本調査は、平成19年度から平成21年度にかけて研究開発を実施した「目指せスペシャリスト」指定校(10校)を対象に、モデル事業としての実績を客観的に評価するため、未実施校と比較することにより、成果を相対的に検証したものです。このほど取りまとめた概要は、以下のとおりです。 |
未実施校が特殊要因により上回った例も報告されたが、大方、実施校の入試倍率は未実施校より高い水準で推移しており、総じて事業の成果が魅力的な学校づくりに寄与している。
○ 目指せスペシャリストが中学生に紹介されたことが、入学者の増加につながった。
○ 成果発表会で地域に発信したり、小学校での出前授業などで専門高校の魅力を伝えられた。
○ 本事業における取組の成果・地域に根ざした活動・全国規模での活躍が、県下に広報されたことが、入学希望者の増加につながった。
○ 比較した高校が県内の中心校であるので、一概に比較できないが、募集定員は常に満たしている。過去4年の入試倍率の動向は上昇傾向にある。
○ 実施校については入試倍率が常に1.5倍以上であるものの、未実施校がそれ以上の高倍率で推移しており、当該学科とともに人気の高さがうかがえる。
○ 専門学科の関連する業界全体の不況等で、入学志願者が減少していると考えられる。
就職率及び進学率は、景気の動向等の影響を受けるため、事業の成果との関連を検証することは難しいが、進路未定者の割合の平均値は、未実施校が高い県が5県に対して、実施校が高い県は3県であり、実施校においては、専門的職業人を目指すという生徒の意識が高い傾向にある。
なお、2県については、比較対象となる未実施校が設置されていないため、比較できなかった。
○ 本事業において、専門的な知識や技術を身につけようとする高い目的意識が身についていると考えられる。
○ 関連の上級学校へ進み、その後、就職を目指すという傾向が見られる。
○ 専門的職業人を目指して、進学を考える生徒が増加した。
○ この事業を通して、働くことへの意識が高まった。
○ 「仲間と協力する」、「相手の立場を考える」、「他人のために尽くす」など、職業人としての基本的姿勢が身についてきた。
○ 平成21年度の進学率が上がっているのは、就職難による進路変更が大きな要因と考えられる。
○ 未実施校は、経済状況の影響により就職未定のまま卒業する生徒が増加しているが、実施校では例年並みであった。
○ 進路未定者の割合についても、実施校は減少しており、本事業を通して、生徒の進路意識の高揚が図られたものと考えられる。
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-- 登録:平成22年09月 --