平成17年度・18年度みんなの専門高校プロジェクト推進事業報告書

都道府県名 新潟県
推進地域名 南魚沼市塩沢

1 推進校の概要

(1)専門高校

学校名 新潟県立塩沢商工高等学校
設置大学科 機械・商業
設置小学科 機械システム科・商業科
生徒数 565名
住所および電話番号 〒949-6433 新潟県南魚沼市泉盛寺701-1 025-782-1111

(2)小・中学校

学校名 南魚沼市立塩沢中学校
生徒数 659名
住所及び電話番号 〒949-6439 新潟県南魚沼市中778-1 025-782-0508

学校名 南魚沼市立塩沢小学校
児童数 539名
住所及び電話番号 〒949-6408 新潟県南魚沼市塩沢1538-1 025-782-0070

2 研究テーマ及び研究において特に重点を置いたところ

(研究テーマ)

 専門高校と小・中学校が連携し、小・中学生に「ものづくり」「ビジネス感覚」等の意欲・関心を高めさせ、専門高校の活性化を図る施策および連携による体験授業の望ましいあり方を研究する。

(重点を置いたところ)

  • 工業では、体験学習を通じて小・中学生に「もの」をつくる楽しさ・感動・意欲を醸成させ、工業への意欲・関心を高めさせる。
  • 商業では、「国際感覚」「ビジネスマナー」を養い、商業への意欲・関心を高めさせる。
  • 高校生に指導体験させることにより生徒自身の学習意欲・関心を向上させる。
  • 専門高校を理解してもらい、小・中学生に自分の進路の意識を持たせる。
  • 協議会を通じて、小・中・高の相互理解と連携を深める。

3 研究の概要

  実施状況
17年度
  • 全体
    • 学校見学会 10月19日(水曜日)〜21日(金曜日) 参加生徒 計 250名
  • 工業
    • 陶器の風鈴作り、塩沢商工の紹介(塩沢小学校)
    • ピンホールカメラの作成、ロボット制御の実演・体験操作(塩沢中学校)
    • 学校見学会(塩沢中学校)
  • 商業
    • 3年生200名対象に面接練習
    • 全商スピーチコンテストの見学(塩沢中学校)
    • 学校見学会(塩沢中学校)
  • 研修会
    • 推進校と連携校の教員による合同研修会
      ハローワーク六日町 「仕事に対する動機づけ」
      (塩沢小学校、塩沢中学校、ハローワーク六日町、塩沢商工高校)
18年度
  • 全体
    • 学校見学会 8月25日(金曜日) 参加生徒 約200名
  • 工業
    • リサイクル工作 PETボトル浮沈子、牛乳パックのイス(塩沢小学校)
    • 小学生の高校見学(塩沢小学校)
    • ロボット制御の実演・体験操作(塩沢中学校)
    • 学校見学会(塩沢中学校)
  • 商業
    • 3年生200名対象に面接練習(塩沢中学校)
    • 学校見学会(塩沢中学校)

4 連携推進地域協議会の構成及び活動状況等

(1)構成

氏名 所属・職名 備考
小林 博 新潟県立塩沢商工高等学校 校長  
木村 栄一 新潟県立塩沢商工高等学校 教頭  
中野 哲也 新潟県立塩沢商工高等学校 教諭 機械システム科
西潟 一隆 新潟県立塩沢商工高等学校 教諭 商業科
樋口 孝義 南魚沼市立塩沢中学校 校長  
奥野 正春 南魚沼市立塩沢小学校 校長  
大湊 卓郎 新潟県教育庁高等学校教育課 指導主事(平成17年度)  
小林 篤子 新潟県教育庁高等学校教育課 指導主事(平成18年度)  
吉越 忠英 六日町公共職業安定所 所長(平成17年度)  
小林 泰心 六日町公共職業安定所 所長(平成18年度)  

(2)活動状況

1)平成17年度

  • 工業
    • 10月25日,11月28日,12月8日
      塩沢商工高校の紹介、陶器の風鈴作り(塩沢小学校)
    • 11月9日,11月10日,11月11日
      ロボット実演と体験操作(塩沢中学校)
  • 商業
    • 10月18日,10月18日,10月19日
      『面接指導』3年生2クラスに2時間連続で実施(塩沢中学校)
    • 11月15日
      『第24回新潟県高等学校スピーチコンテスト』を見学
      (塩沢中学校、2年生2名、1年生1名)
    • 11月28日
      『面接指導』公開授業の際に3年生1クラスに1時間実施(塩沢中学校)

2)平成18年度

  • 工業
    • 8月25日
      中学生を対象に学校見学会
    • 10月26日,11月2日
      リサイクル工作 PETボトル浮沈子、牛乳パックのイス製作(小学校)
    • 12月7日
      小学生の高校見学(小学校)
    • 平成19年.
      1月23日,2月1日
      ロボット制御の実演・体験操作(中学校)
  • 商業
    • 8月25日
      学校見学会を実施(塩沢中学校)
    • 10月18日
      『面接指導』を3年生1クラスに1時間実施(塩沢中学校40名)
    • 10月19日
      『面接指導』を3年生2クラスに1時間ずつ実施(塩沢中学校80名)
    • 10月25日
      『面接指導』を3年生1クラスに1時間実施(塩沢中学校40名)
    • 11月28日
      『面接指導』を3年生1クラスに1時間実施(塩沢中学校40名)
    • 12月9日
      『面接指導』を3年生1クラスに1時間実施(塩沢中学校40名)

5 推進校における活動の実施状況等

(1)活動前の地域との打合せ

平成17年度

  • 6月6日
    塩沢商工高校内にプロジェクト委員の新設
  • 7月11日
    授業アイデア案の作成
  • 8月25日
    塩沢小学校訪問 事業説明と授業アイデア案の説明
  • 8月26日
    塩沢中学校訪問 事業説明と授業アイデア案の説明
  • 9月26日
    協議会の開催 事業に関する協議、実施スケジュール説明
  • 10月28日
    第1回「みんなの専門高校プロジェクト推進事業」協議会
  • 12月5日
    第2回「みんなの専門高校プロジェクト推進事業」協議会
    ハローワーク六日町講演会「仕事に対する動機づけ」

平成18年度

  • 9月5日
    塩沢中学校訪問 事業説明と授業アイデア案の説明
  • 9月14日
    塩沢小学校訪問 事業説明と授業アイデア案の説明

平成19年

  • 3月6日
    第3回「みんなの専門高校プロジェクト推進事業」協議会

(2)活動概要

  • 工業
    学校名
    学科等・人数
    活動概要
    (活動内容方法、ねらい、教育課程上の位置付け等)
    塩沢商工高等学校
    機械システム科 4名
    1 塩沢商工高校の紹介(平成17年度)、塩沢商工高校の見学(平成18年度)
    • (1)活動のねらい
      小学校の児童に専門高校を理解してもらう。
    • (2)活動内容
      パワーポイントや施設見学をとおして、当校の理解を深めさせた。
    • (3)教育課程上の位置づけ
      クラブ活動
    • (4)提携先
      塩沢小学校 工作エジソンクラブ(4,5,6年生) 12名
    塩沢商工高等学校
    機械システム科 4名
    2 陶器の風鈴作り(平成17年度)
    • (1)活動のねらい
      陶器づくりを通して、ものづくりの楽しさを理解させる。
    • (2)活動内容
      • 陶器の製造過程を説明した。
      • 児童が陶器を成型して焼成、色付けまで行った。
    • (3)教育課程上の位置づけ
      クラブ活動
    • (4)提携先
      塩沢小学校 工作エジソンクラブ(4,5,6年生) 12名
    塩沢商工高等学校
    機械システム科 3名
    3 リサイクル工作 PETボトル、牛乳パック(平成18年度)
    • (1)活動のねらい
      リサイクルの大切さを考えさせ、リサイクル工作の方法を学ばせる。
    • (2)活動内容
      • リサイクルの仕組みや方法を説明する。
      • PETボトル浮沈子の製作。
      • 牛乳パックのイスの製作。
      • ケント紙のピンホールカメラを組み立て、原理を確認させる。
    • (3)教育課程上の位置づけ
      クラブ活動
    • (4)提携先
      塩沢小学校 工作エジソンクラブ(4,5,6年生) 12名
    塩沢商工高等学校
    機械システム科 5名
    4 ピンホールカメラの作成(平成17年度)
    • (1)活動のねらい
      カメラの原理を理解させ、ものづくりの関心を高める。
    • (2)活動内容
      • ドラフターを使用して、黒のケント紙に展開図を作成する。
      • ケント紙のピンホールカメラを組み立て、原理を理解させる。
    • (3)教育課程上の位置づけ
      部活動
    • (4)提携先
      塩沢中学校 科学部(1,2年生) 11名
    塩沢商工高等学校
    機械システム科 5名
    5 ロボット制御の実演と体験操作(平成17、18年度)
    • (1)活動のねらい
      ロボットの仕組みを理解させ、ものづくりの関心を高める。
    • (2)活動内容
      • ロボットを使った競技大会についてビデオで解説する。
      • 中学生にサッカーロボットの動かし方を教え、中学生が実際に設定を行い動作させる。
    • (3)教育課程上の位置づけ
      部活動
    • (4)提携先
      塩沢中学校 科学部(1,2年生)11名
  • 商業
    学校名
    学科等・人数
    活動の概要
    (活動内容方法、ねらい、教育課程上の位置付け等)
    塩沢商工高等学校
    商業科 6名
    面接練習(平成17年度、平成18年度)
    • (1)活動のねらい
       面接の大切さを十分に理解させ、面接試験に向けて何を準備したら良いのかを理解させる。
    • (2)活動内容イコールビジネスマナーを踏まえての面接練習
      • 2時間連続授業にする。
      • 2クラス同時展開にする。
      • 「面接の基本事項」と「面接試験のポイント」のプリントを用意する。
      • 2枚のプリントを利用して、面接の必要性や重要性、ビジネスマナーを理解させる。
      • 補助生徒を使って、服装のチェックを行う。
        (良い例、悪い例を補助生徒に準備させる。)
      • 補助生徒に声の出し方や挨拶の仕方、扉の開け方・閉め方、歩き方、椅子の座り方、お辞儀の仕方の見本をさせる。
      • 補助生徒を使ってロールプレイングを行う。(扉の開け方、閉め方、歩き方、椅子の座り方、お辞儀の仕方などの見本を見せる。)
      • 補助生徒に小グループを作らせ、中学生の指導をさせる。
        (お辞儀、歩き方、椅子の座り方など。)
      • 6人のグループを作り、入り口から面接会場の椅子に座るまでのロールプレイングを全体の前で行う。(指導、講評をする。)
    • (3)教育課程上の位置づけ
      3学年の進路指導
    • (4)提携先
      塩沢中学校 3年生全員(200名)
  • 研修会(平成18年度)
    学校名
    学科等・人数
    活動の概要
    (活動内容方法、ねらい、教育課程上の位置付け等)
    協議会メンバー
    7名
    • (1)活動のねらい
      講演会で進路に関する知識を高め、共有化する。
    • (2)活動内容
      ハローワーク六日町による講演
      「仕事に対する動機づけ」
    • (3)提携先
      ハローワーク六日町

6 活動の成果

 地域の小・中学校に専門学校が貢献するために、専門高校の持つ人材、設備を有効活用した活動ができた。小・中学生が真剣に授業に取り組んでもらったことから、工業や商業の分野に興味・関心を引き付けた授業内容ができた。
 指導については教諭主体、生徒援助だけにとどまらず、生徒主体の指導を行うができ、生徒のリーダーシップ発揮や学習意欲の向上に役立った。また、「ものづくり」、「国際感覚」、「ビジネスマナー」を学ぶ専門高校の先輩として、小・中学生に模範となる高校生像を例示することができた。

7 2年間の研究の全体的な評価

 塩沢商工高等学校の精神でもある「自主自律性の確立」をこころがけた。活動を通して、小・中学校に以前より専門高校の理解を深めてもらうことができ、今後の交流に役立つ基礎となった。また、地域にも専門高校プロジェクトを新聞報道でアピールすることができた。今回の活動を通して、専門高校を進路の選択肢として、以前より理解してもらえたと考える。
 工業では、質問も多くあったことから、ものづくりの楽しさ・好奇心を十分に引き出したと思う。また、自分で苦労してものづくりを行ったので、ものづくりの難しさやできたときの達成感も味あわせることができた。

 商業では、ビジネスマナーにおける面接指導を高校の先生から受けることができて、普段の授業と違って中学生にとっては良い刺激になったようだ。特に中学生はロールプレイングを通して、実りの多い体験ができた。

8 今後の課題及びこれからの取り組み

 2年間の活動を継続してほしいと小・中学校からの要請がきている。連携学校との打ち合わせを早期に行って、テーマを検討したい。小・中学校との連携を貴重な体験として、今後も専門高校の活性化に結び付けたい。