(1)研究テーマ
豊かな心と生きる力を育む支援をめざして~一人ひとりが輝く園生活の在り方を探る~
(2)研究の観点
国立 | 公立 | 私立 | 計 | |
幼稚園数 | 0園 | 14園 | 13園 | 27園 |
3歳児 | 0人 | 15人 | 599人 | 614人 |
4歳児 | 0人 | 227人 | 604人 | 831人 |
5歳児 | 0人 | 243人 | 616人 | 859人 |
公立幼稚園 5園
学級数 | 3歳児 | 4歳児 | 5歳児 | |
周南市立楠木幼稚園 | 2 | 20(2) | 22 | |
周南市立鹿野幼稚園 | 2 | 14 | 17(1) | |
周南市立須々万幼稚園 | 3 | 12 | 14(1) | 12(3) |
周南市立今宿幼稚園 | 2 | 20(3) | 22(1) | |
周南市立周栄幼稚園 | 2 | 21(2) | 18 |
幼稚園における障害のある幼児の受け入れや指導の充実を図るために周南市としての研究主題を設定し、それを受けて研究協力園がそれぞれ研究テーマを設けて、取り組んだ。
(1) 周南市教育委員会としての取組
1 教員の専門性を高める講演会、研修会の開催
2 個別の教育支援計画、個別の指導計画の見直しの研修会の開催
3 研究の成果を周知するための最終報告会の開催
(2)研究協力園としての取組
1 楠木幼稚園
ア 研究テーマ 「一人ひとりの成長を促す学級づくり」
イ 取組
特別な支援を必要とする幼児が安定し、もっている力を発揮して楽しく生き生きと園生活を送るために幼児の実態を把握し、地域コーディネーターと連携しながら、適切な支援の在り方の研修を進めてきた。
2 鹿野幼稚園
ア 研究テーマ 「集団の育ち合いを促す学級経営の在り方」
イ 取組
一人ひとりを大切にする温かい人間関係をもつ集団づくりをめざし、育ち合う仲間として、幼児同士のかかわりを大切に育てる学級経営を進めてきた。
3 須々万幼稚園
ア 研究テーマ 「一人ひとりの成長を願って、ともに育ち合う学級づくり」
イ 取組
全職員による幼児への共通理解と情報の共有化に努め、専門機関と連携しながら幼児理解の仕方や支援の方法についての研修をし、ともに育ち合う学級づくりを進めてきた、
4 今宿幼稚園
ア 研究テーマ 「一人ひとりが輝く園生活の在り方を探る~家庭や関係機関と連携した支援の在り方~」
イ 取組
全職員が障害についての共通理解を図り、専門機関と連携しながら支援の在り方についての研修を進めてきた。
5 周栄幼稚園
ア 研究テーマ 「ともに感じ合い、認め合い、育ち合う支援の在り方を考える~エピソードの中の成長を見つめて~」
イ 取組
地域コーディネーターと連携しながら、エピソードを通して支援の方法や手立てについて研修を進めてきた。また、保護者支援(相談・懇談)にも努めてきた。
(1)研究の成果
1 人ひとりの教師が、障害について正しく理解し、日々の保育を素直に振り返ることで子どもの見方が幅広くなり、子どものよいところを見ていくことでよりきめ細やかな支援を行うことができた。
ア 一人ひとりの教師が、障害に対する正しい理解をするために
・ 一人ひとりに応じた保育の推進
・ 互いの個性を認め合う保育の推進
・ 研修会へ積極的に参加し、専門の知識の獲得
イ 保育の振り返りの視点
・ ゆったりとして気持ちは穏やかだったか
・ 幼児へのことばがけや表情はどうだったか
・ 幼児のよいところが見えたか
2 心を大切にした保育に心がけることで、幼児自らが湧き出る力を発揮することができ、遊びの充実や一人ひとりの成長を促すことにより、子ども同士で励まし合ったり、認め合ったり、支え合ったりする姿が見られるなど集団の育ち合いにつながっていった。
ア 教師との信頼関係を基盤に、障害のある幼児への対応がモデルとなり、温かい学級づくりに心がける。
イ 安定できる居場所づくりに心がける。
ウ 学級の仲間としての存在感を大切にする。
エ 障害のある幼児の興味や関心を生かし、その子なりの参加方法や遊びを楽しむ機会を見つけ、自分から楽しめる場を工夫する。
3 園全体で取り組む体制をつくることで、担任が安心して保育に取り組むことができ、幼児の安定につながり指導が充実した。
ア いつでも、どこでも、誰もが対応できる体制づくり
・ お互いの保育感を理解し合う
・ 自分の思いをしっかりと伝え合う。
4 職員同士が日々お互いの保育感を理解し合ったり、温かい人間関係に支えられた中で話し合いを重ねることにより、共通理解ができ、チームワークの大切さを痛感した。
ア 障害のある幼児の育ちの変化に応じて機を逃さず、支援の方向やより具体的な支援の仕方を話し合う。
イ 幼児の今をよりよく見るために記録の方法や記入の仕方を工夫する。
・ 自分の思いが読み取れる記録になっているか
・ 幼児の心の動きやその背景を教師がどう感じたかなどが記入されているか
5 演会、研修会、視察研修を通して、障害のある幼児への指導、支援の在り方について、教員の専門性を高めることができた。
ア 幼児教育の基本的理念をしっかりと認識し、特別支援教育を推進すること
イ 幼児を理解するには、教師自身が変容し日々成長すること
6 保護者との連携を重ねるごとに、少しずつ我が子の障害を受け入れられるようになった。保護者の揺れ動く思いに寄り添い、お互いに心を開くことで信頼関係を築くことができた。
(2)今後の課題
1 本市における特別支援教育の取組について周知徹底を図り、職員の意識をより高めていくための研修を継続していきたい。
2 就園前の受け入れ(園開放や相談等の子育て支援)や就学に向けての体制については、幼児の実態を明確に捉え、関係機関と連携を図りながら、保護者と情報の共有化や共通理解を図りたい。
3 幼児の発達に応じて、教材・教具の工夫や指導の在り方を全職員で見直し、保育の共有化に努めたい。
4 不安や悩みを抱える保護者に対する相談・懇談を十分に行うことで、安心して子育てができるように支えていきたい。
参考:研究テーマのキーワード
障害のある幼児、特別支援教育、研修、個別の教育支援計画、個別の指導計画、関係機関との連携
初等中等教育局幼児教育課
-- 登録:平成21年以前 --