平成17年度・18年度みんなの専門高校プロジェクト推進事業報告書

都道府県名 宮城県
推進地域名 加美郡色麻町

1 推進校の概要

(1)専門高校

学校名 宮城県加美農業高等学校
設置大学科 農業
設置小学科 農業・農業機械・生活技術
生徒数 325名
所在地 宮城県加美郡色麻町字黒澤152
電話 0229-65-3900

(2)小・中学校

学校名 色麻町立色麻小学校
生徒数 266名
所在地 宮城県加美郡色麻町四竈字向町220
電話 0229-65-2406

学校名 色麻町立清水小学校
生徒数 151名
所在地 宮城県加美郡色麻町清水字香ノ木前33
電話 0229-65-2059

学校名 色麻町立色麻中学校
生徒数 233名
所在地 宮城県加美郡色麻町四釜字嬌木町150
電話 0229-65-2409

2 研究テーマ及び研究において特に重点を置いたところ

研究テーマ

「学校農場の活用を通して専門高校生と地域の小・中学生が共に学ぶ「農」の豊かさ」

特に重点を置いたところ

【小学校】

  • 1 栽培や飼育,加工体験をとおして,生命や食物の大切さや農業の重要性を考える
  • 2 自らが農産物を加工して,食することにより,「手づくり」の味わいと食文化のすばらしさを感じる。
  • 3 共同作業をとおして,親子のふれあいを大切にする。
  • 4 専門高校生との交流をとおして,農業や農業高校への興味関心を高める。

【中学校】

  • 1 農業体験をとおして,農業の意義や地域農業の役割について理解する。
  • 2 農業体験や農業学習体験を,進路学習に役立てる。
  • 3 専門高校への理解を深める。

【専門高校】

  • 1 学校農場を活用して知識や技術を習得する。
  • 2 異年齢との交流から農業の豊かさを共に実感する。
  • 3 教えることの難しさや共に学ぶことの意義を体得する。

3 研究の概要

年次 研究概要
第1年次
(平成17年度)
  1. 専門高校と小・中学校との連携の進め方1
  2. 連携推進事業「協議会」の設置及び具体的内容の検討
  3. 連携推進事業の計画及び実施
  4. 連携推進事業の反省及び評価
  5. 地域におけるグリーンライフ研修
  6. 専門高校の理解を深めるPRとその実践
  7. 中間報告の作成
第2年次
(平成18年度)
  1. 専門高校と小・中学校との連携の進め方2
  2. 連携推進事業の計画及び実施
  3. その他関連する活動の実施
  4. 連携推進事業の反省及び評価
  5. 研究成果のまとめと反省
  6. 連携推進事業研究成果報告書の作成
  7. 連携推進事業研究成果報告会の実施

4 推進地域協議会の構成及び活動状況等

(1)構成

1校外研究推進委員

氏名 所属・職名 備考
菅原 力 色麻町教育委員会教育長 校外研究推進委員
藤原 健一 色麻町立色麻小学校校長 校外研究推進委員
川村 亨 色麻町立色麻小学校PTA会長 校外研究推進委員
今野 麗子 色麻町立清水小学校校長 校外研究推進委員
佐藤 文洋 色麻町立清水小学校PTA会長 校外研究推進委員
山中 晴夫 色麻町立色麻中学校校長 校外研究推進委員
橋元 三学 色麻町立色麻中学校PTA会長(平成17年度) 校外研究推進委員
大泉 貞行 色麻町立色麻中学校PTA会長(平成18年度) 校外研究推進委員
たか橋 正道 宮城県大崎農業改良普及センター所長 校外研究推進委員
伊藤 隆之 JA加美よつば代表理事組合長(平成17年度) 校外研究推進委員
池田 衞 JA加美よつば代表理事専務(平成18年度) 校外研究推進委員
高橋 博 色麻町農林課課長 校外研究推進委員
加藤 重子 「さんちゃん会」会長 校外研究推進委員

2校内研究推進委員

氏名 所属・職名 備考
中川西 剛 宮城県加美農業高等学校・校長 推進校代表
小野 和廣 宮城県加美農業高等学校・教頭(平成17年度) 校内推進委員
佐々木 哲也 宮城県加美農業高等学校・教頭(平成18年度) 校内推進委員
遠藤 秀之 宮城県加美農業高等学校・教諭(農場長) 校内推進委員
五十嵐 永治 宮城県加美農業高等学校・教諭 校内推進委員
伯耆田 文彦 宮城県加美農業高等学校・教諭 校内推進委員

氏名 所属・職名 備考
黒川 利司 宮城県教育庁高校教育課長  
阿部 敏 宮城県教育庁高校教育課・課長補佐  
後藤 武徳 宮城県教育庁高校教育課・主幹  

3研究組織

(2)活動状況

1)平成17年度

月日 会場 内容
第1回 平成17年8月11日 加美農業高等学校
  • 1 事業の趣旨説明
  • 2 協議会の組織・運営について
  • 3 協議
    • (1)委員長・副委員長選出
    • (2)推進校における活動計画(案)について
    • (3)協議会の検討課題について
第2回 平成17年12月9日 加美農業高等学校
  • (1)17年度のまとめと反省
    • 1活動別報告
    • 2質疑・応答
  • (2)報告書作成の方針
  • (3)その他
    • 1平成13、14年度専門高校と小・中学校との連携事業の成果と課題
    • 2予算執行状況について
第3回 平成18年1月27日 加美農業高等学校
  • 1学習成果発表会の参観
  • 2協議
    • (1)発表事例に関する質疑応答
    • (2)専門高校と小・中学校との連携の進め方の研究
      • 1小・中学校との連携及び円滑な運営について
      • 2研究体制の在り方と具体的な進め方について
    • (3)18年度の検討課題

2)平成18年度

  月日   活動内容
第1回 平成18年8月21日 加美農業高等学校
  • (1)平成17年度の研究概要(活動報告,課題の検討)
  • (2)平成18年度の協議会の組織と運営
  • (3)18年度活動計画について
  • (4)協議会の検討課題について
第2回 平成18年12月20日 加美農業高等学校
  • (1)18年度の活動経過報告と協議
  • (2)今後の活動予定
  • (3)報告書作成の方針
第3回 平成19年1月26日 加美町中新田文化会館バッハホール
  • 1学習成果の発表
  • 2協議
    • (1)17、18年度活動報告
    • (2)今後の連携について

5 推進校における活動の実施状況

(1)平成17年度

《 活動のねらい,活動内容,教育課程上の位置づけ,連携先の概要,成果 》

学校名
学科・学年
生徒数
活動の概要
(活動内容・方法,ねらい,教育課程上の位置づけ等)
連携先
学校名,学年
児童・生徒数
成果
加美農高
農業科
農業機械科
生活技術科
3年・2年
  • (内容)
    農業体験学習10講座開講
  • (方法)
    高校生による農業学習指導
  • (ねらい)
    農業への興味・関心と理解を深める。
  • (教育課程上の位置づけ)
    「総合実習」
長町中学校
2学年
270名
総合的な学習の時間
  • 1日頃の学習成果に自信を持ち,中学生の指導ができた。
  • 2農業学習のおもしろさや農業への興味関心を高めることができた。
  • 3農業高校への理解が深まった。
加美農高
農業科
農業機械
生活技術科
全校生徒
  • (内容)
    クラス対抗田植え
  • (方法)
    手植えによる全校田植え
  • (ねらい)
    田植え実習をとおして,先人の苦労を忍ぶとともに農業学習のスタートを意識させる。またクラスの団結を促す
  • (教育課程上の位置づけ)
    「総合実習」
保護者
  • 1作物専攻生が「おさ引き」等の事前準備等貴重な体験ができた。
  • 2クラスの個性やまとまりが十分発揮され,有意義な実習であった。
  • 3農業高校生としての自覚を新たにし,上級生は経験が十二分に発揮され,有意義であった。
加美農高
寮生
生活技術科3年
(科目グリーンライフ選択)
吹奏楽部
  • (内容)
    養護学校交流リンゴ狩り
  • (方法)
    寮生会を中心に「リンゴ狩り」などを企画し交流を深める。
  • (ねらい)
    交流を深め相互理解を図る。
  • (教育課程上の位置づけ)
    「特別活動」「総合実習」

古川養護学校
118名

加美ロータリークラブ
  • 1活動をとおして,互いの理解に努め相手の気持ちや良さを感じ取ることができた。
  • 2自分の心の変化が自覚できた。
  • 3昨年よりも成長した自分を発見し,さらに積極的に取組む自信ができた。
加美農高
農業科3年
生活技術科3年
(科目グリーンライフ選択)
  • (内容)
    親子で豆腐作りに挑戦
  • (方法)
    高校生による技術指導
  • (ねらい)
    農産物を加工し,手づくりの味を楽しむ
  • (教育課程上の位置づけ)
    「グリーンライフ」「総合実習」
色麻小学校
親子8組
(17名)
  • 1自分たちが栽培・収穫した原料を使い「にがり」も天然にこだわり手作りの味に活かすことの意義を伝えることができた。
  • 2手作りの味を親子で楽しめた。
加美農高
農業科3年
生活技術科3年
(科目グリーンライフ選択)
  • (内容)
    そば打ち
  • (方法)
    外部講師を招聘し,高校生は,補助を担当しながら,「そば打ち」を体験する。
  • (ねらい)
    自分で作ることの喜びの実感
  • (教育課程上の位置づけ)
    「グリーンライフ・総合実習」

色麻小学校
児童・保護者
4組(8名)

清水小学校
児童・保護者
4組(9名)
  • 1そば打ちの回数を重ねるごとにコツをつかみ,楽しく教えられた。
  • 2「ねり」の行程は力が必要で,小学生と一緒に悪戦苦闘しながら完成させることができて,試食も満足できた。
  • 3農場で栽培したそばを使うことができなかったのが残念である。
加美農高
農業クラブ
家庭クラブ
  • (内容)
    農業学習発表会見学
  • (方法)
    3年間の農業学習の集大成のプロジェクト学習報告会を見学する。
  • (ねらい)
    プロジェクト学習発表会を見学し,農業学習への理解を深める。
  • (教育課程上の位置づけ)
    「総合実習」
色麻中学校
2年生
(72名)
  • 1内容に興味がある(75パーセント)
  • 2発表内容が理解できた(84パーセント)
  • 3参考になったこと
    • 農業高校の学習の理解(33パーセント)
    • 研究の進め方(18パーセント)
    • 進路選択の参考(14パーセント)
  • 4このような学習をしてみたい(68パーセント)
加美農高
1回目
生活技術科
1年34名
2回目
生活技術科
1年6名
  • (内容)
    コサージュの作成
  • (方法)
    卒業シーズンに向けコサージュつくりを体験する。
  • (ねらい)
    生花を利用したコサージュをつくり,贈る気持ちのこもった手作りの良さを実感する。
  • (教育課程上の位置づけ)
    「農業科学基礎」
  • 1色麻小学校5年生45名
  • 2清水小学校5年生18名
  • 3色麻小学校18名
  • 1小学生にわかりやすく教えるための工夫がなされ,好評であった。
  • 2小学生は,高校生がていねいに教えてくれ,楽しく,きれいにできたと満足している。
  • 3「6年生を送る会」でプレゼントするコサージュつくりを再度実施した。

(2)平成18年度

《 活動のねらい,活動内容,教育課程上の位置づけ,連携先の概要,成果 》

学校名
学科・学年
生徒数
活動の概要
(活動内容・方法,ねらい,教育課程上の位置づけ等)
連携先
学校,学年
児童・生徒数
成果
加美農高
生活技術科3年
(科目グリーンライフ選択)
  • (内容)
    りんご狩り(遠足として)
  • (方法)
    秋の遠足として,りんご狩りとあわせて農場見学を行う。
  • (ねらい)
    収穫の喜びを味わうとともに動物とのふれあいを楽しむ。
  • (教育課程上の位置づけ)
    「グリーンライフ」,「総合実習」
色麻小学校
1年生
(32名)
  • 1大きく,おいしいりんごを育てるのに,春の花摘みや幼果摘み,病害虫から防除収穫後の冬の剪定作業など,多くの手間がかかっていることを伝えられた。
  • 2子豚にさわったり,子牛のほ乳体験など動物との楽しいふれあいができた。
加美農高
農業科2年
(科目グリーンライフ選択)
  • (内容)
    サツマイモの栽培
  • (方法)
    色麻小学習畑でサツマイモ苗の植え付け,秋には芋掘りを体験する。
  • (ねらい)
    サツマイモの生長と変化を知り,収穫の喜びを味わう。
  • (教育課程上の位置づけ)
    「グリーンライフ」,「総合実習」
    5月17日:植え付け,10月31日芋掘り実施
色麻小学校
1、2年生
(85名)
  • 1イラストや苗を見せながら,苗の成長と植え付け方法の関係を伝えたり,クイズ形式の質問で興味を持たせた。
  • 2芋掘りでは小学生が掘りやすくするため下準備つもりであったが,苦労しながら掘り出さなければならないイモが多く,掘り出した時の感激も大きかった。
加美農高
生活技術科2年
草花
  • (内容)
    美化活動
  • (方法)
    校内花壇用草花不足分の苗を提供し,きれいに植栽する。
  • (ねらい)
    花壇植栽や美化活動への興味・関心を高める。
  • (教育課程上の位置づけ)
    「草花」,「総合実習」
色麻小学校
3年生
  • 1今回は,色麻小学校3年生が中心となり苗を育て全校で花壇植栽に取り組むということであり,不足する苗を提供することとなった。今後は,植え付け等援助できることがあれば実施したい。
加美農高
農業科3年
(科目グリーンライフ選択)
  • (内容)
    エダマメの栽培と豆腐つくり
  • (方法)
    播種と収穫,さらに完熟した豆を原料に豆腐つくりを体験する。
  • (ねらい)
    未熟な豆を枝豆として試食し,さらに完熟した豆で豆腐をつくりなど豆の利用や加工への興味・関心を高める。
  • (教育課程上の位置づけ)
    「グリーンライフ」,「総合実習」
    6月12日:種まき体験実施(色麻小学習畑)
    10月30日:脱穀,選別
    12月15日:豆腐つくり
色麻小学校
4年生
(40名)
  • 1種まきについて,イラストなど使用して4年生にわかりやすく説明できた。
  • 29月には「エダマメ」として収穫する予定であったが実施できなく残念でした。
  • 3脱穀と「とうみ」を使った選別作業は,興味を持って楽しく体験できた。
  • 4ダイズを原料にする「豆腐つくり」に挑戦し,手作りの味を楽しむことができた
  • 5栽培期間中の記録を取るなどして,生育の経過を観察する企画も必要であった。
加美農高
生活技術科2年
(科目グリーンライフ選択)
  • (内容)
    コサージュ作り
  • (方法)
    6年生を送る会で手づくりのコサージュをプレゼントする。
  • (ねらい)
    手づくりのプレゼントに込める感謝の気持ちを育てる。
  • (教育課程上の位置づけ)
    「農業科学基礎」,「総合実習」
    3月6日(火曜日)実施
色麻小学校
5年生
(36名)
小学生の感想
  • ワイヤーかけやリボンなど難しいところもあったが,高校生が丁寧に教えてくれたので楽しかった。
高校生の感想
  • 指導は不安でしたが,小学生が一生懸命で,機会があればまた教えてみたい。
  • 二年連続参加で,うまく教えることができたので,楽しく進めることができた。
加美農高
農業科3年
(科目グリーンライフ選択)
  • (内容)
    そば打ち
  • (方法)
    そば打ちを体験し,試食する。
  • (ねらい)
    打ち方のむずかしさとつくる楽しみを味わうとともに,農産物の加工への興味・関心を高める。
  • (教育課程上の位置づけ)
    「グリーンライフ」,「総合実習」
    1月17日日実施
色麻小学校
6年生
総合(地域)
  • 1そば打ちは,技術的にむずかしい面もあるが,今回はみんなで楽しく,自分の手で打ち上げ,感激する様子が見られた。
  • 2高校生は補助として係わったが,自分たちの経験を十分伝えることができた。
  • 3時間の関係で,食べる所まではできなかったのが残念であった。
加美農高
生活技術科3年
(科目グリーンライフ選択)
  • (内容)
    栗拾い,農場見学
  • (方法)
    本校生徒による補助と案内。
  • (ねらい)
    収穫の喜びを味わうとともに農場見学をとおしていろいろな発見につなげる活動をする。
  • (教育課程上の位置づけ)
    「グリーンライフ」,「総合実習」
    10月3日,5日実施
清水小学校
1年生
(19名)
2年生
(31名)
  • 1袋いっぱいに栗を拾い,秋の自然や季節の良さを実感できたと好評であった。
  • 2子牛にふれたり,ほ乳体験で「あたたかさ」や「柔らかさ」を実感することができたと好評であった。
  • 3児童ひとりひとりの感想文や写真をいただき,高校生の励みとなった。
加美農高
生活技術科2年
(科目グリーンライフ選択)
  • (内容)
    コサージュ作り
  • (方法)
    卒業生へ手づくりのコサージュをプレゼントする。
  • (ねらい)
    手づくりのプレゼントに込める感謝の気持ちを育てる。
  • (教育課程上の位置づけ)
    「農業科学基礎」,「総合実習」
    3月6日(火曜日)実施
清水小学校
5年生
(24名)
小学生の感想
  • 難しいところもありましたが,楽しく作れ,素敵なプレゼントができた。
高校生の感想
  • 小学生に教えるのはとても難しかったが良い体験になった。この経験を来年グリーンライフや保育の授業に生かしたい。
加美農高
生活技術科2年
草花
  • (内容)
    色麻中学校校内美化活動
  • (方法)
    草花選択生徒が育てた花壇用草花を中学生といっしょに植栽する。
  • (ねらい)
    花壇植栽を通して美化活動と花壇の役割に関心を持たせる。
  • (教育課程上の位置づけ)
    「草花」,「総合実習」
    6月8日:実施
色麻中学校
3年生
  • 1中学生と高校生が一緒に植栽し,季節の花壇を完成させることができた。
  • 2一部に球根類が植え付けられていたが,季節の草花と組み合わせた計画が立てられるとより効果的な授業が展開されたと思われる。
加美農高
農業クラブ
家庭クラブ
  • (内容)
    農業学習発表会見学
  • (方法)
    加美農高におけるプロジェクト学習の成果発表を見学する。
  • (ねらい)
    農業学習への理解を深めるとともに,発表のしかたを学習する。
  • (教育課程上の位置づけ)
    「総合実習」
    場所:バッハホール1月26日(金曜日)実施
色麻中学校
2年生
色麻中学校「2学年通信」より
  • 発表は,わかりやすかった。発表のしかたがうまい人がいた。一番良かった発表はデザインも良かったし,聞き取りやすかったから「天衣無縫」だった。ちょっと難しいところもあった。・・・加美農の知らないところも新たにわかって良かった。

6 活動の成果

【小学校】

 17年度は,農産物を活用する「手づくり」に重点を置き事業をすすめた。「栽培する」・「つくる」ことの楽しさや難しさ,「手づくり」の味わいや良さを実感することができた。また,共同作業をとおして親子のふれあいを大切しながら進められた。
 しかし,栽培や飼育の継続的な調査や観察を体験できる内容が展開できなかったことから生命や食物の大切さ,「農」の豊かさを考えるまでに至らなかったと思われる。この点は,次年度の課題とした。
 18年度は,学年単位で活動できる内容で事業を計画し,種まきや苗の植え付けから収穫,「手づくり食品」への挑戦,動物とのふれあいをとおして「収穫」の喜びや「生命」実感する体験ができた。また,異年齢との交流をとおして,思いやりや信頼感など心の教育としても大きな成果があった。

【中学校】

 「農業」や「農業高校」の理解に主眼を置き事業をすすめた。断片的な体験であったが,驚きや感動をもって熱心に取り組む姿や体験後の考え方の変容を述べる感想が寄せられるなど十分な成果があった。また,農業学習発表会では,「農業」や「農業高校」への興味関心や理解を深まり,進路学習の一環として大きな成果がみられた。

【専門高校】

 高校生は,農業学習を教えることによって再確認することにより,自信を持って積極的に対応するなど成長がみられた。また,小中学生に理解を促すための工夫も随所に見られるなど生徒自身の交流活動に対する意欲が高まり,多くの部門で交流活動を充実させる積極的な取り組みが見られ,生徒間の連携も充実したものとなった。

7 2年間の研究の全体的評価

【小学校】

  • 1 「手作り体験」の楽しさや難しさ,おいしさなどをとおして「農」に対する興味関心を高めることができた。
  • 2 学年全体で活動でき,思いやりや信頼感がうまれ心の教育として大きな効果があった。
  • 3 活動を通して,改めて農業の重要性を理解し,農業高校への興味関心を高めることができた。
  • 4 五感をフルに活用し年齢に応じた実体験ができ,意義ある体験ができた。

【中学校】

  • 1 断片的な体験となったが,「農業」や「農業高校」の理解と進路学習の参考にすることができた。
  • 2 中学校としてその後の活動に結びつける工夫が必要である。

【専門高校】

  • 1 事前学習やイラストの作成など理解を深める工夫など,農業学習の成果をもとに自信を持って対応できた。
  • 2 多くの部門で交流活動を充実させる積極的取り組みがなされ,生徒の意欲や生徒間の連携も充実した。
  • 3 栽培・収穫した農産物の調理・試食や,豆腐やそばなどに加工を小学生と一緒に実施することにより,手作りの味と食の豊かさや驚きが実感できた。
  • 4 農業高校生であることへの自信と誇りを持ち,学習成果の確認や今後の課題発見に大きな成果があった。

8 今後の課題及びこれからの取り組み