平成17年度・18年度みんなの専門高校プロジェクト推進事業報告書

都道府県名 和歌山県
推進地域名 有田市

1 推進校の概要

(1)専門高校

学校名 和歌山県立箕島高等学校
設置大学科 工業
設置小学科 機械
生徒数 138名
所在地 和歌山県有田市宮原町新町416 電話 0737-88-6238

(2)小・中学校(小・中学校との連携の場合のみ記入)

学校名 有田市立文成中学校
生徒数 226名
所在地 和歌山県有田市宮原町新町1 電話 0737-88-7070

学校名 有田市立宮原小学校
生徒数 388名
所在地 和歌山県有田市宮原町滝川原1 電話 0737-88-7117

学校名 有田市立糸我小学校
生徒数 145名
所在地 和歌山県有田市糸我町中番330 電話 0737-88-7116

2 研究テーマ及び研究において特に重点を置いたところ

(1)研究テーマ

「ものづくり」を通して、小中高等学校の連携を深める

(2)特に重点を置いたところ

  • 小中学生が「ものづくり」の大切さ、楽しさを体験することにより、工業高校への興味関心を持ち、進路決定の参考となるようにする。
  • 工業高校の生徒が小中学生を指導することにより、作業の安全についての意識や学習に取り組む意欲を高めるようにする。

3 研究の概要

(1)平成17年度

  • 出前授業
    機械科の生徒が連携校を訪問し、実習の内容と作品の紹介を行う。

(2)平成18年度

  • 「ものづくり」
    高校生による機械操作・作品製作の実演を行う。
    高校生の指導により、小中学生が「ものづくり」を行う。

4 推進地域協議会の構成及び活動状況等

(1)構成

氏名 所属・職名
上野山 恭子 有田市教育委員会指導主事
小串 親秀 和歌山県立箕島高等学校長
岩崎 文彦 和歌山県立箕島高等学校教頭
石井 夏夫 和歌山県立箕島高等学校PTA会長
田中 政彦 有田市立文成中学校長
吉村 輔倫 有田市立宮原小学校長
橋本 伸宏 有田市立糸我小学校長

(2)活動状況

1)平成17年度

  • 実施内容・時期の決定
  • 連携事業の評価
    生徒アンケートと担当教員により評価を行った。

2)平成18年度

  • 実施内容・時期の決定
  • 研究成果のまとめと評価
  • 報告書の作成

5 推進校における活動の実施状況等

(1)活動前の地域との打ち合わせ

 連携している小中学校と綿密に打ち合わせを行った。

(2)活動概要

1)活動のねらい

 「ものづくり」の楽しさを通して、小中学生に対し、ものづくり技術について、興味や関心を持たせるとともに、工業高校の学習内容についての理解を深めさせる。

2)活動内容

 平成17年度は高校生が小中学校を訪問しての出前授業という形式で実施した。

日時 連携先 活動概要
平成18年2月6日5,6限 宮原小学校6年生57名
  • ガス溶接出前授業
     アセチレン溶接装置を小学校へ持っていき、説明するとともに、小学生に溶接作業の体験をさせた。
  • 電気自動車乗車体験
平成18年2月10日5限 糸我小学校6年生23名
平成18年2月10日2限 文成中学校3年生25名
  • ガス溶接出前授業
  • エンジンカート乗車体験

ガス溶接作業の実演溶接作業に挑戦電気自動車乗車体験エンジンカート乗車体験

 平成18年度は高等学校の施設や設備、実習内容の見学会を実施した。また、各小中学校で出前授業と共同作業を行い、作品を完成させた。

日時 連携先 活動概要
平成18年6月23日6限 宮原小学校6年生61名 高等学校の施設・設備及び実習内容の見学
平成18年6月26日3,4限 文成中学校2年生66名
平成19年2月2日6限 糸我小学校6年生28名 錆と塗装についての出前授業
電気自動車乗車体験
竹馬ラック塗装の共同作業
平成19年2月5日6限 宮原小学校6年生61名 錆と塗装についての出前授業
電気自動車乗車体験
綱引きロープ巻き取り器塗装共同作業
平成19年2月13日6限 文成中学校1年生28名 錆と塗装についての出前授業
エンジンカート乗車体験
綱引きロープ巻き取り器塗装共同作業

綱引きロープ巻き取り器塗装作業機械科の実習の見学

3)教育課程上の位置づけ

 高等学校は課題研究、実習の時間に位置づけた。
 小・中学校は総合的な学習の時間に位置づけた。

4)連携先の概要

学校名 有田市立文成中学校
児童・生徒数 264名
住所及び電話番号 和歌山県有田市宮原町新町1
電話 0737-88-7070 FAX 0737-88-8001
学校・生徒等の特色・状況等
 全体的に明朗で温厚実直な生徒が多い。また、教育に熱心な地域で、中学生の学習意欲も高く、「主体性・自立性・創造性」を培う教育を実践している。

学校名 有田市立宮原小学校
児童・生徒数 375名
住所及び電話番号 和歌山県有田市宮原町滝川原1
電話 0737-88-7117 FAX 0737-88-6049
学校・生徒等の特色・状況等
 年々都市化が進んできているが、以前から、この地域は文化の里と呼ばれており、造詣の深い年配の方も多く、古くからの良さを持ち合わせた生徒も多い。いろんな面で学校教育に地域と密接に連携している。

学校名 有田市立糸我小学校
児童・生徒数 131名
住所及び電話番号 和歌山県有田市糸我町中番330
電話 0737-88-7116 FAX 0737-88-5398
学校・生徒等の特色・状況等
 以前はほとんどが専業農家でり、まだ農村地域に残る伝統も受け継がれていて、純朴で温和な生徒も多く、地域と学校が一体になって子供の成長を支え見守っている。

6 活動の成果

 連携している学校は距離的には近い。しかし、小中学生は箕島高校機械科の学習内容等をほとんど知らない状況であったが、本事業を展開する中で、機械科の学習内容を紹介することにより、多くの小中学生が「ものづくり」に興味を示し、機械科の学習内容に興味を示した。
 小中学生のうち7割は溶接作業を見たことが無く、炎の中で鉄が溶けていく様子を興味深く見ていた。缶スプレーを使っての塗装では、「この缶の中はどうなっているの」と、予想外の質問もあって生徒の関心の高さがうかがえた。電気自動車は動作音も静かで、小学生の女子にも人気があり、エンジンカートはエンジン音を響かせて走るので中学生男子に特に人気があった。また、竹馬ラックやロープ巻き取り器を共同で製作した。こうした小中学生のものづくりに熱中する様子から、自分たちで作った物を大切に使用するであろうことを確信した。
 小中学生側の感想としては、「初めは怖かったけど、鉄が溶けてくっついたのがうれしかった」、「高校生のお兄さんが親切に説明してくれてよかった」、「楽しかった」、「また体験したい」、「これを機に興味がわいてきた」、「自分もカートを作ってみたい」とほとんどの生徒が実施内容に興味を示し、機械科の特色のある学習内容を小中学生にアピールできたのではないかと考える。
 高校生側の感想としては、「自分たちが教える側になってみると、事前の準備や説明の練習などの時間がずいぶん必要で、うまく説明ができるように何度も練習をした。」、「生徒たちが興味深く見てくれたことがとてもうれしかった。」とのことで、高校生自身が教える側に立つことにより、責任感や自主性が引き出された。また、日頃学習している内容を教えることにより、小中学生を感動させ、喜んでもらえたことが今後の励みとなった。

7 2年間の研究の全体的な評価

8 今後の課題及びこれからの取組