平成17年度・18年度みんなの専門高校プロジェクト推進事業報告書

都道府県名 神奈川県
推進地域名 平塚市

1 推進校の概要

(1)専門高校

学校名 平塚商業高等学校
設置大学科 商業科
設置小学科 商業科・情報処理科・国際経済科
生徒数 621人(平成18年5月1日現在)
住所及び電話番号 所在地 神奈川県平塚市中里50-1 電話 0463-31-2385

2 研究テーマ及び研究において特に重点を置いたところ

(1)研究テーマ

 開かれた学校づくりの推進や特色ある高校づくりが求められていることから、専門高校として、地域への教育還元、連携を研究する。また、神奈川県産業教育審議会「地域や産業界等と連携した職業教育の推進」(平成17年6月)の報告を踏まえ、地域と連携してきた実績のある専門高校3校がリーダー的存在となり、経済団体や行政機関、ハローワーク等の協力のもと、地域との組織的な連携をするための研究を行う。これらの活動を通してこれからの職業教育の方向を探ると共に、専門高校の活性化を図る。

(2)研究において特に重点を置いたところ

 推進校は、地域に開かれた学校、地域に根ざした専門高校として取組んでいくため、平塚の七夕まつり、チャレンジショップへの参加充実を図った。オリジナル商品であるキャンディ「天の川のしずく」のパッケージデザインやネーミングの開発に力を注いだ。
 推進校を含む専門高校3校は、合同の学習発表会を開催するにあたり、学校の独自の取組みとの調整を図った。また、推進校は、農業高校や工業高校との共同による商品開発を進めるための効果的な連携方法を検討した。

3 研究の概要

(1)平成17年度

  • 1平塚七夕まつりへ竹飾りやボランティア活動(生徒・保護者)で参加。平塚TMOチャレンジショップへ参加。商品開発としてキャンディ「天の川のしずく」開発。平塚駅前商店街の「あきんど市」に参加。「暮らしガイドMAP forひとり暮らし」発行。
  • 2井上東海大学教授の助言をいただき、専門高校3校合同の学習内容発表会の具体的事項を研究・検討。

(2)平成18年度

  • 1新商品「棒キャンディ」の開発。チャレンジショップや七夕まつりへの継続的な参加。「あきんど市」や地域のイベントへの積極的な参加。
  • 23校の合同発表会(平塚専門高校フェア)を平塚市民プラザで開催〔平成18年8月17日(木曜日)〜8月22日(火曜日)〕

4 推進地域協議会の構成及び活動状況等

(1)構成

(平成17年度)

氏名 所属・職名
井上 孝 東海大学政治経済学部・学部長
瀬戸 信好 平塚市役所経済部・部長
常盤 卓嗣 平塚商工会議所繊維部・副部長
岩渕 俊明 平塚農業高等学校・校長
小磯 章治 平塚工科高等学校・校長
田中 芳雄 平塚市立春日野中学校・校長
松岡 登美 平塚商業高等学校PTA・会長
小松 敬章 平塚商業高等学校・校長
下山田 伸一郎 神奈川県教育委員会教育局高校教育課・課長

(平成18年度)

氏名 所属・職名
井上 孝 東海大学政治経済学部・学部長
瀬戸 信好 平塚市役所経済部・部長
常盤 卓嗣 平塚商工会議所繊維部・副部長
岩渕 俊明 平塚農業高等学校・校長
角田 一平 平塚工科高等学校・校長
宮川 邦生 平塚市立春日野中学校・校長
岩根 有希 平塚商業高等学校PTA・会長
小松 敬章 平塚商業高等学校・校長
下山田 伸一郎 神奈川県教育委員会教育局高校教育課・課長

(2)活動状況

1)平成17年度

  • 第1回みんなの専門高校プロジェクト推進地域協議会
    • 日時場所
      平成18年2月16日(木曜日)14時〜16時 平塚商業高等学校会議室
    • 内容
       委員長を選出し、委員長の司会のもとに「みんなの専門高校プロジェクト推進事業計画」について協議。専門高校3校合同の発表会を8月に実施することを決定。続いて推進校の活動状況について各委員から助言・指導を受けた。さらに平成17年度の研究成果をまとめ、平成18年度に向けての課題について整理した。

2)平成18年度

  • 第1回みんなの専門高校プロジェクト推進地域協議会
    • 日時場所
      平成18年8月22日(火曜日)9時〜12時
      ひらつか市民プラザホール、平塚市民センター会議室
    • 内容
       推進地域協議会の委員全員で「平塚専門高校教育フェア」を見学、各委員から教育フェアに対する感想とともに指導・助言を受けた。委員の方々から専門高校3校連携の教育フェアとしては満足いく内容であるとの意見が出され、市の経済部長からはこうした企画に対しては市として協力・支援していきたいとの提案をいただき、着目すべき取組であり市の広報や地元タウン紙での広報が必要だったとの意見もいただいた。
  • 第2回みんなの専門高校プロジェクト推進地域協議会
    • 日時場所
      平成19年1月11日(木曜日)14時30分〜16時30分 平塚商業高等学校会議室
    • 内容
       平成17、18年度の2年間のみんなの専門高校プロジェクト推進事業について、各委員の意見をいただいた。専門高校は良い取組みをしているのにもう一つ伝わらない。社会の各方面からの専門高校への期待は大きい。時代に対応した教育の展開が必要。この事業の成果や神奈川、平塚という地の利を生かし、これまで以上の努力の積み重ねが必要。などの意見をいただいた。また、専門高校3校の共同事業については、取組は良いことだが、内容や期間について検討が必要。連携校からは、今後、授業での連携等も検討していきたいという意見が出た。

5 推進校における活動の実施状況等

(1)活動前の地域との打ち合わせ

1)「みんなの専門高校プロジェクト推進事業連絡会」…専門高校3校連絡会

  • 第1回 平成17年9月22日(木曜日)
     推進事業について説明を行い、協力を依頼した。東海大学の井上孝教授、平塚商工会議所の常盤卓嗣氏を招き、地域の活性化や3校連携について指導・助言をいただいた。
  • 第2回 平成17年12月1日(木曜日)
     第1回連絡会で指導・助言を頂いた3校合同発表会の実施について話し合いを行った。平塚市経済部産業政策課の協力を得て、8月に実施することとなった。
  • 第3回 平成18年7月20日(木曜日)
     3校合同発表会の名称を「平塚専門高校教育フェア」にすることを確認。担当者が、イベントの具体、役割分担、段取りについて協議した。準備段階での費用の問題と農業高校、工業高校が他の行事との兼ね合いで当日の動員人数の調整が必要だとの課題が提起された。

2)地域の関係機関との連携に係る打合せ

 第1回みんなの専門高校プロジェクト推進地域協議会(平成18年2月16日)の席上チャレンジショップ、平塚あきんど市について、商工会議所に指導・助言をいただいた。平塚専門高校教育フェア(3校合同発表会)の実施にあたり、平塚市の後援名義の承認をいただいた。

  • (参考)校内組織の整備と校内会議
     校内研究推進体制として、「みんなの専門高校プロジェクト推進委員会」を発足。校内会議は年10回開催。
    • (平成17年度)
      7月20日(水曜日)、8月2日(火曜日)、8月11日(木曜日)、10月20日(木曜日)、11月21日(月曜日)、12月22日(木曜日)、1月20日(金曜日)、2月2日(木曜日)、3月2日(木曜日)、3月15日(水曜日)
    • (平成18年度)
      4月19日(水曜日)、5月17日(水曜日)、6月8日(木曜日)、7月10日(月曜日)、7月21日(金曜日)、9月6日(水曜日)、9月25日(月曜日)、10月16日(月曜日)、11月17日(金曜日)、12月18日(月曜日)

(2)活動概要

1)活動のねらい

 専門高校として、地域への教育還元、連携を図りつつ、推進地域内の専門高校3校が合同で学習内容を発表することにより地域内の産学公の協働体制づくりの可能性を追求する。

2)活動内容

1研究、情報・資料収集
  • (ア)県外の取組校(11校)からの資料収集
  • (イ)県外視察
    • 埼玉県立浦和商業高等学校(平成17年12月12日(月曜日))
      小学校・中学校との連携、地域(さいたま市)との連携の取組状況を視察
    • 静岡県立焼津水産高等学校(平成17年12月13日(火曜日))
      「みんなの専門高校プロジェクト推進事業」推進校としての取組内容を視察
    • 愛知県立岡崎商業高等学校(平成17年12月19日(木曜日))
      インターネットカフェ「OKASHOP」の運営状況や地域連携の取組状況を視察
    • 岐阜県立岐阜商業高等学校(平成18年12月7日(木曜日))
      チャレンジショップの運営方法・商品開発状況、検定取得状況、部活動の状況等を視察
  • (ウ)研究図書の購入
2推進校としての活動
  • (ア)商品開発
    • オリジナルキャンディの考案
      • 「天の川のしずく」(平成17年度)、「棒キャンディ」(平成18年度)
         生徒がパッケージデザインとネーミングを考案し、2年間にわたり平塚七夕祭り、平塚あきんど市、地元の夏祭りや県産業教育フェアにて販売。また、地域のサッカーチーム、湘南ベルマーレ(J2所属)の試合(平塚競技場)前にも販売し、好評を得た。現在は手づくり食工房(平塚の中心街活性化のためTM0と市民組織による店舗)や市内の商店で委託販売中。
    • 雑穀クッキーの開発に参画(平成18年度)
      • 「雑穀(ざっこく)ん」
         この事業で連携している、平塚農業高校が開発を進めていた雑穀を使ったクッキーの研究開発に、試食やアンケート、ラベルデザイン、ネーミングなどで参画。
  • (イ)地域イベント参加
    • 湘南平塚七夕まつり
       竹飾り及び案内・清掃ボランティアに参加。生徒会本部役員やPR同好会の生徒が中心となり竹飾りを作成。「七夕まつり」の期間中、専門家作成の飾りと並べて街路に展示された。案内と清掃ボランティアは一般生徒の希望者と、PTA有志が参加。
    • 平塚市自治基本条例制定記念フォーラム
       パネラーとして校長とPR部代表生徒が参加し、推進校の本事業も含め、「まちづくり」(地域協働)参画への意欲と活動を紹介。
    • 第1回平塚商業まつり(いいもんひらつか魅つけ市)
       開発したキャンディをショップで販売。
    • チャレンジショップ
       平塚商工会議所の指導によるチャレンジショップ販売ガイダンスを受け、平塚市紅谷町の「チャレンジショップ」で販売実習を商業科目「総合実践」の授業の一環として実施。
      • 平成17年9月6日(火曜日)〜平成17年11月18日(金曜日) 3年生61名参加
      • 平成18年9月11日(月曜日)〜平成18年10月16日(月曜日) 3年生60名参加
    • 湘南ひらつかテクノフェア<湘南ひらつかテクノフェア2006実行委員会>
       平成18年10月20、21、22日の3日間、にブース参加。平塚農業高校、平塚工科高校も参加。
    • 平塚あきんど市<平塚あきんど塾・平塚商工会議所湘南ひらつかTMO主催>
       商品開発したキャンディ「天の川のしずく」や平塚工科高校にアルミ板を短冊状に加工を依頼し、お客様の名前を刻印したオリジナルストラップを販売した。また、オリジナルカレンダーを作成して配付した。
       あきんど市について来客にアンケートを実施。質問項目も生徒が考え、集計結果からわかったことや今後のあきんど市について生徒が考えたことを主催者に提言した。
      • 平成17年度 11月6日(日曜日) 12月11日(日曜日) 1月8日(日曜日) 2月5日(日曜日)
      • 平成18年度 4月2日(日曜日) 6月4日(日曜日) 10月1日(日曜日) 計7回
  • (ウ)「暮らしのガイドMAP forひとり暮らし」の発行
     平塚商工会議所ひらつかTMOの協力を得て発行、平塚あきんど市にて配付。
  • (エ)地域中学生対象一日体験入学及び「簿記講座」、「ワープロ講座」開講
    • 平成17年度 夏季休業中(8月15日〜19日)の5日間実施、希望者10名参加
    • 平成18年度 夏季休業中(8月14日〜18日)の5日間実施、希望者4名参加
3平塚専門高校教育フェア
  • 日時場所
    平成18年8月17日(木曜日)〜8月22日(火曜日) ひらつか市民プラザ
  • 内容
    3校の教育課程、部活動の成果を中心にパネルやポスター等で学校の特色を紹介。
    授業や部活動等の成果を実演や体験をとおして紹介。
    • <平塚商業高校>
      パソコンによる暑中見舞いの作り方の実技体験、ストラップの刻印体験、電動式及び手動式チェックライタによる小切手作成体験
    • <平塚工科高校>
      パソコンと工作機械を使用してプラスチック製ネームプレートを作成希望者に無料プレゼント、リモコン操作の相撲ロボットをはじめとした様々な工業製品の展示
    • <平塚農業高校>
      校内農場で栽培・収穫した14種類の野菜・果物の展示・販売、手作りのジャムや酸乳飲料「平塚ハイピス」、雑穀クッキーの展示・販売、実習で栽培した花の無料プレゼント
    • 入場者(中学生105人、一般1,050人)

3)教育課程上の位置づけ

 推進校としての活動のうち、商品の考案・開発・販売はすべてPR部が行っており、特別活動の生徒会活動としての位置づけ、チャレンジショップへの参加は、商業科目「総合実践」の授業の一環として位置づけた。また、3校合同の専門高校フェアは特別活動として位置づけた。

4)連携先の概要

1神奈川県立平塚農業高等学校

 明治19年創立。食品科学、園芸科学、生産流通の3学科からなり、多くの人材を、農業関連ばかりでなく幅広く産業界や大学に送り出している。

2神奈川県立平塚工科高等学校

 平塚工業高校と平塚西工業技術高校が平成15年再編統合された新タイプ校。前身校の歴史は古く、産業界や工業系の大学に多くの卒業生を輩出している。

3平塚市経済部

 平塚市の経済部長は制度出発から学校評議員として貴重な意見を寄せていただいている。

4平塚商工会議所

 平塚の商工界に本校は多くの卒業生を輩出。商工会議所でも卒業生が活躍中。

6 活動の成果

7 2年間の研究の全体的な評価

8 今後の課題及びこれからの取組