平成17年度・18年度みんなの専門高校プロジェクト推進事業報告書

都道府県名 栃木県
推進地域名 矢板市

1 推進校の概要

(1)専門高校

学校名 栃木県立矢板高等学校
設置学科 業経営科・機械科・電子科・報処理科・栄養食物科
生徒数 584名
所在地 栃木県矢板市片俣618-2 電話 0287-43-1231

(2)連携機関

矢板市
矢板市商工会
矢板市観光協会

2 研究テーマ及び研究において特に重点を置いたところ

研究テーマ

地域との連携による、総合選択制専門高校が有する資源を活用した「まちおこし」

重点

地産地消による町おこし支援と将来のビジネスパーソンとして必要な資質・能力の育成を図る。

  • 1「矢高あっぷるカレー」の品質向上や新味の研究開発
  • 2マスコットキャラクタの商標登録

3 研究の概要

(1)17年度

  • 「矢高あっぷるカレー」の品質向上と新味開発
  • マスコットキャラクタの商標登録申請手続き
  • 広報用着ぐるみの製作
  • キャラクターを利用したPR活動の研究とイベントへの参加
  • 「カレーの街、やいた」のHPの制作と運営

(2)18年度

  • 小・中学生対象のカレー教室(ジュニア・キャリアアドバイザー事業)の開催
  • 地域の方々対象の「矢高あっぷるカレー」をつくる出前授業の開催
  • 学校給食への導入要望
  • 「矢高あっぷるカレー」のレトルト化の研究
  • レトルトパッケージのデザイン研究
  • マスコットキャラクターを利用したPR活動
  • 「カレーの街、やいた」のHPの運営

4 連携推進地域協議会の構成及び活動状況等

(1)構成

氏名 所属・職名 備考
鈴木 哲雄 矢板市経済建設部 部長  
大森 廣行 矢板市商工林業観光課 課長  
今井 勝巳 矢板市商工会 会長  
大谷津 和夫 矢板市観光協会 会長  
薄井 孝 矢板市商工会振興課 課長  
野島 忠夫 栃木県教育委員会 副主幹  
横田 一郎 矢板高等学校 校長 (平成17年度)
小林 浩行 矢板高等学校 校長 (平成18年度)
小林 浩行 矢板高等学校 教頭 (平成17年度)
橋本 幸雄 矢板高等学校 教頭 (平成18年度)
蓮實 芳守 矢板高等学校 教諭 (平成17年度)
八木澤 滋子 矢板高等学校 教諭  
青柳 信夫 矢板高等学校 教諭  
飯田 佳史 矢板高等学校 教諭 (平成18年度)
小林 彩子 矢板高等学校 常勤講師 (平成18年度)
小太刀 玉実 矢板高等学校 実習助手  

(2)活動状況

1)平成17年度

第1回矢板高校みんなの専門高校プロジェクト推進協議会
  • 日時
    平成17年10月17日(月曜日)13時〜
  • 場所
    矢板高等学校 応接室等
  • 内容
    • 1みんなの専門高校プロジェクト推進事業について
    • 2今までの取り組み
    • 3本年度の実施計画
    • 4具体的な活動
第2回矢板高校みんなの専門高校プロジェクト推進協議会
  • 日時
    平成18年3月13日(月曜日)13時〜
  • 場所
    矢板高等学校 応接室等
  • 内容
    • 1本年度の実施状況
    • 2問題点と課題
    • 3来年度の実施計画

2)平成18年度

第1回矢板高校みんなの専門高校プロジェクト推進協議会
  • 日時
    平成18年6月6日(火曜日)15時〜
  • 場所
    矢板高等学校 応接室等
  • 内容
    • 1みんなの専門高校プロジェクト推進事業について
    • 2今までの取り組み
    • 3本年度の実施計画
    • 4その他
第2回矢板高校みんなの専門高校プロジェクト推進協議会
  • 日時
    平成19年3月20日(火曜日)14時〜
  • 場所
    矢板高等学校 応接室等
  • 内容
    • 117、18年度の実施状況
    • 2課題及びこれからの取り組み

5 推進校又は連携先における活動の実施状況等

(1)活動前の地域との打ち合わせ

 産学連携での会合において矢板市の活性化について検討され、矢板商工会から「矢高あっぷるカレー」の開発が依頼された。

(2)活動概要

1)活動のねらい

  • 1地産地消を生かした街おこし支援
  • 2将来ビジネスパーソンとして必要な資質・能力を育成する。

2)活動内容

1品質向上や新味の研究開発(栄養食物科)
【平成17年度】

「矢高あっぷるカレー」ソースを利用し試作

  • *矢高祭において販売
  • *矢板市の暮市にてチャリティ販売
【平成18年度】

「矢高あっぷるカレー」のレトルト化研究(栄養食物科)
(有限会社タクジの協力による)

  • 平成18年7月25日(火曜日)…第1回
  • 平成18年12月11日(月曜日)…第2回

レトルトパッケージデザインの研究(情報処理科)

  • 毎週火曜日4時限目及び水曜5、6時限目実施「課題研究」
  • 矢板市商工会からの依頼によりレトルトカレーのパッケージデザインを行う→矢板市商工会主催イベントでの賞品に利用
2マスコットキャラクタの商標登録(情報処理科)
【平成17年度】
ア 講演
  • 平成17年6月2日(木曜日)10時〜11時30分
    • 演題 「知的財産権について」
    • 講師 平山特許事務所 弁理士 平山 俊夫 先生
イ 商標登録手続きについて
  • 平成17年7月8日(金曜日)14時〜16時
    平山特許事務所訪問
    発明協会栃木県支部訪問
  • 平成17年10月25日(火曜日)14時〜16時
    発明協会栃木県支部訪問
  • 平成18年2月6日(月曜日)14時〜16時
    発明協会栃木県支部訪問(電子登録手続きについて)
  • 平成18年5月2日(火曜日)13時〜14時
    発明協会栃木県支部訪問
  • 毎週火曜日4時限目及び水曜5、6時限目実施「課題研究」
    登録デザインの製作
3イベント等へ参加(情報処理科・栄養食物科)
ア 参加イベント
  • 平成17年7月30日(土曜日)
    高原トライアスロン大会(矢板市運動公園)
  • 平成17年10月22日(土曜日)
    食と農に関するイベント(高根沢町元気あっぷむら)
  • 平成17年11月3日(木曜日)
    矢高祭(矢板高校)
  • 平成17年12月26日(月曜日)
    矢板市暮市(矢板市商工会館前)
  • 平成18年8月6日(日曜日)
    高原トライアスロン大会(矢板市運動公園)
  • 平成18年10月14日(日曜日)
    ジュニアキャリアアドバイザ事業
    「マイ・あっぷるカレー」を作ろう(矢板高校)
  • 平成18年11月19日(日曜日)
    大槻公民館主催 出前講座
    「美味しいあっぷるカレーの作り方」(公民館)
  • 平成18年12月26日(火曜日)
    矢板市暮市(矢板市商工会館前・武道場駐車場)
イ 着ぐるみの製作
  • 平成17年7月27日(水曜日)
    有限会社和久井玩具製作所訪問(埼玉県児玉郡神川町渡瀬)
    ライン製造の半製品を発注
    「課題研究」にて完成(イベント参加は「矢高祭」より)
4HPの制作(情報処理科)

毎週火曜日4時限目及び水曜5、6時限目実施「課題研究」
矢板高校HPのデザインの研究
矢板市商工会管理ドメインHPの運営及びデザイン研究

5研究成果の発表(情報処理科)
  • 平成17年11月16日(水曜日)
    平成17年度第2回塩谷地区学校・地域連絡会議(矢板公民館)
  • 平成18年1月12日(木曜日)
    平成17年度高校生徒商業発表大会栃木県大会(栃木県総合教育センター)
  • 平成19年1月13日(土曜日)
    平成18年度高校生徒商業発表大会栃木県大会(栃木県総合教育センター)

3)教育課程上の位置づけ

  • 1農業経営科
    主に果樹、作物、野菜、畜産、課題研究等
  • 2機械科
    主に調理、食品、課題研究等
  • 3電子科
    主に野菜、調理、食品、課題研究等
  • 4情報処理科
    主にビジネス基礎、経済活動と法、情報処理、課題研究等
  • 5栄養食物科
    主に調理、栄養、食品衛生、課題研究等
  • 6特別活動
    生徒会、家庭クラブ、農業クラブ

4)連携先の概要

  • 1矢板市役所(経済建設部、商工林業観光課)
  • 2矢板市商工会
    矢板市内における商工業の総合的な改善発達を図る。
  • 3矢板市観光協会
    矢板市内の観光地案内、イベント等企画運営

6 活動の成果

 平成17年度には、これまでの「矢高あっぷるカレー」の品質向上をめざし、新たな味のカレーを開発した。イベント用オリジナル着ぐるみを製作するとともに、「カレーのまち、やいた」をPRするホームページを制作し、学校祭及び矢板市の暮市で広報活動を展開した。
 広報活動を効果的にするためには、マスコットキャラクタが有効と考え、商標登録の方法等を学び、申請することができた。地域の企業、経済団体、学校関係者による学校・地域連絡会議、および生徒研究発表大会栃木県大会で研究内容を発表し、事業の普及に努めた。
 平成18年度には、「矢高あっぷるカレー」の新商品開発に取り組み、レトルト化することができた。レトルトパッケージのデザインも研究した。「矢高あっぷるカレー」を一層広めるために、高校生が小・中学生にカレーづくりを指導する「ジュニア・キャリアアドバイザー事業」したり、地域の方々を対象に公民館でカレーづくりの出前授業を行い、矢高アップルカレーを地域の方々に知ってもらった。矢板市立中学校から給食に矢高あっぷるカレーを使いたいという話をいただいたが、コストの面で現時点では実現していない。
 新入生やその保護者から、「矢高あっぷるカレー」の話題が出ることがあり、地域の活性化とともに、学校の理解にもつながった。

7 2年間の研究の全体的な評価

 生徒がカレーの研究開発や商標登録、ホームページ制作、カレー作り教室等に携わることにより、それぞれの専門的知識や技能を身に付けるとともに、探求心や勤労観などを育成することができた。
 また、矢板市商工会がイニシアティブをとり、「カレーのまち、やいた推進店会」が中心になり実施した各種イベントにおいて、高校生が開発した商品をPRすることで、「矢高あっぷるカレー」と「カレーのまち、やいた」を広報することができた。
 学校と関係機関・団体の連携により、学校の人的、物的資源が生かされ、地域並びに学校を活性化することができた。

8 今後の課題及びこれからの取組

 レトルト化することができたので、各店のオリジナルな味をセットにしたおみやげ品ができれば、話題にもなり一層「カレーのまち、やいた」広報できるのではないかと考えている。また、現在10店舗で各店舗が「矢高あっぷるカレー」をアレンジしてカレーを販売しているが、「矢高あっぷるカレー」そのものを販売している店がない。矢板高校の学校祭や矢板市の暮市でしか食べることができないので、いつでも元祖「矢高あっぷるカレー」をそのまま食べることができるようにしたい。
 今後も、PR活動のためのホームページを運営や各種イベントへの参加などをとおして、生徒の専門的知識・技能の深化や勤労観の育成を図っていきたい。