研究協議を行いながら実践を行ってきた。
実践内容として ○地域の高齢者との交流(伝承遊び・栽培・バスハイク等)
○福祉施設との交流(運動会・伝統行事等) 各園地域性等の特色を出しながら,取り組んできたが,交流活動を積極的に取り入れることにより,人のあたたかさ,やさしさなどを数多く体感することができた。
幼稚園や家庭ではふれることの出来ない体験を通して,「認め合い」「支え合い」など少しずつ子どもたちの間に育まれてきたようである。
今後もこの成果をもとに交流の輪を充実させ,日常の交流へと,取り組んでいきたい。 |