幼児教育支援センター事業

愛知県半田市

1. 研究のテーマ及び研究の観点

(1)研究テーマ及び研究の観点

○ 幼児教育振興のための取組を支援するサポートチームの在り方

  • 特別な配慮を必要とする幼児に対応する教師とその保護者への支援
  • 幼児を子育て中の保護者支援の在り方
  • 幼児教育と小学校教育の連携推進

(2)研究の目的

 サポートチームの支援により特別支援教育を高め、その中で幼保小の連携を深める。

2. 地域の概要

                            (平成20年2月1日現在)

  人口   幼稚園 小学校 保育所
幼稚園数 幼児数 学校数 児童数 保育所数 幼児数
半田市 119千人 国立 0 0 0 0 0 0
公立 7 1,009 13 7,776 15 2,205
私立 2 634 0 0 3 388
合計 119千人   9 1,643 13 7,776 18 2,593

 

(1)研究テーマに関するこれまでの取組

○ 幼保小の代表や行政関係者からなる運営委員会で事業の企画や報告・調査をし、体制や支援のあり方について意見を交わしたり評価を行ったりした。教師や保護者の支援は、保育カウンセラー・幼小連携アドバイザー・大学教授らによるサポートチームを結成し、事業を行った。

1 サポートチームの取組

ア 特別な配慮を必要とする幼児に対応する教師とその保護者への支援

  • 保育カウンセラーの幼稚園・保育所巡回
  • 大学教授・特別支援教育専門家による教員の研修

イ 幼児を子育て中の保護者への支援

  • 遊びの専門家による親子活動
  • 保育カウンセラーの保護者相談・子育てミニ講演会
  • 幼小連携アドバイザーによる子育て講演会

ウ 幼児教育と小学校教育の連携推進

  • 公開保育

エ 教員研修

  • 大学教授・小学校関係者による幼小連携講演会
  • 専門家や小学校関係者による発達にかかわる講演会

3.    研究協力機関

  公立幼稚園 7園、私立幼稚園 1園、保育所 2所

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4.    研究の内容

1 特別な配慮を必要とする幼児に対応する教師とその保護者への支援

 保育カウンセラーが協力園を巡回し、配慮を必要とする子や周りの子を観察し、心の動き・手立てや保護者対応について具体的に助言する。
 教師は幼児理解を溜め込み、声のかけ方・環境・導き方などを実践したり、カリキュラムの作成に取り組んだりした。指導会には加配教諭も参加し、個人のカンファレンスだけでなく、保護者対応・園内連携・記録の取り方なども話し合われた。
 保育カウンセラー巡回日は保護者相談の時間も設けて対応した。
 幼小連携アドバイザーは保育支援・保護者支援・調査などを行い、事業の全体にかかわる支援を行った。

2 幼児を子育て中の保護者支援

 家庭への支援は、「子どものことを理解する支援」と「子育てが楽しくなる支援」の2つに分けた。幼小連携アドバイザー・保育カウンセラー・遊びの専門家らが各幼稚園や子育て総合センターなどで、子育て講演・相談・親子遊びを行った。

3 幼児教育から小学校教育の連携推進

 地域の中学校区で幼保小のグループを作り、各地区で公開保育を行った。テーマを「特別に配慮を要する子とその周りの子が共に生活する統合保育について」として、配慮を必要とする子を観察した後で、幼・保・小が意見交換をした。それぞれの行政関係者も集まり、顔合わせができた。
 「幼保小の連携について」の講演は、「特別支援をとおして」と「公開保育を終えたまとめ」の演題で行い、この中で連携とは何か、これからの方向性などが示された。

4  教員研修

 特別支援教育にかかわる「加配教諭の研修」・「保護者と対応する時のカウンセリングマインド研修」と、幼児教育から小学校教育へ滑らかな移行をするために「言葉」「絵画」「数の認識」の発達にかかわる講演会を行った。研修は幼保小の教師が一緒に行った。 

5.研究成果及び今後の課題

1  研究成果

  • 配慮を必要とする子の保育において「良さをみつける」「好きなことからはじめる指導」などを心得るようになった。また、配慮を必要とする子だけでなく、周りの子への働きかけが大切であることを共通理解した。
  • 保育カウンセラーによる保護者相談や専門家による子育て講演の実施は、子育てについて考え直したり子育て不安の緩和になったりした。
  • 幼稚園における「子育て支援日」の親子活動が充実してきた。保護者間の交流も活発になり、子育て情報が得られやすい環境となった。こうした活動を継続し家庭の教育力につなげていきたい。
  • 公開保育を機に幼保小の意見交換ができ、互いを理解するきっかけができた。
  • 「言葉」「絵画」「数の認識」についての幼保小の合同研修では、幼児期から就学までの発達や小学校教育への滑らかな移行について学び、系統的な保育を考える機会になった。

2  今後の課題

  • 特別支援教育の連携を深めるために、保育カウンセラーを地域の幼保小に配置し、効果的な活用をする。
  • 家庭の教育力を高めるために、「子どもを理解する支援」「子育てが楽しくなる支援」を充実していく。支援活動に参加できない保護者の支援も考える。
  • 幼保小の連携を今後いっそう進めるために、実践研究できる体制をつくることが課題である。

 

参考:研究テーマのキーワード

幼・保・小連携、幼小連携アドバイザー、保育カウンセラー、特別支援教育、子育て支援、公開保育、発達、教員研修、滑らかな移行 

お問合せ先

初等中等教育局幼児教育課

-- 登録:平成21年以前 --