幼児教育支援センター事業

大分県大分市   

1 研究テーマ及び研究の観点

(1) 研究テーマ

  1. 幼児教育を地域に開かれたものにしていくために,地域の関係機関と連携した幼稚園及び家庭を支援する体制の在り方
  2. 子育てに不安を抱える保護者や特別な配慮を要する幼児に対応する教員への効果的な援助の在り方

(2) 研究の観点

  1. 保護者や教員への効果的な援助
  2. 幼小連携の推進
  3. 保育者の資質や専門性の向上  

 2 地域の概要

(幼稚園と小学校は平成19年5月1日,保育所は4月1日現在,人口は4月30日現在)

地域の範囲 人口   幼稚園 小学校 保育所
幼稚園数 幼児数 学校数 児童数 保育所数 幼児数
大分市 468千人
国立 1
159
1
717
0
0
公立 37 1,510 61 17,461 14 1,085
私立 28 4,745 0 0 50 5,110
合計 468千人   66 6,414 62 28,178 64 6,195

 

○ 幼児教育に関する課題及びこれまでの取組

 本市においては,預かり保育等への期待が高まっていることにより,地域の実態や保護者の要望に応じて、平成18年度から、全市立幼稚園で、通常の教育時間の終了後に引き続き教育活動を行っている。
 なお,各幼稚園においては,地域における幼児教育のセンター的役割として,子育て支援を行っている。校区の社会福祉協議会等が中心となって活動している子育てサロンのメンバーと幼稚園教職員が連携し,子育てに不安を抱える保護者への援助や園開放による未就園児の遊び場の確保等を行っている。また,平成14年9月から市立幼稚園1園において,施設の共用化を伴う保育所との連携保育に取り組んでおり,就学前の教育・保育を一体として捉えた一元化等の課題については,保育所職員(保育士)と定期的に協議をして共通理解を図りながら,連携の在り方を模索しているところである。
 さらに,特別な配慮を要する子どもに対応する教員への支援として,大学教授を講師に特別支援教育研修講座を実施したり,保護者への支援として,専門家による個別の心理検査や助言を受けられる巡回相談の活用を促したりすることにより,特別支援教育の推進に努めている。

3 研究協力機関


                      (平成19年5月1日現在)

幼稚園   3歳児 4歳児 5歳児 合計 教職員数
大分市立東大分幼稚園 学級数     3※ 3※ 5
幼児数     52 52
大分市立判田幼稚園 学級数     3 3 5
幼児数     69 69
大分市立敷戸幼稚園 学級数     2 2 4
幼児数     36 36
大分市立坂ノ市幼稚園 学級数     3※ 3※ 5
幼児数     41 41
ひまわり幼稚園 学級数 3 3 2 8 15
幼児数 69 92 64 225

                           ※特別支援学級1を含む

○ 事業の組織体制

事業の組織体制の概略図                    

 ○ 幼児教育支援運営委員会の開催状況と内容 

  • 第一回 平成19年6月21日(木曜日) 【実施体制の協議及び事業計画の企画】
  • 第二回  平成19年12月20日(木曜日) 【経過報告及び今後の在り方について協議】 
  • 第三回 平成20年3月3日(月曜日) 【成果のとりまとめ及び普及方法の策定】

4 研究の内容及び方法

(1) すくすくサポートチームの派遣

 保育カウンセラーと幼小連携アドバイザーを,研究協力園を中心に申請がある園に派遣した。子育てに不安を抱える保護者や特別な配慮を要する幼児に対応する教員への援助として,相談事業や子育て講座・講演等を園の実情に応じて実施した。また,幼小のスムーズな接続,就学前教育と小学校の連携に関する取組等,巡回相談により,園や地域に応じたアドバイス等を行った。

(2) 幼児教育支援研修会

 子どもを取り巻く環境が著しく変化している中,幼稚園等施設が地域の幼児教育のセンター的役割を円滑に果たすため,幼児理解及び保護者連携を進めるためのカウンセリングスキルの演習や特別支援教育についての講義を通し,状況に応じた的確な支 援を行うなど保育者としての資質と能力の向上に資するため,研修会を3回行った。

  1. 「幼児理解と保護者連携を進めるためのカウンセリングスキル」
  2. 「発達障がいの子どもに対する理解と対応」
  3. 「保護者の気持ちと向き合う~保育者が学ぶコミュニケーション~」

(3) すくすくサポート講演会

 幼児の発達や学びの連続性,子育て支援の在り方,子育てや人間育ち等についての講演を通し,保育者の専門的な資質や能力の向上に資するとともに広く子育て中の家庭を支援するため,対象を保育者と保護者に分けて2回実施した。

  1. 保育者対象「就学前教育において大切なこと」 講師:篠原孝子先生(教科調査官)
  2. 保護者対象「子どもは絵本と動物が大好き!~動物から学ぶ人間育ち~」講師:あべ弘士先生(絵本画家)

(4) 先進地域への派遣研修

 研究協力園から各1名ずつの計5名を,平成17年度,18年度に同事業を実施した茨城県牛久市と鹿児島県日置市に派遣することにより,サポートチームの在り方や援助の方法等,地域に開かれた幼児教育推進のため参考とした。

5 研究成果及び今後の課題

(1) 研究成果

  1. 保育カウンセラーの相談活動や子育て講座による保護者の悩みや不安の緩和
  2. サポートチームの専門的な助言,研修会等による保育者の専門的な資質や能力の向上

(2) 今後の課題

 平成20年度策定予定の次期「大分市幼児教育振興計画」に,本事業の趣旨を取込むこと 

 

参考:研究テーマのキーワード

幼小連携、幼・保・小連携、幼小連携アドバイザー、幼児と児童の交流、幼稚園と小学校の教員の相互理解、保育所との連携、家庭との連携、地域との連携、幼児教育支援センター、障害のある幼児、保育カウンセラー、特別支援教育、研修、子育ての支援、子育て力向上、発達や学びの連続性、保育者の資質や専門性の向上 

お問合せ先

初等中等教育局幼児教育課

-- 登録:平成21年以前 --