都道府県名 茨城県
推進地域名 ひたちなか市
学校名 | 茨城県立海洋高等学校 |
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設置大学科 | 水産に関する学科 |
設置小学科 | 海洋技術科・海洋工学科・海洋情報科・海洋食品科 |
生徒数 | 262名 |
所在地 | 茨城県ひたちなか市和田町3-1-26 電話 029-262-2525 |
学校名 | ひたちなか市立那珂湊第二小学校 |
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児童数 | 263名 |
所在地 | ひたちなか市富士の上10-1 電話 029-262-2744 |
学校名 | ひたちなか市立那珂湊中学校 |
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生徒数 | 645名 |
所在地 | ひたちなか市廻り目2896 電話 029-262-4349 |
学校名 | ひたちなか市立平磯中学校 |
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生徒数 | 239名 |
所在地 | ひたちなか市平磯町3550 電話 029-262-2509 |
学校名 | ひたちなか市立阿字ヶ浦中学校 |
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生徒数 | 71名 |
所在地 | ひたちなか市阿字ヶ浦町610 電話 029-265-7174 |
「海洋高校における小・中学校連携の実践−海洋高校へ探検だ−」
茨城県立海洋高等学校は,県下で唯一の水産系専門高校として70年の歴史を誇り,地域を始め幅広く有為な人材を輩出してきた。しかし,ここ数年普通科指向が強まり,本校を志望する中学生が減少している。
本校では,遠洋航海実習船を使った操業実習等の体験的な学習を行い,生徒が達成感や成就感を得ることのできる授業を数多く実施しており,これらの学習により,将来社会人になるための社会性や豊かな人間性が培われ,個々の人格育成に役立っていると考えている。
本研究では,高校生の指導により,近隣地域の小・中学校児童生徒が海の技術や海の生き物,海洋食品等の学習を体験することで,本校への理解をより一層深めるとともに,高校生自身に自覚と誇りを持たせ,学ぶ目的意識を高めることに重点をおいた。
本校に来校した近隣の小・中学校の児童生徒に対し,特別授業を展開した。小・中学校の児童生徒は,半日間または一日間,希望した海洋高校の専門教科の実習を体験した。指導は,海洋技術科,海洋食品科,海洋情報科,海洋工学科の数名〜数十名の生徒が行った。(ひたちなか市立那珂湊中学校,ひたちなか市立那珂湊第二小学校,ひたちなか市立平磯中学校)
また,本校の生徒が地域の小・中学校を訪問し,小・中学校の生徒に海洋高校で学んでいる専門の学習や取得免許,就職・進学先について,映像を使って講演し,理解を深めた。(ひたちなか市立平磯中学校,ひたちなか市立阿字ヶ浦中学校)
平成17年度に実施した推進事業について,その問題点等について検証を行いながら発展的・継続的事業を実施した。
ひたちなか市立那珂湊中学校,ひたちなか市立那珂湊第二小学校の2校に対しては,新たな学年の児童生徒に対する出前講演と体験学習を行ない,ひたちなか市立平磯中学校,ひたちなか市立阿字ヶ浦中学校の2校に対しては,すでに体験学習をした学年の生徒に対して,その学習内容をふまえて,本校へのさらなる理解を一層拡大・深化させる継続的な体験学習を行った。
ひたちなか市立平磯中学校,ひたちなか市立阿字ヶ浦中学校は,本校から多少遠方にあるため,ひたちなか市教育委員会の協力・支援により,行政バスを運行し本校への移動に充て,体験学習を実施した。
氏名 | 所属・職名 |
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村田 一弘 | 茨城県教育庁高校教育課 指導主事 |
山野井 洸俊 | ひたちなか市教育委員会 教育次長 |
稲野辺 賢造 | ひたちなか市教育委員会 総務課長 |
前島 兼治 | ひたちなか市立那珂湊第二小学校 校長 |
佐藤 友則 | ひたちなか市立那珂湊第二小学校 教諭 |
横須賀 進 | ひたちなか市立那珂湊中学校 校長 |
勝村 悦雄 | ひたちなか市立那珂湊中学校 教諭 |
秋山 清秀 | ひたちなか市立平磯中学校 校長 |
根本 佳典 | ひたちなか市立平磯中学校 教諭 |
小森 和男 | ひたちなか市立阿字ヶ浦中学校 校長 |
菅野 佳枝 | ひたちなか市立阿字ヶ浦中学校 教諭 |
武藤 祥二郎 | 茨城県立海洋高等学校 校長 |
田寺 洋二 | 茨城県立海洋高校学校 教頭 |
海野 浩寿 | 茨城県立海洋高等学校 事務長 |
斉藤 勝輝 | 茨城県立海洋高等学校 教諭 |
三浦 裕 | 茨城県立海洋高等学校 教諭 |
田山 吉孝 | 茨城県立海洋高等学校 教諭 |
奥原 直之 | 茨城県立海洋高等学校 教諭 |
荻野 晃久 | 茨城県立海洋高等学校 教諭 |
事業実施前の説明会を平成17年6月24日に実施し,連携地域と連携校に対して推進事業内容の説明と確認を行った。連携小・中学校の委員の先生方に,専門高校における専門教育の実施現場を実際に公開し,具体的な計画・立案及び連携の方法について協議した。連携校は,協議の結果をもとに「平成17年度の推進事業希望調査書」をそれぞれ作成した。
本校近隣地域の小・中学校児童生徒が海の知識や技術の体験的学習を,高校生の指導により実践することで,本校への理解をより一層深めるとともに,高校生自身に自覚と誇り持たせ,学ぶ目的意識を高める。
本校では,科目「総合実習」等の各実習に位置づけて本事業を実施した。
連携小・中学校では,「総合的な学習の時間」の1テーマとして,または学校行事として(例:「海に学ぶ日」)設定し,本体験学習を実施した。
連携した各小・中学校に,体験作文を募集したところ,本事業を体験した児童生徒全員から応募があった。海洋高校において優秀作文表彰選考委員会を設置し,平成17年度は,最優秀作品2点(二つの作品が同点1位となったため:参考資料1として添付)と優秀作品14点の合計16点を,平成18年度は,最優秀作品1点(参考資料1として添付)と優秀作品12点を表彰した。
体験作文から,推進事業を実施した小・中学校において多くの児童・生徒がその体験学習や高校生出前講演を聞いて,専門高校の学習がどのようなものであるかを理解し,専門教育内容の楽しさや喜び,成就感や充実感を持ったことが伺えた。
また,専門高校生が指導者となり小・中学生を指導したことを通じて,高校生自身も自覚と誇りを持つことができ,学ぶ目的意識が高まった。
「平成17年・18年度みんなの専門高校プロジェクト推進事業」における連携各校の児童生徒参加人数は,2年間で延べ1,057名である。
また本事業の評価については,体験学習に参加した連携各小・中学校の児童生徒によるアンケート調査(アンケート調査結果については,参考資料2として添付)により行った。平成17年度は体験学習前に,平成18年度は体験学習後に,アンケートを実施した。また連携した4校のうち2校は,同一生徒による2年間継続学習(ひたちなか市立平磯中学校,ひたちなか市立阿字ヶ浦中学校)で,他2校は同一学年による各年新規学習(ひたちなか市立那珂湊第二小学校,ひたちなか市立那珂湊中学校)である。
アンケート調査結果によると,本研究で重点を置いた「近隣地域の小・中学校児童生徒が海の技術や海の生き物や海洋食品等の学習を,高校生の指導により体験することで,本校への理解をより一層深めてもらう。」ことが,概ね充たされたと判断できた。
各小・中学校や近隣地域からの要望をもふまえ,小・中学生が興味・関心を高め,かつ限られた時間の中で効果的に実施できるよう,体験学習についてさらに改善を加え,次年度以降も継続して実施する。
本事業のような活動を通して,本校高校生自身の心の中に自覚と誇りを持ち,学ぶ目的意識がより一層高まるよう「特色ある学校づくり」を推進する。