平成17年度・18年度みんなの専門高校プロジェクト推進事業報告書(1)

都道府県名 長野県
推進地域名 佐久市

1 推進校の概要

(1)専門高校

学校名 長野県臼田高等学校
学科 環境緑地科・インテリア科・アパレルデザイン科
生徒数 493名
住所及び電話番号 長野県佐久市臼田751 電話 0267-82-2035

2 研究テーマ及び研究において特に重点をおいたところ

テーマ「地域の課題が僕らのテーマ」

 地球直しの臼田高校総合病院活動による研究活動の活性化
 臼田高等学校では平成15年度より地球直しの臼田高校総合病院活動と銘打って、地域の課題をくみ上げて各専門学科で研究活動に取り組んでいる。各専門学科が”地球直しの臼田高校総合病院活動”を合い言葉に地域の課題からテーマを見つけ研究活動をより一層活発化するためテーマを設定した。

重点を置いたところ

  • 環境緑地科
    • 佐久市上小田切地区地蔵池に生息する絶滅危惧種オオアカウキクサの農業利用の研究
      今年度は農業クラブ活動で研究テーマを推進するとともに、課題研究の中でオオアカウキクサの特性・栽培への利用・肥料や土壌改良材としての利用を研究した。
  • インテリア科
    • 医王寺の仏像修復
      地域の寺である医王寺の仏像の補修復元に向けて事前調査や技術の学習と教育委員会との打ち合わせを行った。
    • 入沢焼きの復興
      入沢焼きの初代窯元の塑像(恵比寿・大黒・不動明王・狐)復元と地域祭(小満祭)へ展示した。
  • アパレルデザイン科
    • 廃棄される衣料のリメイクの研究
      資源の再利用という観点から廃棄されて行く衣類をリメイクし再利用化を図るとともにものを大切にする心を養う。

3 研究の概要

17年度

  • 環境緑地科
    • 佐久市上小田切地区地蔵池に生息する絶滅危惧種オオアカウキクサの農業利用の研究
      生息地の調査 生育特性の研究 水田での繁殖実験 栽培実験
  • インテリア科
    • 医王寺の仏像修復
      仏像の調査学習
    • 入沢焼きの復興
      初代窯元の塑像復元
  • アパレルデザイン科
    • 廃棄される衣料のリメイクの研究
      パッチワークタペストリーの製作

18年度

  • 環境緑地科
    • 佐久市上小田切地区地蔵池に生息する絶滅危惧種オオアカウキクサの農業利用の研究
      地域住民とともに中山間地域の活性化事業としてオオアカウキクサの活用研究を行い、佐久農業改良普及センターと有機米栽培農家への技術導入を行った。
  • インテリア科
    • 医王寺の仏像修復
      仏像修復については平成17年度臼田町教育委員会から佐久市教育委員会へ管理が移行して市文化財となり、実際の修復活動に入れなかったが平成18年度は理解が得られて百体観音の修復に本格的に取り組んだ。
    • 入沢焼きの復興
      校内に窯を窯元の指導の下製作し、学校林のアカマツで試し焚きを行った。
  • アパレルデザイン科
    • 廃棄される衣料のリメイクの研究
      パッチワークタペストリーの製作、古布を利用した布コサージュの製作を行った。

4 連携地域推進協議会の構成及び活動状況等

(1)構成

氏名 所属・職名
唐澤 長嘉 佐久農業改良普及センター 企画員
高見沢 省三 元教員
黒沢 国夫 会社役員
大工原 英子 共に歩む臼田の会会長
清水 秀文 臼田高等学校教諭 環境緑地科
三井 勝人 臼田高等学校実習担当教諭 インテリア科
土屋 敏子 臼田高等学校教諭 アパレルデザイン科

(2)活動状況

平成17年度

 事業は5月から行っており事業の説明や活動協力は委員の方には協議会を持つ前にも協力をいただいていた。そして第1回協議会を平成17年12月14日(水曜日)に実施した。この会議では今年度の取り組みの中間発表を生徒から行ってもらい学校側の協議員から補足説明を行い今後の運営について話し合った。
 第2回目は2月22日(水曜日)に行った。平成17年度の成果発表を生徒に行ってもらい協議委員より意見をいただいた。

平成18年度

 第1回は9月21日に行い、今年度の取り組み状況を校内と実験協力水田の見学をしていただいて意見をいただいた。
 第2回は2月15日に行い、平成18年度の成果発表を生徒に行ってもらい協議委員より意見をいただいた。
 その他11月22日の環境緑地科「オオアカウキクサの農業利用研究発表会」を参観していただいた。

5 推進校における活動の概要等(できるだけ具体的に記入すること)

(1)活動前の地域との打ち合わせ

佐久市上小田切地区地蔵池に生息する絶滅危惧種オオアカウキクサの農業利用の研究

 佐久市十二新田集落代表者および佐久農業改良普及センターと耕作前に打ち合わせを生徒も交えて行った。平成18年度からは有機米農家の協力もいただいた。

医王寺の仏像修復

 地域の寺である医王寺の仏像の補修復元に向けて事前に住職・佐久市教育委員会と打ち合わせを行った。

入沢焼きの復興

 窯製作のため窯元と打ち合わせを行った。

廃棄される衣料のリメイクの研究

 キルト作家徳嵩よし江先生より布の提供を受け、アドバイスをいただいた。

(2)活動の概要

佐久市上小田切地区地蔵池に生息する絶滅危惧種オオアカウキクサの農業利用の研究

1)活動のねらい

 佐久市上小田切地区地蔵池に生息する絶滅危惧種オオアカウキクサの生息環境を知り農業利用を研究することにより、環境保全型農業の実践的な学習活動を行う。

2)活動内容
  • 平成17年度
    農業クラブ活動で研究テーマを推進するとともに、課題研究の中でオオアカウキクサの特性・栽培への利用・肥料や土壌改良材としての利用を研究した。
    • 1水田イネおよびマコモタケとの栽培実験経過
      • 5月 水田へのイネおよびマコモタケの田植え
      • 6月 オオアカウキクサの水田への接種および繁殖実験
      • 7〜9月 生育調査、雑草調査
      • 9〜11月 マコモタケの収穫調査
      • 10月 イネの収穫調査
      • 11月 まとめ
    • 2課題研究での生徒個人研究テーマ
      • オオアカウキクサの実験池での増殖量調査
      • オオアカウキクサのタイプ別生育特性の調査(但馬型、大和型、ハイブリッド型)
      • オオアカウキクサのマコモタケ栽培への応用
      • オオアカウキクサのイネ栽培への応用
      • オオアカウキクサの分解物を使った肥料土壌改良材の研究
      • インテリア科
    • 3農業クラブ等での研究発表
      • 7月 長野県農業クラブ県大会 環境の部 優秀賞
      • 8月 イスラエル・パレスティナ学生交流会で発表
      • 11月 佐久市上小田切地区文化祭で発表
      • 11月 佐久市農業祭展示
      • 12月 長野県専門高校発表会での発表
  • 平成18年度
    • 1水田イネおよびマコモタケとの栽培実験経過
      • ほぼ18年度と同様に行った。
      • 平成17年度に加え有機米農家の水田にオオアカウキクサの導入を農業改良センターとともに行った。
    • 2課題研究・環境科学基礎での生徒研究テーマ
      • オオアカウキクサのマコモタケ栽培への応用(環境科学基礎)
      • オオアカウキクサのイネ栽培への応用(環境科学基礎)
      • オオアカウキクサの分解物を使った肥料土壌改良材の研究(課題研究)
      • オオアカウキクサとイネ・フナとの組み合わせ栽培(課題研究)
    • 3農業クラブ等での研究発表
      • 7月 長野県農業クラブ県大会 環境の部 入賞
      • 11月 佐久市上小田切地区文化祭で発表
      • 11月 佐久市農業祭展示
      • 11月 環境緑地科「絶滅危惧種オオアカウキクサの農業利用の研究」発表会
        佐久市コスモホール 三重大学名誉教授 渡辺巌先生基調講演
      • 12月 長野県専門高校発表会での発表
3)教育課程上の位置づけ
  • 環境科学基礎 2年生
  • 課題研究 3年生
4)連携先の概要
  • 長野県佐久農業改良普及センター 佐久市跡部65-1
  • 佐久市十二新田集落 協定農家71戸 協定代表者 井出 誠氏

医王寺の仏像修復

1)活動のねらい

 仏像修復と技術習得により地域文化と技術の担い手としての意識の醸成をはかる。

2)活動内容
  • 平成17年度
    医王寺より調査学習のため仏像を借用した。佐久市教育委員会とともに調査と修復への準備を行った。
  • 平成18年度
    接着技術の習得により仏像修復に着手することができた。金箔張りの技術は導入段階で今後修復に生かせるように検討したい。
3)教育課程上の位置づけ

 課題研究の5名のグループが中心に活動した。

4)連携先の概要
  • 医王寺 佐久市臼田
  • 佐久市教育委員会

入沢焼きの復興

1)活動のねらい

 入沢焼きの復活により地域の技術の継承と担い手の育成を行う。

2)活動内容
  • 平成17年度
    入沢焼きの初代窯元の塑像(恵比寿・大黒・不動明王・狐)復元と地域祭(小満祭)へ展示した。
    また校内に薪釜を復元を計画した。また学校演習林より風倒木の採取(アカマツ)を行い燃料の確保を行った。山陶社の末岡先生より塑像技術の指導をいただいた。
  • 平成18年度
    昨年度の活動から校内の薪窯の復元が完成し、火入れを行うことができた。
    臼田工業展・臼田高校文化祭へ出品することができた。
3)教育課程上の位置づけ

 課題研究の5名のグループが中心に活動した。

4)連携先の概要
  • 加藤工房(入沢焼き窯元) 加藤公史氏 佐久市入沢

廃棄される衣料のリメイクの研究

1)活動のねらい

 身近にある利用されなくなった衣類の再利用を考え、物を大切にする心を養う

2)活動内容
  • 平成17年度
    日本の古布(てぬぐい、ふとんカバー)を用いて、パッチワークタペストリーの製作を行った。キルト作家の徳嵩よし江先生に8回来校(ボランティア)していただき、指導を受け2かける2メートルの大作を仕上げることができた。この作品は12月に長野県専門高校発表会で発表した。
  • 平成18年度
    日本の古布(手ぬぐい、着物)を利用し、校章のパッチワークタペストリーを製作。臼田高校100周年記念事業、文化祭にて発表。着物を利用した布コサージュの製作。PTA研究集会にて保護者に作り方の指導を生徒が行った。
3)教育課程上の位置づけ
  • 3年生選択 手芸の授業で行った。
4)連携先の概要
  • キルト作家 徳嵩よし江氏
  • 共に歩む臼田の会 会長 大工原英子氏

6 活動の成果

佐久市上小田切地区地蔵池に生息する絶滅危惧種オオアカウキクサの農業利用の研究

 オオアカウキクサが水田を覆うことによる雑草抑制効果があること、また肥料としての利用の可能性があることが、地域での発表を通じて単なる雑草から絶滅危惧種であり農業利用できることが理解されてきた。
 このことにより佐久市上小田切十二新田集落の集落協定に臼田高校のオオアカウキクサの農業利用等の学校教育との連携が盛り込まれ、活動が円滑に行えた。

医王寺の仏像修復

 新聞報道を通じ地域の関心や期待が高まってきた。職員・生徒とも知識や技術面での研鑽が必要である。

入沢焼きの復興

 小満祭での展示では地域の方から昔懐かしい恵比寿・大黒等の展示に対し、お褒めの言葉をいただいた。薪窯を復元することができ今後の活用が期待される。

廃棄される衣料のリメイクの研究

 2年間の活動を通じ素材の生かし方への発想力が高まったと考えられ、その感性がデザインへも生かされるようになってきた。

7 2年間の研究の全体的な評価

 生徒は地域の課題を自分達のテーマとして設定し活動することにより、学習や実習への意欲が向上した。
 しかし、このような活動が地域にあまり知られることがないのが現状であり、今後PRの機会、生徒が発表できる機会を設定することが必要である。

8 今後の課題およびこれからの取り組み

佐久市上小田切地区地蔵池に生息する絶滅危惧種オオアカウキクサの農業利用の研究

 平成19年度は佐久地域の生産者へのこの技術が入っていく。成功するのが今後の広がりへの鍵であり今年が勝負の年である。臼田高校・佐久市十二新田・農業改良普及センターの協力が重要である。

医王寺の仏像修復

 新聞報道を通じ地域の関心や期待が高まってきた。職員・生徒とも知識や技術面での研鑽が必要である。

入沢焼きの復興

 小薪窯を復元することができ今後の活用が期待される。

廃棄される衣料のリメイクの研究

 生徒が古布利用に新たにどのような作品を考えるか。動機付けが必要である。
 以上の4テーマにとどまらず、地域の課題を掘り起こし、生徒のテーマとして設定し、生徒が専門科で学ぶことが地域へどのようにつながり、自らの学びが生かされていくか体感する場を作ってあげることが今後の課題である。


平成17年度・18年度みんなの専門高校プロジェクト推進事業報告書(2)

都道府県名 長野県
推進地域名 佐久市

1 推進校の概要

(1)専門高校

学校名 長野県臼田高等学校
学科 環境緑地科・インテリア科・アパレルデザイン科
生徒数 493名
住所及び電話番号 長野県佐久市臼田751 電話 0267-82-2035

(2)推進校または地域の連携機関

学校名または地域連携機関の名称 佐久市立臼田小学校
児童・生徒数または参加協力者数 338名

学校名または地域連携機関の名称 社会福祉法人 臼田保育園
児童・生徒数または参加協力者数 75名

2 研究テーマ及び研究において特に重点をおいたところ

テーマ「食農教育の推進のための地域における保育園・学校間連携のあり方を考える」

 臼田高等学校では平成14年度・15年度豊かな体験活動推進地域として臼田町の小中学校と連携して活動を行ってきた。この中から、臼田保育園・臼田小学校と臼田高等学校の圃場を利用した栽培学習交流が行われている。「土からの学び」を通じ食農教育としてより体系的に行っていくため、幼児、児童の発達に応じ、高校生がどう関わって自然・農業・食へふれあい関心を高め理解させていけるか、高校生が教える立場に立ちながら自らにも学んでいけるよう配慮し指導研究を行った。

3 研究の概要

(1)平成17年度

1)臼田保育園との交流

  • 近隣の臼田保育園年長クラスと本校選択科目「生物活用」(他学生徒選択可)の授業にてサツマイモ栽培を通じて、「土への親しみ」を深めると共にコミニケーションの能力育成の場とし、年4回の交流を実施した。

2)臼田小学校との交流

  • 近隣の臼田小学校1年生とは、本校環境緑地科2年生と専門教科「環境科学基礎」で本校樹木見本園でのどんぐり拾いや挿し木を通じ、自然環境に親しみを持ちながらの年2回の交流を展開した。
  • 同小学校2年生とは本校環境緑地科環境コース専門科目「グリーンライフ」の授業で生徒が「教える立場」になりラッカセイの栽培を通じた農業学習交流を年4回展開。収穫後は小学校に2回出向き「ざる豆腐を」作った。

(2)18年度

1)臼田保育園との交流

  • 前年度とほぼ同様にサツマイモ栽培を通じた農業交流を生徒自ら自発的に展開した。また本年度は、サツマイモ栽培だけでなく、花の栽培にも目を向け、「ひめひまわり」やパンジーの栽培にも挑戦した。更にサツマイモ収穫時には「園児の保護者も招き、園児・保護者・生徒と3者が楽しみながら交流を深めた。

2)臼田小学校との交流

  • 昨年とほぼ同様な形で生徒が主体的に且つ積極的に年4回の交流を行った。特に本年度は、事前学習や児童への説明方法について、時間をついやし、「先生役」となる生徒の専門知識やコミニケーション能力が十分発揮できた農業交流学習となった。

4 連携地域推進協議会の構成及び活動状況等

(1)構成

氏名 所属・職名
金丸 厚子 臼田小学校2学年主任 教諭
井出 和子 臼田小学校1学年主任 教諭
田原 尚子 臼田保育園理事長
荒木 達雄 佐久農業改良普及センター主任
山下 昌秀 臼田高等学校教諭
六川 忠幸 臼田高等学校実習担当教諭

(2)活動状況

1)17年度

  • 臼田保育園との交流
    • 臼田保育園年長組と3年生選択科目(他学科生徒も選択)「生物活用」の授業でのサツマイモ栽培体験学習を年4回行い栽培体験を通じた双方の交流を行った。4回目の交流会は保育園に訪れ、「焼き芋会」を通じて、1年間の交流を振り返りながら、自ら栽培収穫したサツマイモの味に感激していた。
  • 臼田小学校との交流
    • 臼田小学校1年生と環境緑地科2年生が環境科学基礎の授業の中でドングリ拾い落ち葉拾い、のこぎり引き体験、さし木体験を行った。
    • 臼田小学校2年生と環境緑地科3年生が専門科目「グリーンライフ」の授業の中でラッカセイ・ダイコンの栽培から収穫・調理の交流会を年5回おこなった。また、小学校では高校生が出向き豆腐作りを行った。農業改良普及センターより授業参観をしていただいて、アドバイスや来年度への課題を指摘していただいた。

2)18年度

  • 臼田保育園との交流
    • 前年度とほぼ同様にサツマイモ栽培を通じた農業交流を生徒自ら自発的に展開した。収穫時は、親子で、本校に招き、一緒に収穫をする中で、学校開放・農場開放につながった。また本年度も、サツマイモ栽培だけでなく、花の栽培にも目を向け、受業生とが栽培した「ひめひまわり」を保育園の庭に一緒に植えたり、パンジーの種まきや鉢上げも交流の中で行い、2月の「卒園音楽会」に招待された際、一人ひとりに手渡し、「心の交流」が一層深まった。

5 推進校における活動状況

(1)活動前の地域との打ち合わせ

 事前打ち合わせを含めると4回行った。4月上旬〜下旬にかけて、小学校や保育園との事前打ち合わせを行った。平成17年7月29日には、それぞれの交流の中間活動状況の報告や意見交換会を行った。平成18年1月30日には、それぞれの立場から「土からの学びと地域連携の可能性」をテーマに、今年度の反省と今後の展開について、話し合った。

(2)活動の概要

1)活動のねらい

 小学校や保育園との交流を通じ、植物栽培知識の定着と園児や児童の「土からの学び」を通じた農業や自然環境への興味の啓発、互いのコミニケイション能力向上と「相手に伝える力」の育成。

2)活動内容

〈17年度〉
  • 臼田保育園との栽培交流
    • 1事前打ち合わせ
      • 平成17年度4月19日(火曜日)保育園にて担当者が集まり日程・内容の検討。
      • 対象は年長クラス13名。
    • 2交流について
      • 選択科目「生物活用」(普通科・環境緑地科・インテリア科・アパレルデザイン科生徒選択)16名により、交流方法、事前準備を進め、保育園に計画等を通知した。
      • 交流方法としては、高校生と園児がペアーになり、サツマイモを教材にして、自己紹介・グループづくり・苗の定植(5月16日)、サツマイモの観察・除草作業(8月29日)・サツマイモの収穫・パンジーの鉢上げ(10月31日)、焼き芋会(11月8日保育園にて)、音楽会での鉢花贈呈(平成18年2月18日)。
  • 臼田小学校との農業学習交流
    • 2年生との交流
      • 1事前打ち合わせ
        • 平成17年度4月21日(木曜日)本校にて担当者が集まり日程・内容の検討。
        • 対象は小学校2年生2クラス(57名)
      • 2交流について
        • 環境緑地科選択科目「グリーンライフ」(16名)により、交流方法、事前準備を進め、小学校に計画等を通知した。
        • 交流方法としては、高校生と児童がペアーになり、ラッカセイを教材にして、自己紹介・グループづくり・土づくり・播種(5月23日)、定植作業(6月14日)除草・観察・秋ダイコン播種(7月19日)、ラッカセイ収穫・秋ダイコン収穫・「収穫祝」として豚汁会食(10月17日)、自作ダイズによるざる豆腐づくり(平成18年2月16日)。
    • 1年生との交流
      • 1事前打ち合わせ
        • 平成17年10月21日(金曜日)臼田小学校にて担当者が集まり日程・内容の検討。
        • 対象は小学校1年生2クラス(57名)
      • 2交流について
        • 環境緑地科必修科目「環境科学基礎」(2年生32名)により、交流方法、事前準備を検討した。
        • 交流は11月14日(月曜日)午前10時小学生来校し、1組は落ち葉ドングリ拾い、ハーブの挿し木、2組は落ち葉ドングリ拾い、のこぎり引き体験を高校生の指導で行った。
〈18年度〉
  • 臼田保育園との栽培交流
    • 1事前打ち合わせ
      • 平成18年度4月11日(火曜日)保育園にて担当者が集まり日程・内容の検討。
      • 対象は年長クラス19名。
    • 2交流について
      • 選択科目「生物活用」(普通科・環境緑地科・普通科ア科・アパレルデザイン科生徒選択)20名により、交流方法、事前準備を進め、保育園に計画等を通知した。
      • 交流方法としては、高校生と園児がペアーになり、サツマイモを教材にして、自己紹介・グループづくり・苗の定植(5月16日)、サツマイモの観察・除草作業(8月29日)・サツマイモの収穫(親子で収穫)・パンジーの鉢上げ(10月31日)、焼き芋会(11月8日保育園にて)、音楽会での鉢花贈呈(平成18年2月18日)。
  • 臼田小学校との農業学習交流
    • 2年生との交流
      • 1事前打ち合わせ
        • 平成18年度4月20日(木曜日)本校にて担当者が集まり日程・内容の検討。
        • 対象は小学校2年生2クラス(56名)
      • 2交流について
        • 環境緑地科選択科目「グリーンライフ」(15名)により、交流方法、事前準備を進め、小学校に計画等を通知した。
        • 交流方法としては、高校生と児童がペアーになり、ラッカセイを教材にして、自己紹介・グループづくり・土づくり・播種(5月23日)、定植作業(6月14日)除草・観察・秋ダイコン播種(7月19日)、ラッカセイ収穫・秋ダイコン収穫・「収穫祝」として豚汁会食(10月11日)。小学校でのまとめの会(2月2日金曜日)
    • 1年生との交流
      • 1事前打ち合わせ
        • 平成18年10月20日(金曜日)臼田小学校にて担当者が集まり日程・内容の検討。
        • 対象は小学校1年生2クラス(57名)
      • 2交流について
        • 環境緑地科必修科目「環境科学基礎」(2年生32名)により、交流方法、事前準備を検討した。
        • 交流は11月13日(月曜日)午前10時小学生来校し、1組は落ち葉ドングリ拾い、ハーブの挿し木、2組は落ち葉ドングリ拾い、のこぎり引き体験を高校生の指導で行った。

3)教育課程上の位置づけ

  • 「生物活用」2単位・・・3年生の専門科目に関する教科(農業)で全学科対象選択科目
  • 「グリーンライフ」2単位・・・環境緑地科3年生(環境コース)選択科目
  • 「農業科学基礎」2単位・・・環境緑地科2年生対象の専門科目

4)連携先の概要

  • 佐久市立臼田小学校 児童・生徒数または参加協力者数 338名
  • 社会福祉法人 臼田保育園童・生徒数または参加協力者数 75名

6 活動の成果

(1)保育園との交流

  • 生徒と園児が会を重ねるたびに、コミニュケーションがとれ、ゆったりとした中で互いの交流ができた。収穫までに、除草などの管理をする場面も交流会の中に作った。収穫時には、秤を準備し、園児と一緒に重さを比較したり、植物の生育に興味を持ってもらうよう工夫した。
  • 今年度は、パンジーの植えかえも園児に体験させることにより、自分の育てた鉢花で「音楽会を飾りそれをプレゼントする」試みをし、園児に花への興味と親しみを持ってもらえるように考えた。
  • サツマイモの収穫時に親子で本校農場を訪れ、一緒に収穫交流したが、保護者から「我が子の交流の様子がよくわかり来年度も実施を」との声が聞かれ、保育園側も熱望している。学校開放・農場開放の一環としてはこれからの「地域に開かれた学校づくり」のきっかけになると思われる。

(2)小学校との交流

  • 2年生との交流
    • 「食農、食育教育」の一環として、「土づくり〜食す」までの課程を、本校生徒との交流をしながら、体験的に学ぶことができた。高校生は、日頃の農業学習を相手の目線になって指導できるように工夫した。(説明図、各自の事前学習)
      例えば、発芽しなかったグループは、その理由(覆土が多かった)を考え、種の追播きをするなど、児童が失敗を通じて植物栽培の難しさを実感できる場面となった。
      また、互いが好感を持てる交流となった。特に、本年度は、収穫祝いとして、肉以外の材料は全て学校産(味噌や野菜等)のものを使い豚汁をつくり、会食を通じて、「食」への感謝と安全性を考えるきっかけとした。
    • 交流の回数や観察、収穫、最後に食すことを考えると、今後作目の検討が必要。
  • 1年生の交流
    • 小学生にとって2年生の交流に向け動機付けになったこと、高校生にとっても自然観察・農業体験をより実践的な方法で行うことで、来年3月年で履修する科目への動機付けとなった。

7 2年間の研究の全体的な評価

 「交流のための交流」ではなく、相互に学びを深めるには、児童や園児の興味を引き出すような導入の仕方や体験的交流の事前指導充実を図ることが重要。特に小学校との交流においては農業学習的な要素を盛り込みながら、「食農教育・食育教育」の推進を図る場にしていく。また、育てて、食すまでの行程を踏みながら、生徒と児童・園児間のコミニュケーションの中から質問やそれに答える力を今後も高校生に養わせていきたい。他学科の生徒にとっては「農業系」「福祉系」「保育士」などの進学のきっかけや実践的な体験になり、進路指導にも役立っている。

8 今後の課題

 本校には普通科の他に環境緑地科を含め3学科の専門科がある。農業学習を基盤とした食農・食育、または自然環境学習の視野を広め、互いの学科の総合的な協力の下で、「地域交流」を展開してはどうか。例えば、農産物を交流の中でつくり、その調理方法や栄養について、家庭科の先生方の協力を得る。自然環境学習の中で樹木の加工方法や利用方法について、インテリア科の協力を得る等。小学校への高校生の「出前授業」など互いが行き来をする交流に展開できればと思う。


平成17年度・18年度みんなの専門高校プロジェクト推進事業報告書(3)

都道府県名 長野県
推進地域名 佐久市

1 推進校の概要

(1)専門高校

学校名 長野県臼田高等学校
学科 環境緑地科
生徒数 518名
住所及び電話番号 長野県佐久市臼田751 電話 0267-82-2035

2 研究テーマ及び研究において特に重点をおいたところ

テーマ「臼高自然塾を通じた地域交流ボランティア活動の育成」

重点を置いたところ

 臼田高等学校では平成14年度・15年度豊かな体験活動推進地域として臼田町の小中学校と連携して活動を行ってきた。この中から、平成15年度より地域へのボランティア活動「臼高自然塾」が行われている。この活動により実践的な環境教育の推進と地域文化活動への貢献、および休日の学校利用方法の研究のためテーマを設定した。
 活動は環境緑地科2年生の選択授業学校選択科目「自然環境」を選択した生徒10名があたった。運営に当たっては生徒が主体となって取り組めるよう、指導に当たる外部講師の方々にも主旨をご理解頂いて指導して頂いた。また、事前学習に当たりメール等を活用して事前準備の宿題をやりとりした。

3 研究の概要

平成17年度

 環境緑地科2年生自然環境選択生を中心に、年6回土曜日に自然観察会「臼高自然塾」を企画し運営した。この活動には塾生として地域住民24名に参加していただき、講師には大学やNPOの方々に加わって生徒も教える側に立って運営した。
それぞれの企画の前に「臼高自然塾便り」を発行して、参加者へ送付するとともに地域の小中学校にも配付して知識の共有化を行った。

平成18年度

 前年度とほぼ同様の活動を行った。この活動には塾生として地域住民15名に参加していただき、講師には大学やNPOの方々に加わって生徒も教える側に立って運営した。講師の先生を中心として推進協議会を組織し、生徒の主体的な取り組みができるよう研究協議した。

4 連携地域推進協議会の構成及び活動状況等

(1)構成

氏名 所属・職名
杉山 要 NPO法人そまびとクラブ理事 日本野鳥の会軽井沢支部事務局長
木村 晃 NPO法人そまびとクラブ理事 森林インストラクター
木村 悟朗 信州大学繊維学部大学院 水生昆虫
吉本 雄氣 信州大学繊維学部大学院 植物プランクトン
清水 秀文 臼田高等学校教諭
山本 浩文 臼田高等学校教諭
上原 幸安 臼田高等学校実習担当教諭

(2)活動状況

1)平成17年度

4月25日に1年間の計画立案と塾生募集の方法の検討のため、協議会を行った。
1月14日(土曜日)には協議会で17年度最後の自然塾を参観して、来年度の日程や運営方法・授業展開への工夫等話し合った。

2)平成18年度

4月11日に1年間の計画立案と塾生募集の方法の検討のため、協議会を行った。
1月13日(土曜日)には協議会で18年度最後の自然塾を参観して、問題点や今後の活動への工夫等話し合った。

5 推進校における活動の実施状況等

(1)活動前の地域との打ち合わせ

  • 各年度4月に協議会を持ち企画・運営を話し合った。
  • 生徒と教諭が地域の中学校3校小学校9校をまわり主旨を説明し参加を呼びかけた。

(2)活動概要

1)活動のねらい

 この活動により実践的な環境教育の推進と地域文化活動への貢献、および休日の学校利用方法の研究のためテーマを設定した。

2)活動内容

平成17年度

 活動は環境緑地科2年生の選択授業学校選択科目「自然環境」を選択した生徒10名があたった。

4月下旬 生徒 小中学校訪問 自然塾PRと受付開始
5月上旬 自然塾便り発行
5月12日(木曜日) 信州大学大学院木村吾朗さん指導で事前授業(川虫の観察)
5月22日(日曜日) 第1回自然塾 開講式
川虫の観察 千曲川臼田橋下から臼田高校
6月上旬 自然塾便り発行
6月6日(月曜日) 信州そまびとクラブ杉山要さん指導で事前授業(春の鳥の生態)
6月18日(土曜日) 第2回自然塾 洞源湖 野鳥の観察
7月上旬 自然塾便り発行
7月7日(木曜日) 信州そまびとクラブ木村晃さん指導で樹木観察事前学習
7月23日(土曜日) 第3回自然塾 この木何の木 臼田高校植物見本園
7月下旬 自然塾便り発行
8月23日(火曜日) 信州そまびとクラブ木村晃さん指導で演習林で森林学習事前指導
9月17日(土曜日) 第4回自然塾 森林観察教室 臼田高校演習林
9月下旬 自然塾便り発行
10月3日(月曜日) 信州大学大学院太田北斗さん指導で植物プランクトン観察事前指導
10月15日(土曜日) 第5回自然塾 植物プランクトンの世界 臼田高校
12月下旬 自然塾便り発行
12月20日(火曜日) 信州そまびとクラブ杉山要さん指導で事前授業(冬の鳥の生態)
1月14日(土曜日) 第6回自然塾 冬鳥の観察 東京電力佐久調整池
修了式
2月中旬 自然塾便り発行
平成18年度

 活動は環境緑地科2年生の選択授業学校選択科目「自然環境」を選択した生徒8名があたった。

4月下旬 生徒 小中学校訪問 自然塾PRと受付開始
5月上旬 自然塾便り発行
5月10日(水曜日) 信州大学大学院木村吾朗さん指導で事前授業(川虫の観察)
5月27日(土曜日) 第1回自然塾 開講式
川虫の観察 幼虫と成虫 千曲川臼田橋下から臼田高校
6月上旬 自然塾便り発行
6月6日(火曜日) 信州そまびとクラブ杉山要さん指導で事前授業(春の鳥の生態)
6月17日(土曜日) 第2回自然塾 洞源湖 野鳥の観察
7月上旬 自然塾便り発行
7月12日(水曜日) 信州そまびとクラブ木村晃さん指導で樹木観察事前学習
7月29日(土曜日) 第3回自然塾 木の名前を知ろう 臼田高校植物見本園
8月下旬 自然塾便り発行
8月18日(金曜日) 信州大学大学院吉本雄氣さん指導で植物プランクトン学習事前指導
9月2日(土曜日) 第4回自然塾 プランクトンの世界
9月下旬 自然塾便り発行
9月21日(木曜日) 信州そまびとクラブ木村晃さん指導で森林観察事前指導
10月14日(土曜日) 第5回自然塾 植物プランクトンの世界 臼田高校
12月下旬 自然塾便り発行
12月21日(木曜日) 信州そまびとクラブ杉山要さん指導で事前授業(冬の鳥の生態)
1月13日(土曜日) 第6回自然塾 冬鳥の観察 東京電力佐久調整池
修了式
2月中旬 自然塾便り発行

3)教育課程上の位置づけ

 事前学習および事後学習(自然塾だよりの発行)は学校設定科目「自然環境」の授業活動として行った。自然塾当日の活動はボランティア活動として授業時間内の活動とは別個のものとして行った。

4)連携先の概要

  • NPO法人信州そまびとクラブ
    佐久市大字根岸294 専従4名 会員20名
    設立の主旨
    1. 林業の当事者として、木材自給率を高めることの重要性を広く人々に知らしめ。
    2. 森林と関わろうとするすべての人々に、林業従事者でなければできない支援を行い。
    3. 自ら、森林の整備育成を行うことにより、新たな森林の活用方法と施業技術の開発に取り組み。
    4. それらを通じて、山林労働者の社会的地位の向上にも寄与する。
  • 信州大学繊維学部応用生態学講座
    上田市常田3-15-1

6 活動の成果

7 2年間の研究の全体的な評価

8 今後の課題およびこれからの取り組み